NGT48、2023年最初のシングルチャートで首位獲得 波乱万丈なストーリーを力強く歌い語る、夢見る人への応援歌
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2023-01-09/
1月9日付のオリコン週間シングルランキングによると、NGT48の『渡り鳥たちに空は見えない』が売上枚数43,826枚で1位を獲得した。そしてボイメンエリア研究生の『Sleeping Beauty』が39,728枚で2位、≠MEの『はにかみショート』が12,072枚で3位と続き、NGT48が接戦を制した週となった。
『渡り鳥たちに空は見えない』はNGT48の通算8枚目のシングル。前作『ポンコツな君が好きだ』より約1年ぶりとなるリリースで、Type-A/Type-B/劇場盤合わせて全4曲分が収録された。
表題曲は渡り鳥をモチーフに、夢を見続けている人たちに寄り添った前向きな応援ソング。地図を持たずとも本能のままに飛んで目的にたどり着ける渡り鳥のように、夢を追いかける人たちの強い思いを丁寧な日本語詞で歌っている。サウンド面においては、ピアノやアコースティックギターを主軸とした繊細で爽やかな音作りによって、青春感あふれる瑞々しい情景に仕上げている。特にイントロの悲しげなギターの演奏から、夢を追う主人公の意志の強さを感じさせる力強いダンスビートが加わることで、疾走感のあるサウンドへと変化する序盤の流れは、物語の幕開けを予感させる秀逸なアレンジだ。哀愁漂う悲痛なムードを出発地点として、痛みを力に変えてがむしゃらに駆け出していく姿がイメージできる。
また、この曲の大きな特徴の一つと言えるのが、ポエトリーリーディングともラップとも異なる、リズムに合わせた詩の朗読のようなパートである。2サビ後に高らかに飛翔するギターソロに対して、途中から合流するようにしてメンバーたちが一人ずつ、あるいは二人ずつマイクを持ってバトンタッチしていくこの朗読劇にも似たパートは、彼女たちの生き生きとしたフレッシュなエネルギーが感じられる重要な箇所だと言える。この歌の主人公と同じくアイドル活動に夢を見ている彼女たちの若さや明るさ、純粋さ、そしてそこから副次的に感じ取れる希望や儚さのようなものが、畳み掛ける言葉の端々から伝わってくるようだ。NGT48が歩んできた波乱万丈なストーリーと、そんな中でも真っ直ぐに活動してきたメンバーたちの前向きな姿勢が、美しく楽曲に昇華されていると感じる。