三代目 J SOUL BROTHERS、再集結した7人が開く“第二章の扉” 今こそ届けたい「R.Y.U.S.E.I.」の先にあるメッセージ
2022年11月10日、デビュー12周年を迎えた三代目 J SOUL BROTHERSが、約1年4カ月の沈黙を破りカムバックを果たした。その幕開けを告げたのが、今年2月1日リリースの最新シングル『STARS』。さらに2月18日からは、9年ぶりとなるアリーナツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2023 “STARS” ~Land of Promise~』もスタートする。かつて、7つの流星となって各自の人生を切り拓いた7人は、再び集結した今、どのような想いを抱えて三代目JSBと向き合っているのか。メンバーを代表して、NAOTO、ØMI、岩田剛典の3人に話を聞いた。(斉藤碧)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】
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「みなさんと一生を添い遂げますという決意」(NAOTO)
ーー活動再開を発表するにあたり、リーダーであるNAOTOさんの中にあった想いを聞かせてください。
NAOTO:2021年はデビュー10周年のメモリアルイヤーとして、ドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2021 “THIS IS JSB”』を開催したり、ベストアルバム&オリジナルアルバム『BEST BROTHERS/THIS IS JSB』をリリースしたり、ファンのみんなと密にコミュニケーションを取りながら過ごした1年だったんですけど、そこで1つやり切った感覚があって。2022年は、各々が違う場所で自分を見つめ直しながら、この先のグループとしての動きをじっくり考える期間になったんですね。そして、その中でいろいろと模索した結果、まずはこれまでの10年に寄り添ってくれたMATE(ファン)のみなさんに対して、“三代目JSBはみなさんと一生を添い遂げます”という決意をお伝えしたいなと。9年ぶりのアリーナツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2023 “STARS” ~Land of Promise~』を開催して、僕らがみなさんの元に会いに行くことこそが、今、三代目JSBとしてやるべきことだと思いました。しっかりと時間をかけて準備をして、ファンクラブを立ち上げたり、アリーナツアーと同時に『MEET&GREET TOUR』を開催するのも、そういう想いからです。もちろん、新たに僕らを知ってくださった方々との出会いの場にもなるとは思いますけどね。直接顔を見て「これからもよろしくお願いします」とお伝えする場であり、「これが三代目JSBのエンタテインメントだ!」というステージをお見せする場でもあるので、僕らの気持ち的には原点回帰というか。仰々しく言えば、“三代目JSB第二章”の幕開けだなと思っています。
ーーそんな幕開けを告げるツアーのタイトルに、“Land of Promise”という副題をつけたのはなぜですか。この言葉は、最新シングル『STARS』収録の「この宇宙の片隅で」(作詞:ØMI、UTA、SUNNY BOY/作曲:UTA/プロデュース:UTA、ØMI)の歌詞にも綴られていますよね。
ØMI:そうですね。〈Land of Promise〉はもともと、聖書に出てくる言葉なんですよ。「この宇宙の片隅で」の歌詞を書いている時に、キーワードとなる表現を考えていて見つけたんですけど、直訳すれば“約束の地”、聖書の中では“幸福の場所”という意味合いで使われていて、まさにファンのみなさんと久々に再会する僕らにピッタリの素敵な言葉だなと思ったんです。それで、そのまま歌詞に使わせていただいて。一つひとつの公演が“幸福の場所”になればいいなという願いを込めて、ツアータイトルにも副題としてつけさせてもらいました。
ーーそんな「この宇宙の片隅で」のお話から。ØMIさん、どのような手順で作っていったのかを教えてください。
ØMI:この曲は、雰囲気や曲調よりも先に「この宇宙の片隅で」というワードが先に浮かんで、このタイトルで曲を作りたいと思ったんですよね。で、まずはNAOTOさんにイメージを投げて。年齢も大人になり、グループとしても成熟している自分たちが戻ってくるなら、メッセージ性の強いバラードがいいなと。表題曲の「STARS」に対して、「この宇宙の片隅で」はエピソード0のような曲にしたいと伝えました。2022年の活動を振り返ると、仕事でもプライベートでも、7人全員が揃うことってほとんどなかったんですよ。みんながそれぞれの世界で戦っているというか、それぞれで生きていた1年だったなって思うんです。だから、そんな7人が宇宙の片隅で、MATEのみなさんと共に集まる日を願っている、という曲にしたくて。それに合わせてボーカルも、歌うというよりは、自然としゃべっているようなイメージでレコーディングしました。
ーー歌い出しの穏やかな雰囲気や、〈雨が止んだらまた歩こう〉という晴れやかな歌詞が、ØMIさんが昨年リリースしたソロ曲「After the rain」の世界観とリンクしているように感じました。
ØMI:同じクルーで制作していますし、大きなテーマのもと、小さな自分自身のことを描いているという点も同じなので、自然と表現の方法が近くなったのかもしれませんね。「この宇宙の片隅で」も“宇宙”という言葉はスケールが大きいけれど、実際に描いているのは、その片隅にいる個人の世界だし。ソロ曲も“空”というテーマは壮大だけど、自分1人が見ている空は狭い世界だったりするので。とはいえ、自分のソロ曲と紐づけて作ったわけではなくて、どちらかというと2018年にELLYと作った「RAINBOW」との繋がりや、三代目JSBとしての時間経過を表現したいと思っていました。
ーー「RAINBOW」ではELLYさんがラップを担当していますけど、「この宇宙の片隅で」はØMIさんがラップをしていますよね。そこにはどんな意図がありますか。それこそ、HONESTBOYZ®として活動するNAOTOさんや、ソロアーティストとして本格始動した岩田さんもいる今の三代目JSBなら、誰がラップパートを担ってもおかしくないと思うのですが……今回は力を抑えた?
一同:あはははは!
岩田剛典(以下、岩田):そう、あえて抑えてます(キメ顔)。
NAOTO:やろうと思えばできるけど、あえて今回はやめておこう、ってね(笑)。ただ、次回は違うかもしれない。
ØMI:三代目JSBだったら、可能性は大いにありますよね(笑)。でも、いろいろなトライをしていく前に、まずは本来の三代目JSBはどういうグループだったかな? っていうところを表現したくて。シングル『STARS』の楽曲に関しては、ボーカル2人だけで仕上げることにしました。
ーーMVの見どころも教えてください(取材はMV公開前)。
NAOTO:「この宇宙の片隅で」のMVは、ファンタジックさもありながら、メンバー一人ひとりが自分の活動に力を入れていた2022年のように、ソロカットを繋いで構成されているのが特徴ですね。
ØMI:ソロカットには、メンバーそれぞれに縁のあるアイテムが散りばめられているので、そこにもぜひ注目してほしいです。例えば僕のシーンだったら、ソロのMVやライブに登場するアルテミス像が時間が経って朽ち果てている様子を映していて。ELLYのシーンにも、ELLYのソロのMVに出てくる自分の銅像が出てくるんですが、それも同様に朽ち果てていて、離れていても同じように時間が進んでいることを表していますし。(今市)隆二の場合はソロで使用しているピアノが登場して、隆二が立っている崖の向こうにソロプロジェクトの“CHAOS CITY”が見えていたり、(山下)健二郎くんは朝の情報番組をやってるから、ニュースペーパーが出てきたりとか。
ーーあ、DIYで家を作るシーンではないんですね。
NAOTO:DIYではないです!(笑)
ØMI:釣りをするシーンでもないですね(笑)。(小林)直己さんはギターを弾けるから、ギターでこの曲を奏でながら、次の場所に行くための電車を待っていて。NAOTOさんは『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2021 “THIS IS JSB”』に車で登場した時、運転をしていたのがNAOTOさんだったので、その延長で車に乗って旅をしている。岩ちゃんは普段から絵を描いているので、白いバラの絵を描くシーンを撮影して、みんながやってきたことが三代目JSBでクロスオーバーする映像になっています。
NAOTO:岩ちゃんの撮影、かなり時間がかかったんでしょ?
岩田:いや~もう、大変でしたよ。足掛け半年くらいかけて、絵を描いたんで……というのは冗談で、あれはスタッフさんが用意してくださった絵ですね。
一同:(笑)。
岩田:みんなはロケが多かったので、天候に左右されたり、移動が多くて大変そうでしたけど、僕は室内でぬくぬくと撮影してスムーズに撮り終えました(笑)。ただ、僕がMVで描いている白いバラは、ファンのみなさんのことを意味するアイテムなので、そんな重要なシーンを担当できて光栄だなって思いますね。「この宇宙の片隅で」のコンセプトフォトでは、僕らもそれぞれメンバーカラーのバラを持っていますし、バラが繋ぐストーリーを読み解きながら、MVを楽しんでもらえたらと思います。