GLAY JIRO、高まり続ける音楽への情熱 挑戦を一緒に楽しめるメンバーとの制作やツアーに向けた思いを語る

スタジオレコーディングだからこそ感じられるGLAYならではのスタイル

――カップリングには、TAKUROさん作曲の「海峡の街にて」と、インディーズ時代の楽曲「GONE WITH THE WIND」が収録されます。「海峡の街にて」は過去に一度だけライブで披露された曲だそうですが、もしかして原曲は、2018年に『GLAY MOBILE Presents 10th Anniv. Tour 平成最後のGLAYとChrismas 2018 〜SURVIVAL〜』(ファンクラブ限定ライブ)で披露されていた「The light of my life」ですか?

JIRO:そう、その曲です。

――4年前の曲をなぜ今、収録することに?

JIRO:なんでだろうね? もともとは、アルバム『NO DEMOCRACY』(2019年リリース)に入れるつもりでセッションしてて。その時の音源が今回収録されるんだけど、僕はそれすらも忘れてたからなぁ……(笑)。でも、「The light of my life」がめちゃくちゃいい曲だったのはすごく覚えてたから、いつか出すんだろうなとは思ってましたね。

――リアレンジしようとは思わなかったんですか?

JIRO:個人的には、曲を聴き直した時にも「このフレーズはこう変えたいな」って思う部分があったし、今弾いてても「そういくんだ?」って思ったりするけど、TAKUROが「当時のテイクもすごくいいから、このままいかない?」って言うから、リーダーの意向を尊重して、当時の音源を収録することにしました。といっても、ほとんどの人はこの曲を初めて聴くことになると思うから、新鮮な気持ちで聴いてもらえるんじゃないかな。

――TAKUROさんらしい歌心のある楽曲なので、初見の方も一気に心を掴まれるでしょうね。

JIRO:その分、プレイヤー側としてはなかなか大変ですよ(笑)。ベースがすごく繊細だし、こういう曲はベースがしっかりボーカルを支えないといけないから。この曲を披露する時は、いい緊張感の中、ステージに立つことになるんじゃないかなって思います。

――逆に「GONE WITH THE WIND(Gen 3)」は、三度目のレコーディングだそうで。どういう経緯で今の形に行き着いたんですか?

JIRO:まず一度目は、インディーズ時代。本当に環境の悪い中でのレコーディングだったので、音もよくなかったんですよね。しかも、『灰とダイヤモンド』(1994年リリースのアルバム)以前のオムニバスに収録した音源だったから、そこはあまりカウントしてなくて。デビューしてからは、TAKUROがこの楽曲を佐久間(正英)さんに委ねて「メジャーっぽいアレンジにしてくれませんか?」ってお願いしたんですけど、アレンジが大人っぽすぎて、俺達の食い付きが悪かったっていうエピソードがあります(笑)。この曲はHISASHIが大好きで、酒を飲むたびに言うんですよ。「ライブでやりたい!」って(笑)。

――昨年も『GLAY LIVE TOUR 2022 ~We♡Happy Swing~ Vol.3 Presented by HAPPY SWING 25th Anniv.』の幕張公演で披露していましたよね。

JIRO:それもそうなんだけど、それよりもずっと前に、「インディーズ時代のアレンジでやりたい!」って言い出したことがあって。「じゃあ、3日後にやるか」ってゲリラ的にやったことがあったんです。で、前回のファンクラブライブの時も、HISASHIがリクエスト曲として持ってきて。その流れで、去年の12月に「改めて『GONE WITH THE WIND』をレコーディングしようか」っていう話になりました。今回はHISASHIの希望で、インディーズ時代のアレンジのままで演奏することになったので、綺麗に録ることより勢いのあるテイクを残すことが大事だなと思って。それだけを意識して弾きました。リズム隊のレコーディングは一発録りでしたね。

――少し前までライブで弾いていた曲ですし、自然と指が動く感じですか?

JIRO:そうですね。実は僕、このレコーディングをやる時期に、新曲の課題曲ばっかり練習してて、この曲を録ることをすっかり忘れてたんですよ。前日にマネージャーから「明日の曲は『GONE WITH THE WIND』です」って連絡がきて、慌てて準備したんです(笑)。でも、いざ弾いてみたら、まだまだ身体に馴染んでて。そのままの勢いで、いいテイクが録れました。

――ちなみに、コロナ禍でも十分な環境で宅録ができるようにと、設備を整えられたJIROさんですが、宅録とスタジオレコーディングでは、どんな違いを感じていますか?

JIRO:最近は宅録する機会も随分増えたし、宅録ならではのメリットもあるけど、やっぱり、スタジオのほうがいいなって思いますね。亀田さんがいて、エンジニアの工藤(雅史)さんがいて、メンバーがいて。最初の30分はみんなでくだらない話をして、爆笑してっていうところから始まるのが、GLAYのスタイルなので。

――新年早々、YouTubeに公開された『カタカナ禁止飲み』を観ていただければわかるように、コミュニケーションこそが、GLAYの軸にあるものですもんね。

JIRO:そうそう(笑)。それに自宅スタジオだと、ずっと1人で弾いてるから、何が正解かわからなくなっちゃうんですよ。

【第二回】HISASHI TV THE LIVE 特別編 新春初笑い「カタカナ禁止飲み」

――自宅だと、演奏が守りに入りそうなイメージがあります。

JIRO:うん、勢いにも差が出ると思う。録ってみたものの、翌日聴き直してみたら「このテイクは律儀すぎるな」って思ったりして、レコーディングが一向に終わらない。その点、スタジオだったら亀田さんにすぐに相談できるし、ゴールが見えやすいなって思います。

――亀田さんとの制作といえば、亀ダンス(いいセッションが生まれると亀田さんが踊り始めるというダンス)が出たかどうかが、気になってしまうのですが。今回のレコーディングはどうでしたか?

JIRO:どうだったかな? 「限界突破」は亀田さんいないし。「海峡の街にて」はミディアムテンポだから、メロウな亀ダンス、出てたかなぁ……?(笑)。あっ、「THE GHOST」のミックス作業の時は亀ダンスやってた! それくらいいい曲に仕上がったと思うと、嬉しいですね。

――そして、ニューシングルを引っ提げ、3月2日から『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2023 -The Ghost of GLAY-』が始まります。意気込みはいかがですか?

JIRO:コロナ禍になってから、僕らは大都市でしかライブをやってこなかったから、職業柄とか、いろんな家庭事情を抱えて地元を出られなかった人たちは、なかなかライブに来られなかったと思うんですよね。でも今回は、わりと細かく回るツアーになるので。僕らのほうからちょっとでも近くに行けることが楽しみだし、やっとこの時が来たな! という感じがしています。

――普段はJIROさんがセットリストを考えることが多いですが、今回はどのように選曲したんですか?

JIRO:今回は絶対やらなきゃいけない曲が新曲くらいしかないから、各自がやりたい曲を4曲ずつ出し合ったんですよ。それを僕がまとめたので、すごくバラエティに富んだセットリストになりましたね。なおかつ、前回の『GLAY Anthology presents UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY 2022』ではストリングスやコーラス隊を入れて、僕らの中でも格式高いライブをやったんですけど。コール&レスポンスで盛り上がろうぜ! っていうライブじゃない、演奏やパフォーマンスで圧倒するライブができたと思っていて、僕らとしてもすごくやり甲斐があったんです。それを受けて今回も、「そういうライブを継続してやりたいよね」という前提でセットリストを組みましたね。ツアーの後半戦が始まる5月あたりになれば、声出しが解禁になってるんじゃないかな? っていう期待もあるし、前半と後半では違った光景が見えるんじゃないかなと思います。

――声出しがNGになった当初、「キャーキャー言われるためにバンドをやってるのに!」と嘆いていたTAKUROさんに、そろそろファンのみなさんの熱い歓声が届くことを祈っています。

JIRO:声出し解禁がどうなるかは、まだわからないですけど。キャーキャーどころか、聴く人が聴けばギャーギャー言いたくなる選曲になってるとは思うので(笑)、楽しみにしていてください。

『HC 2023 episode 1 -THE GHOST/限界突破-』ジャケット

■リリース情報
61st Single『HC 2023 episode 1 -THE GHOST/限界突破-』
発売日:2023年2月15日(水)
購入:https://GLAY.lnk.to/HC2023
特設サイト:https://www.glay.co.jp/feature/2023SG

形態/品番/価格:
CD+BD:2,310円(税込) / PCCN.00054
CD+DVD:2,310円(税込) / PCCN. 00055
CD Only:1,650円(税込) / PCCN. 00056

<CD収録内容>
1 限界突破
2 THE GHOST
3 海峡の街にて
4 GONE WITH THE WIND (Gen 3)

<Blu-ray収録内容>※DVD同一内容
・限界突破 Music Video
・限界突破 Studio Session
・episode of HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2003-2023

<初回封入特典>全品番共通
Invitation of 「The Ghost of GLAY」

『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2023 -The Ghost of GLAY-』特設サイト
https://www.glay.co.jp/feature/HC2023

MV全曲フル公開 再生リスト
https://www.youtube.com/playlist?list=PLwP9mXAxJjU3GA41OvQMVshWrzE4O8sZd

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