TAIKING、初の全国ツアーで生んだ観客との一体感 アフターライブではSuchmosの楽曲も披露
Suchmosのギタリスト、TAIKINGがワンマンツアー『TAIKING 1st TOUR「TOWNCRAFT」』を開催。ファイナルの東京公演が、11月27日に渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて行われた。
2021年2月にSuchmosが活動休止し、同年8月よりソロプロジェクトを始動させたTAIKING。活動開始からわずか半年の間に4曲入りのEPを2枚リリース、今年2月には初のワンマンライブを開催した。その間、藤井 風やRADWIMPSのツアーにもサポートギタリストとして参加するなど、活動の場を広げている。9月にリリースした1stアルバム『TOWNCRAFT』を携えて大阪・名古屋・東京の3都市を廻った今回のツアーは、TAIKINGにとって初の全国ツアーとなった。
ライブは、ソロデビュー曲である「Easy」で幕を開けた。アウトロではステージ前方でギターソロを披露し観客を沸かせた後、続けざまに未発表曲「A Walk」を投下。フロアは序盤から盛大なクラップに包まれており、そんな様子を見ていたTAIKINGは「東京めっちゃ元気いいね! いいファイナルになるの確定だな!」と笑顔を見せる。
Suchmosではアリーナやスタジアム規模でのライブを経験してきたTAIKINGだが、今回のツアー会場はすべてライブハウス。物理的にもステージとフロアの距離が近いからこそ、彼が観客との空気感を大事にしているのが感じられた。例えば、「VOICE」、「Brother」と披露した後はそれぞれMCを挟んでいた。それに対し「本当は流れがあるんだけど止めちゃっているんだよね」と話していたが、TAIKINGが積極的に観客に呼びかけることで和やかな雰囲気が高まり、ステージとフロアの垣根を越えた一体感が生まれているのがわかる。
そして、そんな強い一体感はバンドメンバーとの演奏でも垣間見えた。今回のツアーでは、真田徹(Gt)、まきやまはる菜(Ba/パジャマで海なんかいかない)、大樋祐大(Key/SANABAGUN.)、岡本啓佑(Dr/黒猫チェルシー)の4名がサポートとして参加。曲中、各パートの見せ場では客席に向けてメンバーを紹介したり、4人それぞれと顔を見合わせて楽しそうに演奏したりする光景も見られた。終始息の合った5人のアンサンブルは、ずっと聴いていたい心地良さがある。
後半は「Rules」「FIRE」「BET」を畳みかけるようにプレイし、「Space Traveler」や「Holiday」ではハンドマイクでステージを左右に歩きながら歌唱する場面も。会場の高揚感もピークに達したところで、本編最後に披露されたのは「SPOT LIGHT」。勢いの余りか、ラストはTAIKINGもフロアに降りるサプライズがあるなど、ライブは熱気と幸せな雰囲気に包まれて幕を閉じた。