Lead、久々の冬ライブ『Snow Magic』で2022年を締めくくる ダンスコーナーやソロ曲織り交ぜレアセトリ披露
12月3日、Leadの冬ライブ『Lead Winter Live 2022~Snow Magic~』がEX THEATER ROPPONGIで開催された。彼らが年末に有観客ライブを行うのは、ストリングスカルテットとのコラボなどで魅せた2015年の『Lead LIVE SHOUT』以来、実に7年ぶり。「何年ぶりかな? あの曲を披露しようかと思ってます」という鍵本輝のライブ前のツイートなどから、夏のライブではお目見えする機会がなかった秋冬シーズンを描いた楽曲やレア曲なども聴けるのではと期待が膨らんだ。
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冒頭に3人のアカペラをあしらったスペシャルバージョンの「H I D E and S E E K」で幕を開けた同ライブ。同曲は比較的ライブでおなじみのシングル表題曲のため、「次はどう来るのか?」と思っていたところ、古屋敬多を中心に艶っぽく聴かせるスムースなソウルナンバー「ムーンライトシャワー」、ファンキーな「Let's Get On It」~「Funk This Time!」のメドレーという、シングルやアルバム収録曲で畳みかけてきた。DA PUMPのYORIが振付を担当した「Let's Get On It」は、アルバム『THE SHOWCASE』リリース時のツアーでお披露目されて以降はなかなか観る機会がなく、“THEポッピン”的な振りも改めて新鮮に感じた。続く「Love or Love?」はアッパーなファンクナンバーで、谷内伸也の漂わせるワイルド感やアクション大きめの鍵本の振りもハマっており、会場の熱気がぐっと高まった。
「Leadがギロッポンに来たぜ~!」の第一声から始まったMCでは、「たくさんの冬の曲でみなさんを魔法にかけたいと思います」(鍵本)と、この日のコンセプトを説明。そこから、“クリスマスといえば……”なマライア・キャリーの名曲「All I Want For Christmas Is You」を伸びやかなアカペラでカバー。続くポップなLeadのクリスマスナンバー「Ding Dong」(2006年に配信リリース)では、古屋が歌詞に合わせ“Happiness”のポーズを繰り出してファンを楽しませた。ここから、クリスマスらしいダンスコーナーがスタート。古屋と鍵本がクリスマスを楽しんでいるところへ、煙突から落ちてきた谷内サンタが登場。袋からプレゼントのサインボールを取り出しては客席へと投げていく。暗転したステージで両手にライトを持って披露したパフォーマンスも、おごそかな雰囲気があった。そしてアカペラで「Last Christmas」(Wham!)をカバーし、切なく聴かせる。ムーディーなこのブロックの締めくくりとなった「My One」では、幕を使った白いツリーをバックに、クラシックの楽曲をサンプリングした流麗なサウンドと、曲調に反して細かく音をとるような手話的なダンスで魅せていった。
次の曲では、イントロの早い段階で歓声が上がった。ライブではかなり久しぶりとなる「Field of Soul」(2003年)だ。〈君の“特別”になりたい 風を受けてキラメク雪〉など、10代のころの彼らのイメージが蘇るような佳曲で、谷内が歌い上げる落ちサビで緑、青、黄と3人のメンバーカラーに彩られたツリーが出現するなど、美しい演出も目を引いた。
同ライブにはメンバーそれぞれのソロ曲が盛り込まれていたのも印象的だ。皮切りとなった鍵本の「Stay with me」は、2009年のリリース当時にはやや背伸び感もあったこの曲を、時々しゃがんで観客と目線を合わせ、語りかけるように聴かせた。スケール感のあるバラード「Amazing」を挟んで、温かみのあるミディアムナンバー「君と歩く未来」を、谷内がソロでパフォーマンス。同ライブのステージを支えていたのがSKY-HIなどのバックも務める人気DJのHIRORONで、トラップ風にアレンジされたこの曲でもスクラッチを炸裂させていた。続くスムルースのカバー「冬色ガール」はファン人気が特に高い楽曲の一つである。……と、ここでステージにスモークが立ち込め、ミラーボールが回転! ソロコーナーのラストをド派手に飾った古屋は、彼の出演作品の一つでもあるミュージカル『プリシラ』中のナンバー「Hot Stuff」をチョイス。古屋が演じた若く小生意気なアダムの歌と振りを、ストリート系の動きを取り入れた古屋バージョンにアレンジしてLeaders(Leadファンの愛称)を沸かせた。
「(ソロで)全部かっさらってくの、やめてくれません?」(鍵本)、「ハイヒールが見えたね~」(谷内)などと、MCでは「Hot Stuff」の話題をメインに、三者三様のソロ曲についての話で盛り上がった3人。「ここまで踊らないライブは久しぶり」(谷内)、「歌って&踊っていないと不安だよね」(鍵本)、「なんせ踊りに自信があるもんで(笑)」(古屋)などと笑っていたが“今までにないLeadを見せたい”というテーマのもと、楽曲を選んだとのこと。ちなみに「Field of Soul」はデビュー当時に使っていた音源データが奇跡的に見つかったことも、久々の披露につながったという。
ライブ本編も終盤にさしかかったところで、アッパーなEDMナンバー「雫~Sizk~」へと突入。軽やかなステップを繰り出す躍動感あふれるパフォーマンスに、Leadersも全力のジャンプで応える。そしてこの日一番のフロアの揺れを感じたのが、一時はライブの定番曲だったダンサブルな「Cosmic Drive」だ。ロックダンスの動きがベースになっている同曲だが、楽曲終盤のユニゾンの振りのシンクロ感には20年選手の凄みが感じられた。
本編ラストの楽曲は「anytime」。4人体制だった第一章最後のシングル『Still』に収録されていた同曲は、聴きたいという声が非常に多かったものの、その後もライブでは一度も披露されることのなかった“幻の名曲”だ。乾いたアコギの音色をバックに都会の冬を描きつつも、“離れた人との強い絆”を思わせるワードを散りばめたこの楽曲を、3人は笑顔で歌い終えた。