活気づく「推し活」市場、SNSや“映え”ブームの影響 推し活トラベラーの視点から楽しむコツも解説
「推し活」:アイドルやキャラクターなどの「推し」、いわゆるご贔屓を愛でたりする「推しを様々な形で応援する活動」のこと。
そんな「推し活」は、ここ数年かなり盛んになっており、2021年の新語・流行語大賞にノミネートされたほど。なぜ、ここまで「推し活」市場は活気づいているのか。そしていつからここまで盛んになったのか、“推し活トラベラー”の筆者の視点から解説します。
女性アイドルグループの流行とともに広まった“推し”
元々「推し」という言葉自体、AKB48を始めとする女性アイドルグループの中で「自分はどのメンバーを“推し”ているか」、ファンが分かりやすく自己紹介するために用いられていた単語でした。
「推しメン」が新語・流行語大賞にエントリーされた2011年前後(※1)からAKB48グループなど女性アイドルグループの流行とともに「推し変」「箱推し」など“推し”に関する用語はアイドル市場のみならず、アニメ・漫画界隈にも広まっていくことに。
そして、時を同じくして、ある言葉も流行りだしました。それは「婚活」「終活」「涙活」「腸活」「ラン活」などで用いられる「~活」という表現(※2)。特定の分野に対して力を入れて活動すること全般に用いられていた言葉でしたが、「推し」と「~活」がほぼ同時期に広まったことで「推し活」なるワードも誕生したと言えます。
「推し活」は「オタ活」「ヲタ活」と言われることも多いことから分かるように、俗にいう「オタク」「ヲタク」と呼ばれる層が主に使う言葉となりました。
SNSの発展による「隠れオタク・ヲタク」の減少
2000年以前と現在で比較すると、“アイドル”そのものの数が増加し、それに伴って“アイドルを推す(オタク)人数”も増加。その勢いにプラスするようにSNSが普及しだして仲間と繋がりやすくなったり、推しの魅力を好きにつぶやくことができるようになったり、さらには推しに直接気持ちを伝えることも可能に。今までなんとなく「恥ずかしくて言えない」「“こんなことにお金を使ってるの?”と言われたくない」と後ろめたい気持ちから“オタク”であることを隠していた人も、「SNSではオタクであることを隠す必要はないんだ!」と羽を伸ばせたことも大きいかと思います。
私自身もブログやTwitterで「ジャニーズ推し」と大々的にアピールしているおかげで全力で楽しめていますが、SNSがなかったら……想像もつかないです。
「推し活」コンテンツと企業のタッグも
私はジャニーズを長年推しているいわゆる「ジャニヲタ」ですが、とにかくものすごくお金を使ってしまいます!
・コンサート、舞台のチケット代(宿泊費や交通費、食事代も)
・シングル、アルバム、DVD・ブルーレイ代
・雑誌代
・映画代
・推しが出演しているCMの商品購入代
・コンサート、舞台に行くための洋服、化粧品の購入代
・美容院、ネイル、まつ毛パーマ代
・推しの誕生日や周年祝いのためのグッズ代(店でお祝いする場合は飲食代)
など
「最後の方、本当に必要なのか?」とツッコミが飛んできそうですが、そんなツッコミは華麗に避けながら発言させていただきます。「推しには、いつもより綺麗な姿で会いたい!」と。
このように「一人」、もしくは「数人」のためだけにここまでお金を消費して楽しんでいるオタクはとにかく活動的なため目立つ。そして企業側が「オタクに“ウケる”サービスを展開したらメリットがあるのではないか」と気づいて様々な施策を実行したおかげで、「推し活」はオタクだけのものではなく、企業を、日本を、世界をも巻き込む文化として発展していきました。