乃木坂46、欅坂46、AKB48、NGT48の歌詞で使われてきた〈青空〉の意味は? 「僕が見たかった青空」に繋がる“青空曲”

「青空」と「星空」

 別の言葉をくっつけて使われるパターンもある。AKB48の「青空カフェ」(2014年)は、青空とカフェを合体させた造語。青空カフェは、明るく風通しの良い場所だという。ただその反面、他人に見られるリスクもある。秘密の恋を育んでいる2人にとって、青空カフェはクラスメイトに見られる可能性があり、2人のロマンスにはとって向かない場所なのだ。

 ところで「青空」の対義語としてよく用いられるのが「曇り空」や「雨」だが、この曲では「星空」が登場するのも面白い。天気ではなく昼か夜かなのだ。星空カフェであれば、クラスメイトの目を気にする必要もない。人目を忍んで星空カフェを選んだ2人だが、実際は星空カフェも月の光で意外と明るいという洒落も加えられている。

「孤独」を歌う青空曲

 青空という言葉は「孤独」を歌う際に使われることも多い。乃木坂46の「孤独な青空」(2016年)は、孤独に苛まれる主人公と対比させるものとして使われる。疑問形系を畳み掛ける歌詞に表れているように、主人公の心情は様々な感情が混在しており、澄み渡った青空は、その主人公の雑然とした心の内とはまったく真逆の存在として登場する。主人公にとって青空は、自分を責めていると感じるほど澄み切っているというのだ。

 同じように「孤独」とセットで登場するのがAKB48+SKE48+NMB48+HKT48の「青空よ 寂しくないか?」(2012年)。君がどこかへ行ってしまった寂しさを歌った曲だが、この曲は空自体が孤独だという興味深いモチーフで綴られている。締めの一文〈空に青だけ残った〉という独特の表現が印象的で、雲が流されて空の青色だけが残るという、ある種の巨大な寂寥感が胸を打つ。この曲が収録されたアルバム『1830m』のジャケットには、水色の背景をバックに白い衣装を着たメンバーたちが映っている。おそらく、いつかは卒業してしまうメンバーたちの存在を、空に流れる白い雲に例えているのだろう。当時の48グループ全員が歌唱に参加した数百人規模の楽曲だが、だからこそ孤独感が増す一曲だと言える。

「僕が見たかった青空」における「青空」

僕が見たかった青空 / 「青空について考える」Music Video

 これまで様々な意味を持ってきた「青空」だが、この度結成された「僕が見たかった青空」ではどのような使われ方をするのだろうか。公式ページを見てみると、以下のような文章がある。

「確かに、夢は遠い。それを掴むまでは、いろいろな障害があるかもしれません。」

「でも、夢は、必ず、この先にあるんです。雲に覆われた向こうに、青空はあるんです。」

 そして、8月30日に発売される1stシングル『青空について考える』の楽曲情報には、以下の通り。

「雲に覆われた向こうにある希望の青空を見て欲しい。」

 このグループにおいては、このように「夢」や「希望」を表す言葉として使っているようだ。夢や希望に、青空の明るいイメージを重ねている。デビューシングルは、この新しいグループが「青空」へと進むその第一歩となるだろう。

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