リュックと添い寝ごはん、ラブ&ピースの温もりに満ちた一夜 4人で新たなスタートを切る5周年ワンマンライブ

 リュックと添い寝ごはんが11月10日、東京キネマ倶楽部で結成5周年ワンマンライブ『home party』を開催した。10月には長年サポートメンバーを務めてきた ぬん(Gt)が正式メンバーとして加入、このライブの前日11月9日には新体制で初めてのアルバム『四季』をリリース。新たなスタートを切った彼らの節目を祝う一夜は、特別な仕掛けとバンドの成長をリラックスしたムードの中で鮮やかに表現する、すばらしいものになった。

 キネマ倶楽部の名物でもある階段を降りて登場したメンバー4人。先頭で飛び出してきたぬんの姿に、フロアから温かな拍手が送られる。そして最初に演奏されたのは彼らが高校時代に作り、時を経て昨年リリースされた「東京少女」だ。松本ユウ(Vo/Gt)はこのスペシャルな空間を噛み締めるように歌い、堂免英敬(Ba)も宮澤あかり(Dr)もいい笑顔を浮かべている。そしてぬんのギターソロ。気持ちよさそうにギターを弾くぬんを、メンバーも温かく見守っている。もともと仲のいいバンドだが、メンバー間の関係性が今、さらに良いものになっていることが、そんな光景からもうかがえる。

 そして2曲目は、こちらもリュックと添い寝ごはんの5年間の歴史を語る上で書かせない1曲、「青春日記」。前のめりなバンドサウンドが一瞬にしてステージ上の4人を10代のあの頃へとタイムスリップさせ、フロアでも熱い手拍子が巻き起こる。〈僕らの青春は/ここからだ〉ーー10代真っ只中にこのフレーズを書いた松本のセンスには改めて舌を巻くが、そのフレーズがあればこそ、この曲は成長を続ける中でも彼らにとってひとつの道標であり続けている。そこから軽やかなリズムが躍る「PLAY」、さらに「手と手」に繋げると、宮澤のドラムに合わせてオーディエンスの手拍子もさらに力強くなる。一気にギアを入れて加速していく楽曲だが、ここでもぬんのギタープレイが演奏に色を添えている。

 「ようこそ、リュックと添い寝ごはんです!」と、4曲披露し終えた松本が改めて挨拶。「自由に、気ままに、最後まで楽しんでいっちゃってください!」という言葉に続いて、4カウントから繰り出されたのは「くだらないまま」だ。現在に至る彼らの進化のはじまりになったともいえる曲で、優しいメロディと柔らかな音像がとても心地よく響いてくる。そして松本がハンドマイクを持って手拍子を求めながら、『四季』のオープニングトラックとなっている「everyday」へ。ソウルのフィーリングを感じさせるリズムとグルーヴ、そして友達とおしゃべりするような歌詞がとてもフレンドリーな1曲だ。ここで松本が再び階段を登っていく。そして奥にあるカーテンをめくると、そこから登場してきたのは「ウンチョコチョコチョコピー!」でお馴染みのお笑い芸人・GO!皆川だ。“GO(5)周年”ということで駆けつけてくれたらしい。「おめでとう!」と書かれたくす玉を割り、曲に合わせて「チョコチョコピー!」とダンスを披露するGO!皆川と松本。メンバーも演奏しながら、その様子を見て吹き出しそうになっている。「あー楽しい!」と松本も満足そうだ。

 GO!皆川の余韻もそこそこに「ホリデイ」、そして「わたし」とライブは続いていく。「すごいよ、感動しちまうよ!」と松本が言えば、宮澤も「(お客さんが)いっぱいだね!」と嬉しそうだ。「5年間、長かったねえ」と感慨深げに言う松本だが、堂免は「短かった」と即答。ぬんはフロアを指差して「イェイ! 盛り上がってる?」と叫び、正式メンバーになって今まで隠れていたキャラが開花したようだ。その後もゆるゆるとMCは続く。それぞれ自由に発言しているのに、なんとなくまとまった感じになるのはこのバンドらしいところだろう。

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