久保史緒里、NHK大河ドラマ『どうする家康』レギュラー出演の快挙 “乃木坂46”の看板抜きで認められる演技力

 2021年から2022年にかけてのこの2年間、久保は乃木坂46の枠を飛び出し一人の俳優として躍進を遂げてきた。彼女にとって大きなターニングポイントとなった昨年6月上演の舞台『夜は短し歩けよ乙女』でのヒロイン・黒髪の乙女役を筆頭に、今年9月の主演舞台『桜文』では花魁という挑戦的な役を、11月公開の初主演映画『左様なら今晩は』では生きている間に恋愛を経験しなかったウブでピュアな幽霊・愛助を通じて、揺れ動く心の機微を見事に演じ切っていた。2023年は大河のほかにも映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』への出演も発表されている。

 久保にとっては大河と同様にどの役柄も挑戦の連続だったことは間違いないが、自身の芝居を信じ、諦めることなく、勇気ある一歩を確実に踏み出して行った先にあった大河出演という新たなスタート地点。公式サイトの紹介に「乃木坂46」という肩書きがないことが、アイドルというフィルターを取っ払い、一人の役者として評価されての起用だということを伝えている。

 今回の大河出演発表に伴い、乃木坂46としてではなく、久保史緒里としての宣材写真が初公開となった。これは山下美月の朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)出演発表があった際と同様。それほどまでの大役として事務所側も受け取っているということが見て取れる。齋藤飛鳥の卒業によって、いよいよ3期生以降のメンバ一が本格的に先頭を走っていくことになる乃木坂46。局地的なファン人気ではなく、幅広い世代に支持されてこそ国民的グループと言えるはずだ。「一人でも知っている、見たことがある人がいる」ということは、グループに対しての認知や関心へと確実に繋がっていく。そのきっかけを作っていくのが山下、そして久保という“くぼした”コンビになるというのは、古くからのファンにとっては感慨深いことだろう。

 大河の大きな特徴は、その人物の人生や生涯が濃密に描かれることだ。例えば、『青天を衝け』(NHK総合/2021年)に家茂(磯村勇斗)の正室・和宮役として出演した乃木坂46卒業生の深川麻衣がそうであったように。『どうする家康』において、信長から密命を受ける五徳、そして演じる久保が視聴者に鮮烈な印象を与えることを期待している。

※1 https://www.nhk.or.jp/ieyasu/cast/gotoku.html

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