乃木坂46は世代交代の壁を乗り越えられるか? モーニング娘。とAKB48の例から考える変化の季節に必要なもの
乃木坂46が3月にリリースする32ndシングルの選抜メンバーに4期生2名、5期生5名の計7名が初選出され、話題を呼んでいる。秋元真夏、鈴木絢音の卒業によって1期生・2期生全員がグループを去ることとなり、彼女達は今まさに世代交代の真っ只中にあると言えるだろう。
大所帯女性アイドルグループにおいて人気メンバーの卒業が続くことは珍しくなく、それに伴って旬も移り変わっていくことから、しばしば「10年周期説」が囁かれることがある。先頃デビュー11周年を迎えた乃木坂46も、今後この世代交代を乗り越えることができるのかがポイントとなってくるだろう。そこで、これまでのアイドルグループが10周年以降に迎えた難局をどのように乗り越えてきたのか、振り返っていきたい。
長きに渡って活動を続ける女性アイドルグループの代表選手と言えば、モーニング娘。だろう。1997年に結成、翌年「モーニングコーヒー」でメジャーデビューすると、1999年リリースの「LOVEマシーン」が大ヒットし、一躍国民的グループの仲間入りを果たした。その後も「恋愛レボリューション21」「ザ☆ピ~ス!」といったヒット曲を連発するも、人気メンバーの相次ぐ卒業やCD不況も相まっていつしかセールスは下降。2007年には結成10周年を迎えたが、この年を最後に10年連続出場していた『NHK紅白歌合戦』からも遠ざかることとなってしまった。
改めて振り返ってみると、2007年の時点で4期生までのメンバー全員が卒業していることに驚く。当時はそもそもアイドルグループが10年存続すること自体が異例だったため、10年間グループに在籍する例もほぼなかったのである。例えば安倍なつみは約6年、後藤真希に至っては約3年しかグループに在籍していない。しかし2007年6月の藤本美貴脱退を最後にメンバーの変動は激減。2010年12月に行われた亀井絵里、ジュンジュン、リンリン卒業公演までの約3年半もの間、メンバーの増減といえば久住小春が卒業したのみだ。この時期のモーニング娘。はメディア露出こそ減少したものの、安定したグループ編成でパフォーマンスに磨きをかけていくこととなる。当時の彼女達は2009年リリースのアルバムタイトルから「プラチナ期」と呼ばれ、後追いで評価するファンも多い。
また、この時期に鍛えたパフォーマンス力は後の音楽ファンからの好評に繋がることとなり、2012年リリースの「One・Two・Three」以降はEDMサウンドとフォーメーションダンスを武器にグループイメージの刷新に成功。つんく♂による歌詞も女性の共感を呼び、再びファンを増やしていった。当時のアイドルブームも追い風となり、モーニング娘。への再評価が高まっていったのである。