古屋敬多&新里宏太&丸山龍星&長田光平&酒寄楓太、ライジング座談会 音楽・ダンスと舞台が生み出す化学反応

音楽やダンスと舞台、それぞれに還元されること

――今日の座談会のテーマが、音楽やダンスと舞台の仕事の化学反応についてなんですが、音楽やダンスをやってきて俳優としての活動に役立っていると思うことや、逆に舞台で学んだことが音楽活動でプラスになっていると思うことはありますか?

新里:僕は舞台の仕事をさせてもらうようになってから、歌詞の解釈の仕方が変わったと思います。3分から5分程度の短さの曲でも、一つの台本として考えられるようになった。なので歌は歌うというよりも、伝えたい言葉を喋るというイメージに変わりました。どちらかといえば僕は歌から演技というより、演技から歌に還元できている感じですかね。

――古屋さんはLeadのみなさんで主演した作品に関してはライブとリンクする部分もあったかと思うんですが、外部の作品に出る機会が増えた今、これまでの経験が活きている実感はありますか?

古屋:うーん……歌もダンスもできるに越したことはない現場が多いですけど、作品や作風によってはダンスを一切封印しないといけなかったりして、自分はダンスが好きだし一番の武器だから、ここで発揮したいのに発揮できないもどかしさを感じることもあります。あと歌に関しても、結構ギャップは感じていますね。Leadで歌う曲とミュージカルの曲は、ものが違いますから。

――発声も違いますしね。

古屋:そうですね。違和感を抱えながらやってはいるんですけど、声を使い分けられるようになったら一番いいのかな。今はLeadの歌をもっと自然に歌えるように変えてみようとトライしています。作品数もそれなりに経験してきましたけど、よりお客さんに伝わるようにするためにはどうしたらいいかというのは悩みどころで、まだもがいてますね。

――事務所に入ってから歌やダンスの勉強をした丸山さんはいかがですか?

丸山:2.5次元舞台だとオーディションの段階から歌って踊る機会が多いので、ダンスはレッスンを受けていて良かったと思います。あとお芝居の面でもリズム感はすごく大事で、ダンスをやっている人はお芝居のリズムも掴むのが上手いといいますよね。自分自身ではあまり実感できてはないんですけど、こういう要素も上手くお芝居に繋げていけたらいいなとは思っています。

――酒寄さんは来年のテニミュが本格的な役者デビューになりますけど、オーディションで今までやってきたことが活きた実感はありますか?

酒寄:僕の場合はみなさんほどがっつりやってきたわけではなくて、“かじってる”レベルだと思うんですけど、オーディションの時にはやっぱりやっていて良かったなと思いました。あとテニミュだと原作のキャラクターがいるので、そのキャラクターの性格やその人らしい佇まいとか、そういったことについてよく考えるようになって。今は歌を歌うにしろ、演技にしろ、作品と向き合うときに前よりも深く考えるようになったとは思います。

――長田さんはショー的な要素も強い刀ミュ(ミュージカル『刀剣乱舞』)で役者デビューされたので、その辺りは人一倍思うことがあったんじゃないでしょうか?

長田:でも、さっき敬多さんが言ったように、プラチナボーイズで歌う歌謡ポップス的な曲とミュージカルで歌う曲って、やっぱり全然違うんですよ。そのギャップをどう埋めるか迷うことはありました。あと演出家の方に教えていただいたんですけど、普通に言って伝わる言葉と、あえて曲に乗せて伝えたほうが効果的な言葉というのがあるんですって。実際にそれをプラチナボーイズの歌に置き換えたときに、そこまで歌詞を深く考えられていなかったなっていう反省点もありましたね。

 僕らはグループでかなりダンスを練習した時期もあったので、体を使えるという意味ではやっていて良かったと思う部分もありました。僕は公演期間中に脚をケガしてしまったことがあったので、このお仕事と向き合う上でまずは自分の体をよく知ることが大事だなと今は思っています。

――プラチナボーイズでリリースイベントやライブをされてきて、ミュージカル『刀剣乱舞』真剣乱舞祭で幕張メッセとか代々木第一体育館みたいな大規模な会場に出て行ったときに、戸惑いはなかったですか?

丸山:記憶ある? 立ってる感覚なくなかった?

長田:記憶……あまりないですね(苦笑)。本当に、夢を見ているような感覚で。

古屋:僕らも『a-nation』で初めて代々木第一体育館のステージに立った時、浮いてるような感じしかしなかったもん。現実味がなさすぎて。

長田:シンプルに、ステージが一つの会場と、花道とか複数のステージがある大規模な会場は、音の聞こえ方も全然違うなっていう驚きはありました。

古屋:刀ミュといえば注目の作品で、これからどんどんそういう場数が増えていくんだろうね。普段の練習も大事だけど、やっぱり本番をやる中で一番成長できると思うんだよね。

長田:共演者の先輩方の背中を見ていて勉強になるところも、実際に自分が立ってみて勉強できたこともたしかにたくさんありました。

――丸山さんも今年は新テニミュに『ワールドトリガー the Stage』大規模侵攻編と、これまでよりスケールアップした舞台に連続で出演されていますね。

丸山:自分でもびっくりしていて、僕が立てるような場所ではないなとは思いつつ、すごくいい経験をさせてもらっていますね。新テニミュはテニミュとはちょっと違って、グランドミュージカルに出ているようなベテランの方も多く出演されているんですよ。そういう方たちと一緒に戦っていくために、今の自分に何が足りないのかが明確になった気がしていて、そういう意味でも出られて良かったなと思っています。

新里:龍ちゃんもイベントで幕張メッセとか、すごいよね。テニミュと刀剣といえば、若手俳優の登竜門みたいな作品ですもんね。

丸山:テニミュは今年20周年で歴史ある作品なんですよね。楓太くんが今度演じる日吉若もめちゃめちゃインパクトのある役だよね。

酒寄:僕で4代目になるそうです。僕、でっかいステージに立ったことがないので、どんな感覚か気になってるんですけど……どうですか?

丸山:いやいや! 言うて僕も出させてもらうの、今年からだから。スタッフさんも優しい方ばかりだし、稽古に一生懸命向き合えば大丈夫だと思うよ。

酒寄:みなさんそうだと思うんですけど、初めてのことに挑戦するのって、すごく勇気が要りますよね。

古屋:初めてで慣れない現場って、僕もめっちゃ苦労したけど、だからこそ楽しんでやってほしいなと思うよね。周りの人に恵まれることもあるし、もがけばもがくほど一皮も二皮も剥けていくと思うから。人による部分もあるだろうけど、僕は苦しんだほうが何事もいいと思ってる。本番が来たら応援してくれる人たちがいて、報われるものだからね。そこまでがむしゃらに、腐らず、食いついていくのが大事かなと思っています。

新里:舞台のお仕事をいただくようになって5~6年の僕が言うのもおこがましいですけど、役者ってある程度の技術や経験があれば、言い方は悪いですがこなせてしまう部分もあると思うんですよ。セリフや歌詞、2.5次元作品ならキャラクターの設定もあって、そのキャラクターのファンの方からすれば、解釈がそれほどズレていなければ一定のリスペクトを持ってみていただけるでしょうし。

 ただそういう縛りみたいなものがない役やシーンで、その人の役者としての力量が見えてくるものじゃないかと思うから。原作の映像があるものでも、僕は本番中は映像は見ずに漫画を読むとか、文字でキャラクターを読み解くようにしています。あと僕らはどうしても耳がいいから、アニメだと声優さんのニュアンスを完全に覚えちゃって、ものまねみたいになりかねないので。

 さっき敬多さんが言ったように、たとえば僕はハイトーンが得意ですけど、今回のミュージカルでは下のキーを歌わなきゃいけないとか縛りがあることも多いですよね。でも下のキーが出にくい僕が、下のキーを使いこなせるようになるなら歌の面でも勉強になる。毎回、関わった作品が終わるまであれができたんじゃないか、これもできたんじゃないかといろいろもがきながら、ずっと満足しない。そうやって稽古と本番の期間に向き合えたら、たぶん一つの作品が終わるたびに何かしら新しい武器を手に入れられると思うので。

俳優同士でも絆を深めていきたい

――最後にリリースやライブ、舞台など、目下力を入れている活動について教えてください。

酒寄:僕はさっきお話したテニミュももちろんですけど、12月14日にデビューシングル『Side To Side』をリリースします。これまでにYouTubeで発表してきた曲と違って、ダンサブルでテンポが速めなんです。“大人な僕を見せる”というのがコンセプトで、これまでの等身大な楽曲とは180度くらい世界観がガラッと変わった内容になっているので、これまでの僕を知ってくださっている方々にも新しい顔を見せられたらなと思います。

長田:僕は12月22日から始まる『クリスマス☆リーディングステージ「クリスマス・イブのおはなし」』にゲストとして出させていただきます。山寺宏一さんと新妻聖子さん主演のクリスマス朗読劇もドキドキなんですけど、もう一つ、来年2月に大阪の新歌舞伎座で坂本冬美さんの特別公演『華麗なるサギ師たち』に出演することになりました。お芝居と坂本冬美さんのオンステージの二部構成で、僕は一部のお芝居に出る予定なんですけど、初めての経験でドキドキを通り越して怖いんですよ。

丸山:僕は2月に中目黒キンケロ・シアターにて上演される舞台『Re:turn ~過去と未来~』に出演が決まっております。詳しくはHPでチェックしていただければと思います。

また今年『Ryu Say's Room』というファンクラブがスタートしました。あと、今は歌をもっと頑張りたいなと思って、ひたすらボイトレに通っていますね。

新里:僕は1月から『ザ・ビューティフル・ゲーム』というジャニーズWESTの小瀧望くん主演のミュージカルに出演します。何度も再演を重ねている歴史ある作品で、大きなテーマはサッカーなんですよ。なので稽古もサッカーのワークショップから始まっていて、僕自身も小さい頃からサッカーをやっていたので、楽しんで参加していますね。僕が演じるのはダニエルというヒッピーの役です。第一次世界大戦前の話なので、死との向き合い方だとかタイトルからは想像できないような重厚なテーマも含んでいます。でも、今のこのご時世的に核心を突いた作品になると思いますので、ぜひ会場に足を運んでいただけたら。

古屋:Leadはライブの予定があったりするのですが、僕個人としてはミュージカル『RENT』が決まりまして。

――『RENT』には以前から出たいとおっしゃっていましたよね?

古屋:はい。『プリシラ』でWキャストで出ていたユナク(SUPERNOVA)が、『プリシラ』の少し前に『RENT』に出ていたんですけど、そのユナクから「エンジェル役をやったら絶対似合うと思うよ」と言われたことがあったんです。僕らが演じた『プリシラ』のアダムとちょっと近しいニュアンスの役だったからだと思うんですけど。そこから興味が出てきて、『RENT』の映画を見たり、自分なりに作品について掘り下げて調べたりしていました。オーディションを受けて最終的にロジャー役に決まったんですけど、でも僕は本当に、この作品に参加できるということがすごく嬉しいです。錚錚たるメンツなので、決まった時には汗が止まらなくなりましたけど(笑)。

――2023年の舞台で、みなさんの進化した姿を見られるのを楽しみにしています。

古屋:いずれみんなで一緒にイベントができるといいよね。仕事以外の部分も大事にしたいから、そういった企画で俳優同士でも絆を深めていきたくて。それぞれ忙しいとは思うんですけど、機会を待つんじゃなく自分たちでいろいろ動いていけたらいいなと思っています。

――期待しております!

■公演情報
◆古屋敬多
ミュージカル『RENT』
公演日程:2023年3月8日(水)~4月13日(木)
【東京】日比谷シアタークリエ
【大阪】新歌舞伎座
【愛知】愛知県芸術劇場
https://www.tohostage.com/rent2023/index.html

◆新里宏太
ミュージカル
『ザ・ビューティフル・ゲーム』
東京公演:2023年1月7日(土)~26日(木) 日生劇場
大阪公演:2023年2月4日(土)~13日(月) 梅田芸術劇場 メインホール
https://www.tbg2023.com/

◆丸山龍星
舞台「Re:turn~過去と未来~」
公演日程:2023年2月8日(水)~12日(日)
会場:中目黒キンケロ・シアター

◆長田光平(プラチナボーイズ)
クリスマス☆リーディングステージ「クリスマス・イブのおはなし」
公演日程:2022年12月22日(木)
劇場:新国立劇場 小劇場
https://platinumboys.jp/news/20221222/

坂本冬美特別公演「華麗なるサギ師たち」
第一部:華麗なるサギ師たち
第二部:坂本冬美オンステージ
公演日程
2023年2月3日(金)~26日(日)
会場:大阪・新歌舞伎座

◆酒寄颯太
ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学vs氷帝

公演日程
・東京公演 2023年1月7日(土)〜1月15日(日)TACHIKAWA STAGE GARDEN
・大阪公演 2023年1月20日(金)〜1月29日(日)メルパルクホール大阪
・福岡公演 2023年2月3日(金)〜2月5日(日)キャナルシティ劇場
・岐阜公演 2023年2月17日(金)〜2月19日(日)土岐市文化プラザ サンホール
・東京凱旋公演 2023年2月25日(土)〜3月5日(日)TOKYO DOME CITY HALL
https://www.tennimu.com/4th_2023hyotei/

サイン入りチェキプレゼント

古屋敬多&新里宏太&丸山龍星&長田光平&酒寄楓太のサイン入りチェキをプレゼント。応募要項は以下の通り。

応募方法

リアルサウンド公式Twitterか公式Instagramをフォロー&本記事のツイート、または応募ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※チェキはランダムでの発送となります。指定はできません。
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<締切:12月29日(木)>

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