The BONEZ、窮屈な時代に傷を負った仲間への言葉 JESSE&T$UYO$HIが語る、喪失から始まったバンドが果たすべき役目

揺るがぬ核としての反骨、心の隙間を満たすメロディ

――世の中のネガティブな空気を受け止めた上で、それでもロックバンドとして何を提示していくのかという意味では、「Here we are」は今のThe BONEZにとって外せないアンセムだと思います。

JESSE:「Here we are」を書いていた時に、中学2年生の子がいじめを受けて、校舎の屋上から飛び降りたっていうニュースを見て。うちの娘も同じ歳なんだけど、そんな子が追い詰められて、自分で飛んで死んだっていうのは、殺されたことにならないのか。そんなことが俺の娘に起きたらどうしよう……って考えていたのが、たまたま曲作りをしてた日で。もともと「Here we are」は、山中湖で合宿をしていた時、スタジオから富士山が見えてすごく気持ちよかったのもあって、「The BONEZの4人は最高な仲間だぜ!」っていうバーンとした想いを歌った言葉だったんだけど。いじめられている子とか、同性愛者の人とか、マイノリティな人たちが「ここで生きているんだ」って言うことと、俺らがロックバンドとして「4人が集まれているのはなんて幸せなんだ」って歌うことは、全く同じことなんだなと思って。「Here we are」は、そういう小さな声を大きくしたいという気持ちで書いていった歌詞なので。(和訳の)日本語詞にもいろんな気持ちを込めたので、上手く伝わったらいいな。

――The BONEZとして4人の武器を解放して、JESSEさんも弱さや傷を衒いなく歌で吐き出すようになった結果、メッセージを伝えるフロントマンとしてのJESSEさんの姿が浮き彫りになった作品でもあると思っていて。存在証明や寄り添うことについて歌った「Here we are」は顕著ですが、そういう意識の高まりは感じていますか。

JESSE:そう思われていたら嬉しいです。俺は、ザック・デ・ラ・ロッチャ(Rage Against The Machine)が大好きで。彼のフロントマンとしての絶対感とそこに乗るメッセージには、マイノリティをマジョリティに持っていく力があるんだよね。レイジがメジャーな存在になったことで、彼らに共振したマイノリティの人たちも一緒に底上げさせたのが、ザックをリスペクトしてる一番の理由。レイジはボブ・マーリーと同じレベルミュージックであり、反骨というのはずっと俺の中の核だと思ってる。

 もちろんインディな存在でいる良さもいっぱいあるんだけど、小さいステージで、好きなことだけやって生きてたい人間じゃないだろうって、俯瞰で自分を見ていつも思うんです。もっとデカいところへ行くのがJESSEだろって、自分のケツを日々叩いているし、第一線に立ってマイノリティを底上げしていくのが俺の理想。だからこそ、1人でも多くの人の耳に届けばいいなという想いで歌詞を書いているので。

――それはメロディにも表れてますよね。合唱したくなるメロディや、歌の爆発力はThe BONEZの強みだと思いますが、そこはどう捉えてますか。

JESSE:そもそも俺、RIZEではまともに歌ったことがなかったからね(笑)。メロディとハーモニーは、The BONEZという船に乗ったからこそ手にした武器だと思う。

Thread & Needle / The BONEZ - Music Video-

――そこはザックと違う、JESSEさん独自のスタイルだと思います。ラップでアジテートして、歌でユナイトするところがThe BONEZだと思うんですよ。The BONEZ名義の始まりを告げた「Thread & Needle」も〈Wow〉の合唱から始まることに意味があったと思うし、今回も4人でデカい声で歌うパートが多いですよね。

JESSE:確かに。同じ「For you」っていうひと言でも、メロディやハーモニーがつくと、心の隙間によりしっかりと入れることができるんだよね。穴の開いた心を満たしてくれる感じっていうか。ハッピーな「For you」なのか、悲しい「For you」なのかもメロディ次第だから、The BONEZでそういう表現ができてるのはよかったと思う。

T$UYO$HI:やっぱりThe BONEZには体温があるってことなんだよね。無機質な音楽がここ数年でめちゃくちゃ増えていて、もちろんそれも聴いていて気持ちいいんだけど、The BONEZにとっては“エネルギーの塊”であるっていうことが欠かせない。俺1人で音を鳴らしていてもなんか足りないんですよ。それぞれの道を歩んできた4人の色の集合体がThe BONEZらしさを作ってるので。

――JESSEさんは、『Yours』ができ上がった今こそ感じる“The BONEZらしさ”はどういうものだと思いますか。

JESSE:とにかく、時代を変えるためには何も惜しまないバンドだってことかな。そう簡単に自分が信じることを諦めようと思わないほど、4人には確信している気持ちがあって。でも、時代を変えるのは俺らだけじゃできないから、賛同者が必要で。みんなの“変わりたい気持ち”に俺らは乗っかりたいし、時代や自分を変えるために「ぜひ俺らを使ってくれ」っていう想いなんだよね。The BONEZでいたから、俺はこの数年で変わることができたし、「間違っていなかったんだ」「時代を変えるために俺らはサポートし合ってるんだ」って確信できている。だからこそ、変われなくて歯がゆい思いをしてるヤツらの気持ちも超わかるし。揚げ足を取って、魔女狩りばかりするようなつまらない時代を変えたいと本気で思ってるから、俺らはふらつかずに前進して、デカいステージに立つ。何かを変えたいと思ってる人には、The BONEZを観てもらうしかないって信じてます。

――まさに“あなたにとってのThe BONEZ”だということですね。

JESSE:それだわ! 『Yours』、いいタイトルになったなって思う。

The BONEZ『Yours』

■リリース情報
The BONEZ『Yours』
4月19日(水)発売

・初回限定LPサイズジャケットCD:¥4,000税込
(セルフライナーノーツ、メンバーインタビュー、対訳歌詞付)
・初回限定LPサイズジャケットCD +ジャケットTシャツ(Blue数量限定):¥8,000税込
受付:https://thebonez.stores.jp
・通常盤:¥2,500税込
※タワーレコードにて購入すると先着でオリジナルステッカー付き

<Tracklist>
1 . Love Song
2 . Rusted Car
3 . It’s time to let go
4 . You and I
5 . Step Up
6 . Dreamer
7 . For you
8 . New Original
9 . Smile now cry later
10 . Here we are
11 . I’m on my way
12. We are The BONEZ

■ツアー情報
『The BONEZ 47都道府県TOUR 2023-2024』
2023年5月12日(金)東京都 LIQUIDROOM
2023年5月13日(土)東京都 LIQUIDROOM
2023年5月18日(木)大阪府 BIGCAT
2023年5月19日(金)愛知県 THE BOTTOM LINE
2023年5月21日(日)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
2023年5月23日(火)山梨県 甲府Conviction
2023年5月26日(金)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
2023年5月30日(火)長崎県 DRUM Be-7
2023年6月1日(木)鳥取県 米子 AZTiC laughs
2023年6月3日(土)滋賀県 滋賀U★STONE
2023年6月8日(木)北海道 札幌PENNY LANE24
2023年6月10日(土)北海道 帯広MEGA STONE
2023年6月11日(日)北海道 函館club COCOA
2023年6月14日(水)秋田県 Club SWINDLE
2023年6月16日(金)宮城県 Rensa
2023年6月22日(木)京都府 KYOTO MUSE
2023年6月24日(土)和歌山県 SHELTER
2023年6月29日(木)富山県 MAIRO
2023年6月30日(金)新潟県 NIIGATA LOTS
2023年7月8日(土)愛媛県 松山サロンキティ
2023年7月9日(日)香川県 DIME
2023年7月13日(木)静岡県 LIVE ROXY Shizuoka
2023年7月15日(土)広島県 広島CLUB QUATTRO
2023年7月17日(月・祝)福岡県 DRUM LOGOS
2023年10月13日(金)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
2023年10月15日(日)高知県 X-pt.
2023年10月17日(火)徳島県 club GRINDHOUSE
2023年10月19日(木)三重県 CLUB ROOTS
2023年10月22日(日)茨城県 mito LIGHT HOUSE
2023年10月26日(木)石川県 金沢EIGHT HALL
2023年10月27日(金)福井県 福井CHOP
2023年10月29日(日)岐阜県 岐阜club-G
2023年11月2日(木)青森県 青森Quarter
2023年11月3日(金・祝)岩手県 Club Change WAVE
2023年11月5日(日)山形県 山形ミュージック昭和Session
2023年11月7日(火)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN
2023年11月28日(火)群馬県 前橋DYVER
2023年11月29日(水)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
2023年12月2日(土)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
2023年12月3日(日)山口県 周南RISING HALL
2023年12月6日(水)鹿児島県 CAPARVO HALL
2023年12月8日(金)熊本県 熊本B.9 V1
2023年12月9日(土)佐賀県 SAGA GEILS
2024年1月13日(土)神奈川県 Yokohama Bay Hall
2024年1月14日(日)千葉県 KASHIWA PALOOZA
2024年1月19日(金)奈良県 EVANS CASTLE HALL
2024年1月21日(日)島根県 松江 AZTiC canova
2024年1月23日(火)大分県 DRUM Be-0
2024年1月24日(水)宮崎県 LAZARUS
2024年1月27日(土)沖縄県 桜坂セントラル

The BONEZ オフィシャルサイト

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