04 Limited Sazabys、15年間続けるライブバンドとしてのアップデート 最新ツアー KT Zepp Yokohama公演レポ
終盤の「Harvest」では、前半にHIROKAZのギターとGENの歌声で想いをメロディに乗せてしっかりと届け、後半はKOUHEIのブラストビートが強烈なバンドサウンドで再び会場を盛り上げていく。ラストは『Harvest』と同様に「Just」で締め、本編が終了した。
この日のアンコールのMCでは、「最近は効率やタイムパフォーマンスを重視する人が多いけど、それって本当にいいのかなって。僕らはこれまでの15年間いろんな遠回りをしてきたけど、それが僕らの地肉や財産になっているので、タイムパフォーマンスばかりを求めるのはちょっとだけ本質からずれているのかなと思います。僕らが15年続けてこれたのは紛れもなくみなさんのおかげなので、僕らの財産はみなさんです」とGENが語っていた。そして披露されたのは「midnight cruising」。彼らが2014年からずっと大切に歌ってきた曲だ。筆者もずっと聴いている大好きな曲だが、今もこうしてライブ会場で聴けるのはフォーリミが15年間音を鳴らすことを辞めず、バンドを続けるという選択をしてきたからということを改めて実感し、胸が熱くなった。最後は「monolith」「Give me」を続けてプレイし、最上級のボルテージのままライブは大団円を迎えた。
前作アルバム『SOIL』(土壌)、シングル「SEED」(種)のリリースを経て完成した本作『Harvest』(大収穫)。こう見ると3作品だけが繋がっているように聞こえるが、良い収穫はいい土壌があってこそ。『Harvest』は、フォーリミが15年間ライブバンドとして常にアップグレードを重ねてきたからこそ、完成した賜物であることを実感したライブだった。さらに言えば、『Harvest』のリリース直後にフォーリミが出演したイベントで彼らのライブを観ていたのだが、本ツアーを経てさらに楽曲がパワーアップしていた。例えるならば、採れたての新鮮なフルーツがしっかり熟したというところだろうか。
春には主催フェス『YON FES 2023』の開催も控えている彼ら。これからも走り続け、進化していくフォーリミを一瞬たりとも見逃せない。