TOMORROW X TOGETHER、エンタメと芸術を両立した多彩なステージ 最新ワールドツアー日本公演を観て

 ストリングスの音から始まったのは、メンバーのダンスパフォーマンス。TAEHYUNとHUENINGKAI、SOOBINとBEOMGYUがそれぞれユニットで、コンテンポラリーダンスのような力強くも美しいダンスを披露すると、最後にYEONJUNが芸術的と言っても過言ではない細部まで磨き抜かれたダンスを見せて、パフォーマンスパートを終えた。その雰囲気を残しながら「Opening Sequence」を披露し、細部までメンバー全員の息の揃った圧巻のダンスで会場を魅了した。

 その後のMCでは、HUENINGKAIが「初めてのソロパフォーマンスで、練習をたくさんしました。魔法が始まるような構成がとても良かったです」と、ソロパフォーマンスについてコメント。また、BEOMGYUが「『Opening Sequence』をもっと見たいという声にお応えして、今日はユニットとソロのパフォーマンスを入れてみました」と、ライブ構成はMOAのために考え抜かれたものであることを説明した。そして、HUENINGKAIが「(TXTの楽曲には)歌唱だけの曲もたまにありますよね?」「メロディも歌詞も寂しい雰囲気の曲ですが、MOAのみなさんが一緒に歌ってくれると、あたたかく感じられるんです。一緒に歌ってくれますよね?」と会場に呼びかけ、「Anti-Romantic」を寂しげに語りかけるような歌声で歌唱。そして「Etanally」を披露し、映像パートへと移行した。

 その後、白いTシャツに黒いパンツへと着替えたメンバーが再登場。YEONJUNが「みなさん、準備できましたか!」と煽ると、「Good Boy Gone Bad(Japanese Ver.)」をダークで挑戦的な表情とともにパフォーマンス。続けて「Tinnitus(Wanna be a rock)」「Devil by the Window」を披露し、今回のツアータイトルの意味が込められたであろう映像が流れた後、「Angerl or Devil(Japanese Ver.)」「Ice Creame」でライブ終盤を盛り上げていった。

 ここでMCへ。HUENINGKAIが「今回のライブで、僕たちが一番楽しみにしていたステージが残っています。このステージのために、YEONJUNが振付した曲ですね」とトーク。YEONJUNが「懐かしいね。今回のコンサートでみんなで歌って踊りたいなと思って進めたプロジェクトでした」と話すと、会場全体でYEONJUNのレクチャーにより「Happy Fools」の振付を練習した。そして、メンバーがファンの様子をしっかりと見届けながら「Happy Fools」を披露。会場の一体感が生まれ、熱量も最高潮に達したところでYEONJUNが「MOAのみなさん、楽しいですか? 僕は楽しいです!」と叫び、本編最後のMCへと移った。

 SOOBINが「もう最後の曲になりました」と告げると、会場からはライブ終了を惜しむ声が。その声に応えるかのように、メンバーは本公演の本編では最後となる挨拶を行った。

 BEOMGYUは「1回目のワールドツアーよりも、たくさんのMOAのみなさんに会うという僕たちの決意がひとつずつ現実になっているようで、とても幸せです。ずっと一緒にいてね、愛してる!」とコメント。TAEHYUNは「MOAのみなさんの愛に応えるため、音楽もパフォーマンスも、いつも僕たちの成長する姿だけをお見せすることを約束します」と、今後の活動への抱負も含めて語り、YEONJUNは「いつもこの瞬間だけは、世界で一番幸せなのは僕だと思っていますが、来てくれたみなさん、そしてステージ上の僕ら5人が幸せだったらいいなと思います。心から愛しています、ありがとうございます」と満足そうにコメントした。

 HUENINGKAIは「MOAのみなさんがくれるエネルギーで一杯だったステージ、長く記憶に残ると思います。ライブストリーミングで一緒に過ごしてくれているMOAのみなさんも、本当にありがとうございました! 今度は会場で会いましょう! MOA、MOA、キュン!」と、ファンの笑顔を引き出すような挨拶を行った。最後にSOOBINが「大好きなMOAのみなさん、楽しんでいただけましたか?次はもっと楽しいステージをつくりましょう。今日の僕たちの公演はこれで終わりますが、MOAと一緒に過ごした今日は、永遠に僕たちの心の中に残ると思います。いつもMOAのみなさんのために歌うTOMORROW X TOGETHERになります!」と、最後のMCパートを締めくくった。

 本編最後は、ミステリアスな雰囲気も漂うオルタナティブポップダンスジャンルの「Sugar Rush Ride」を披露。華やかでありながら、力強さも兼ね備えたダンスは最後まで勢いも統一感も衰えることなく、公演の本編を終えた。アンコールは「Farewell, Neverland」「Blue Spring」「Our Summer」を披露。メンバーは最後まで、ステージの隅から隅まで歩き回ってファンに愛を伝え、公演の全曲目が終了した。

 今回の公演は、TOMORROW X TOGETHERの魅力と特徴がギュッと詰まった約3時間だったように思う。ファンタジーのようなストーリーが描かれた映像と、その世界観を活かした舞台演出。そして、ダンスナンバー、ロック、オルタナティブポップ、疾走感あるEDMなど多彩な楽曲を歌とダンスでパフォーマンスし切るメンバーの表現力の豊かさと、ステージの芸術性の高さは圧巻だった。どこか儚げで、それでいて力強さもあり、クールな表情をしたかと思えば、キュートな一面も垣間見えるメンバーのさまざまな魅力が生み出す魔法にかけられた。そんなライブだった。

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