コブクロ、結成25周年へと向かう新たな旅路 2022年の最新形を提示した全国ツアー『GLORY DAYS』

 「すべてを失った後に出てくる言葉は優しいもの、温かいものであったらいいなと思っています」(小渕)というMCと荘厳なストリングスに導かれた「時の足音」、〈生きる事の意味を問うより 今をただ 生きる事〉の大切さを描いた「Days」を歌い上げた後は、ファンとの記念撮影(各会場で選ばれた1名のみ、ステージに上がってコブクロと撮影できる企画)、会場全体の撮影などホッコリしたコーナーへ。この“距離の近さ”もコブクロのライブの魅力だ。

 ここで小渕が、2023年2月16日に大阪城ホールで行われるflumpoolのライブに“対バン相手”としてコブクロが出演することを発表。flumpoolのメンバーがステージに登場し、黒田、小渕に花束を手渡した。flumpoolの原点はコブクロに憧れ、大阪天王寺駅で路上ライブを行ったこと。“大阪出身”“路上ライブ出身”という共通点を持つ2組の対バンは、両者にとっても大きなイベントになりそうだ。

 オレンジ色のLEDが輝く中で披露されたアッパーチューン「雨粒と花火」(新曲)からライブは後半へ。声ではなく、手拍子のコール&レスポンスが行われた「ストリートのテーマ」、インディーズ時代からのライブの定番曲「神風」を連発し、心地よい高揚感を生み出した。本編ラストは、大阪・関西万博オフィシャルテーマソング「この地球(ほし)の続きを」。未来への希望を乗せた歌が大らかに広がり、開放的な音楽空間へと導かれた。

 アンコールの最初の楽曲は、メジャーデビュー曲「YELL〜エール〜」(2001年)。若き日の二人が奏でた〈今 君は門出に立ってるんだ 遥かなる道をゆくんだ〉というフレーズが、20年以上の時を経て、大きなアリーナ会場で高らかに響き渡る。その光景はまさに、コブクロの軌跡そのものだった。(ドラムの渡嘉敷は「YELL〜エール〜」のレコーディングにも参加していたという)

 最後に披露されたのは、新曲「足跡」。小渕が飼っている犬が病気を患ったことをきっかけに作られたというこの曲は、ずっと一緒にはいられないとわかっているからこそ感じる愛しさ、切なさ、美しさを映し出すバラード。多くの観客はこの曲を初めて聴いたはずだが、そのメロディと言葉はまちがいなく、すべての人の心を捉えていた。

 新曲ではじまり、新曲で終わる構成のアリーナツアーをやり遂げたコブクロ。結成25周年を迎える2023年は彼らの新たな旅の始まりとなるだろう。

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