Hana Hope、ありのまま歌う“10代の複雑な感情” 高橋幸宏から託された希望や、三船雅也らとの制作エピソードも語る

高橋幸宏からかけられた言葉が“続けるモチベーション”

――それから何と言っても「CUE」。これはYMOにとっても大切な曲ですね。これまでもライブでずっと歌ってきた曲ではありますけど、今回アルバム用に歌い直してみて、違う感覚はありましたか?

Hana:最初に歌ったのは12歳の時だったんですけど、その時はYMOを全然知らなくて。でも幸宏さんとのリレーションシップもできて、そこから時間が経って、このアルバムのために「CUE」を歌った時はそれまでの経験を通して自分らしく歌えたなと思いました。もちろんYMOに対してのリスペクトも保ちながら、前よりも少し成熟した感じで歌えたと思います。

――本当にそうですよね。同じ曲を通して成長が伝わってきます。残念ながら幸宏さんは今年の1月に亡くなってしまいましたけれど、彼にかけられた言葉で何か印象に残っていることはありますか?

Hana:去年、シングルデビューの時に、「Hana Hopeは僕たちの希望そのものです」って。

――凄い言葉ですね。それを聞いた時は?

Hana:少しプレッシャーもありますけど、そう言ってもらえると、続けるモチベーションになるので嬉しいです。

――歌を歌う時には、さっきおっしゃったように歌の世界を理解するということがまずあると思うんですけど、他にはどんなことを心がけていますか?

Hana:あまり考え込まないことでしょうか。もちろん曲の世界に自分を入れることも大切なんですけど、あまり考え込むと詰まっちゃう感じで、ピュアな自分を見せられないから。

――ボーカリストの中ではAURORA(ノルウェーのシンガーソングライター)が好きだそうですが、それがとても腑に落ちるんですよね。自分が好きになるものに共通点はあると思いますか?

Hana:悲しい曲がすごく好きなので、好きなアーティストの曲も切なさが表現されているものが多いです。切なさに共感するのかな。

Hana Hope - それでも明日は(作詞:柴田聡子 作曲:UTA MV監督:まつむらしんご)

――切ない気分になることって、高校生の日常ではあまりないような気もしますが。

Hana:ええ、あんまりないです。でも、悲しい曲を聴いて悲しくなるのがなぜか好きで(笑)。あまり自分から悲しくはならないんですけど、曲で悲しくなるのはすごく好きなんです。

――この『HUES』というアルバムで、どんなことが表現できたと感じているでしょうか。

Hana:やっぱり「希望」かな、と思います。アップビートな曲でも、少し切ない曲でも、最終的に希望が持てる曲がいっぱい詰まっているので。

――私がすごく素敵だなと思うことは、Hanaさんの歌や佇まいに少し影があることなんです。希望という光に、影の部分がリアリティを与えていると思って。ちゃんと暗いところを踏まえたところで見える光……それが好きなんですよね。Hanaさんのその感受性はどういうところから育まれたと感じていますか?

Hana:たぶん、若い時から楽器が身近にあったり、楽器がなくても声を使って、自分で音楽を作るっていうアイデアがすごく好きだったので。

――環境は大きいですよね。お母様もアーティストですし、自由に表現をできる土壌があったのがよかったと。

Hana:はい、お母さんも私のクリエイティブな面をすごく大切にしてくれたので、そのおかげで今があって。

――その一方で、日本って突出するのが難しい社会でもあるじゃないですか。自分を貫くことで軋轢が生じることもある。そういう部分で葛藤はなかったですか?

Hana:お母さんはそんな日本の中でもアーティストとして、とにかく自分の好きなことをやっていくことを大切にしていました。あと、私はアメリカと日本のハーフなので、アメリカの自由なアイデアも自分の中にインストールされてると思います。

――表現者として目指すところはありますか?

Hana:ファンとのコネクションを深めたいのと、ライブも一つひとつ大切にして自分のベストを見せられる人になりたいです。

Hana Hope - きみはもうひとりじゃない
Hana Hope『HUES』

■リリース情報
Hana Hope『HUES』
2023年3月15日(水)配信開始
発売元:U/M/A/A Inc.

ダウンロード/ストリーミング
https://lnk.to/HanaHope_HUES

<収録曲>
1. HARU
2. 16 – sixteen
3. Weʼve Come So Far
4. Your Song
5. きみはもうひとりじゃない
6. Dawn Dancer
7. CUE
8. the ace
9. SORA
10. Sentiment
11. それでも明日は

■ライブ情報
『Hana Hope LiveーHUESー』 
2023年4月6日(木)

<出演アーティスト>
Hana Hope (Vo)
永井聖一(Gt)
網守将平(Key)
toshi808(Seq)
Smooth Ace (Cho)

<会場>
表参道WALL&WALL
〒107-0062 東京都港区南青山3-18-19 フェスタ表参道ビルB1
http://wallwall.tokyo/

<開場/開演>
18:45 開場 / 19:30 開演

<チケット一般発売日>
2023年3月15日(水)チケット発売開始

・チケット料金①(一般)
前売り 3000円 当日 3500円
※オールスタンディング
・チケット料金②(学割)
受付で学生証、及び身分証明証をご提示頂きましたら、500円キャッシュバック致します。

・プレイガイド(4月5日23時59分まで販売)
https://wallwall.zaiko.io/item/355148

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