UVERworld、『TAKUYA∞生誕祭』で示した“歩みを止めない覚悟” 完全体となった6人が生み出す怒涛の熱狂
12月21日、UVERworldの全国ツアー『THE LIVE』横浜アリーナ公演の2日目が開催された。この日の公演は、「TAKUYA∞生誕祭」として位置づけられており、ライブ当日に誕生日を迎えたTAKUYA∞(Vo)が編み上げた特別なセットリストが展開された。また、予めこの日のライブの最後に重大発表があることが明かされており、当日の昼には本公演が来年3月に映像作品化されることもアナウンスされた。この日、間違いなく何かが起こる。そして、UVERworldの6人と私たちリスナーにとって、この夜はきっと特別な一夜になる。ライブが始まる前から、そうした予感を胸に抱いていた観客は多かったはずで、その予感は的中することになる。
この日のライブは、彰(Gt)の鮮烈なギターソロから幕を開けた。前日20日の公演では、本番開始直前で体調不良により出演を辞退した彰だが、一夜明けて無事にステージへの復帰を果たした。前日は彰を除く5人体制というイレギュラーな形でライブを行ったが、この日はいつも通り6人の“完全体”のUVERworldが復活した形となった。彰の、そしてUVERworldの完全復活を告げるライブ幕開けの粋な計らいに、さっそく胸が高まる。
そして、「のっけから、クライマックスのように、がっつりいこうぜ!」というTAKUYA∞の号令を受けて、オープニングナンバー「7th Trigger」へ。特効の炎によって熱く彩られたステージ上から放たれる6人の音と言葉には、ライブ冒頭とは思えないほどの熱が漲っていて、さらに楽曲の後半では観客の手拍子も重なり、TAKUYA∞の言葉通りまるでクライマックスのような一体感が会場を満たしていく。続けて、「じゃあいこうか、完全体の俺たちのプライド、SIX PRIDE」というTAKUYA∞の言葉を合図に、仲間たちとの絆を讃えるロックアンセム「CORE PRIDE」が披露される。間奏では、「俺たちのギターヒーロー、彰!」というTAKUYA∞からの熱いパスを受けて、彰は渾身のギターソロを鮮やかに奏でてみせた。曲中には、TAKUYA∞が彰の肩に手をかける一幕もあり、改めてメンバー同士の熱い絆が伝わってくるような名演だった。
当日は“25%ルール(フルキャパシティでも、通常の会話の音量を上回らず、1曲あたりの声出しする時間が25%程度に抑えられていれば声出しOKというルール)”が適用されていて、その制約の下ではあるが、観客はマスクの下から声を出すことが許されていた。続けて披露された「ナノ・セカンド」「IMPACT」では、コロナ禍で長く封じられていたフロアからの歓声やコール&レスポンスが、ステージ上から届けられる6人の音と言葉に重なっていき、会場全体の一体感がますます高まっていく。これこそ、ライブの場だからこそ体感できる熾烈なコミュニケーションであり、完全にコロナとの闘いが終わったわけではないが、確実に状況は前進していることを会場の震えるような熱気を通じて感じることができた。今はまだ100%の歓声で応えることはできないけれど、3年前までのライブの熱狂を思い出して思わず胸が熱くなった人は、きっと少なくなかったと思う。
人生の幸福は、収入とは比例しない。幸せかどうかは、誰と過ごして、その人に何を与えられるかで決まる。TAKUYA∞は自らの幸福論を語った後、「今日は、あなたと過ごして、全てを与える。この夜は幸せになれそうだね」と告げた。そして、その言葉に続いて「AFTER LIFE」が披露される。TAKUYA∞の言葉に応えるようにして、一人ひとりの観客がスマホのライトを点け、フロア一面が白く照らし出されていく。その言葉を失うほどに美しい景色を観たTAKUYA∞は「最高だね、そこに君がいるってことをはっきりと感じられる」と、ライブの場だからこそ得られる温かな実感を語った。続く「在るべき形」では、フロアに向けて金&銀テープが放たれる演出もあり、まだまだライブ前半だというのにまるで冒頭6曲全てがハイライトのような怒涛の展開に圧倒されてしまった。
この日初めてのMCパートで真太郎(Dr)は、前日に5人でステージに立ったことを振り返りながら「6人、ものすごい安心感があるね」「改めて、6人揃ってのUVERworldだなと感じております」と語った。その言葉に、フロアから大きな拍手が巻き起こる。その後も6人は、“完全体”に戻ることができた歓びを謳歌するかのように、キャリアを代表するロックアンセムを次々と惜しみなく連打していく。剥き出しのバンドサウンドと洗練されたエレクトロサウンドが緻密に、そして大胆に折り重なった新たな代表曲「AVALANCHE」と「Making it Drive」は、いつだってその時々の最新型のUVERworldこそが一番クールであることを高らかに証明していた。また、コロナ禍で長い間封印されていた「WE ARE GO」は、彼らが生粋のライブバンドであることを何よりも熱く物語っていた。25%ルールという制約はあるものの、ステージとフロアのコール&レスポンスの応酬は熾烈を極めていて、メンバー6人の充実感に満ちた表情からは、歓声を聞ける時が来るのを待ち望んでいたことがひしひしと伝わってきた。