iScream、大切な想いを込めた冬ソングへの挑戦 幻想的なMV撮影に密着&初の有観客ワンマンも振り返る

 昨年デビューしたガールズユニットiScreamが、ニューアルバム『i -Special Edition-』を11月23日にリリースした。これは今年4月に発売された1stアルバム『i』の楽曲に、シングル曲「Catwalk」とそのカップリング「恋するプラネット」、新たにレコーディングされた新曲3曲をプラスし、初の有観客ワンマンライブの映像やインタビュー映像などが収められたDVDも楽しめるスペシャルエディションとなっている。

 今回リアルサウンドでは、このアルバムに収録される新曲「ホワイト・ラブ」のMV撮影に密着した。冬をテーマにした楽曲ということで、スタジオ内には雪を表現するためのアイテムがセットとして組まれていたのだが、総計約1.5kmにも及ぶ真っ白い紙テープや広大な雪空を思わせる大幕など、そのどれもが圧倒的な迫力。白いブロックを使った高低差のあるセットで歌うシーンも、HINATAが座っていたのは見上げるほどの高い位置だったり、とにかくスケールの大きな現場となっていた。

 そんなセットの中で歌唱する3人の衣装は、今回が初めてとなる全身ピンク。可愛らしさよりも、力強さを感じさせるようなピンクの色味が鮮やかだ。RUIは安定のパンツスタイルにピンヒール。YUNAはシルエットが綺麗なケープがポイントで、衣装の色に合わせて髪の色も変えてきたとのこと。HINATAは上品かつゴージャスな雰囲気で、ひときわ大きなスカートのリボンが目を引いていた。

 スタジオにいて印象的だったのは、今回初顔合わせとなった監督・大喜多正毅の指示を聞いたり、スタッフとやりとりしている3人が、常に笑顔だったこと。もちろん最初は緊張もあったと思うが、ちょっとした時に見せる表情がとても柔らかくて楽しそうなのは、現場のムード自体がそうさせているのかもしれない。ということで、今回MVを手掛けた監督についてメンバー3人に聞いてみた。

「今日初めてお会いしたのですが、フレンドリーで話しやすいですし、よかったところはすぐに褒めてくださって自信を持ってカメラの前に立てています」(RUI)

「YUNAのいいところはここだから、こうしたらもっと良くなるって具体的に言ってくださるからやりやすかったですし、すごく楽しくて明るいムードの現場です」(YUNA)

「完成形が想像しやすいように言葉をかけてくださるから、自分が今やるべきことがとてもわかりやすいんです」(HINATA)

 メンバーも含め、それぞれの場所で全員が自分のベストを尽くしながら進んでいくMV撮影は深夜まで続いたが、この現場の空気感もきっと3人の表情や映像の端々から伝わってくるはず。カラフルでポップな印象が強かったこれまでのMVとはガラリと雰囲気の違う、まるでアートのような映像美にも注目してほしい。(山田邦子)

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「私たちとみなさんを繋いでくれる大切なアルバム」(RUI)

ーー「ホワイト・ラブ」のMV撮影お疲れ様でした。まずは撮影日全体を振り返ってみての感想を聞かせてください。

RUI:撮影はとても楽しかったですし、あっという間でした。今までのiScreamのMVは、バラードでも結構セットが華やかだったり装飾が多かったりしたんですが、真っ暗な中に光と私たちしかいないっていうのが本当に新鮮で。だからこそ、自分たちも目線ひとつにまで意識を配って撮影していたので、いつもとは違う達成感がありました。表現の面でも、ひとつ成長できたんじゃないかなと思います。

YUNA:セットがシンプルな分、自分の動き一つひとつが意味を持つような撮影だったと思うので、丁寧な気持ちで撮影に挑みました。今回は大きく分けて4つのシーンがあるのですが、雪にもいろんな表情があるんだなって改めて思えるような演出で。かなり見応えがあるMVになっていると思います。

HINATA:歌詞の中で〈冬のせい?〉〈恋のせい?〉〈君のせい〉って主人公の気持ちが変化していくところも、雪の降り方などで上手く流れが表現されていて。雪を表現したセットと歌詞がすごくリンクしていたので、曲の世界観がより皆さんに伝わりやすいかなと思います。

ーー最近はデジタルで何でも作れてしまいますが、雪の降らせ方や風の起こし方、影の作り方など、人の手によるニュアンスが重視されていた現場だったなと感じました。

HINATA:そうなんです。自分たちも実際に目で見てそれを感じながら表現していたので、より素敵な作品になっていると思います。

YUNA:一面の紙テープで雪を表現したり、大きな幕を手で揺らしながら影を動かしたりして、あの幻想的な映像ができ上がってるんです。

RUI:本当に、たくさんのスタッフさんの力があっての作品です。自分たちが写っていないインサートのシーンなども、風や光の微調整を繰り返しながら撮影されていたんです。自分たちのMVだけど客観的に感動してしまう、吸い込まれてしまうような映像になっていると思いますし、ひとつのアートとしても楽しめるような仕上がりになっていると思います。

iScream "ホワイト・ラブ" (Music Video)

ーー「ゲレンデマジック」なんて言葉もありますが、冬の寒さや雪は恋愛のシチュエーションを何倍もロマンチックに感じさせるし、切なさもさらに切なく感じたりしますよね。

YUNA:はい。この曲もそんな雪と共に自分の気持ちにどんどん素直になっていく感じが、初々しいしすごく可愛いなって。最初から最後まで、物語になっているような楽曲なのでぜひフルで聴いてほしいですね。

RUI:私たちにとってこの曲が初めての冬ソングなんですけど、より具体的に季節のことが表現されているので、共感してもらいやすいかなと思います。

ーーその「ホワイト・ラブ」も収録されるニューアルバム『i -Special Edition-』がリリースとなりました。

RUI:はい。4月にリリースした『i』は初めてのアルバムでしたし、自己紹介であり、デビューから全部の曲を入れた名刺代わりのようなアルバムだったので、自分たちにとってもすごく大切な作品になったんです。全てが詰まってるからこそ、まだまだたくさんの方に届けたいですし、この作品を通してiScreamの輪をもっと広げたいという思いもあったので、今回スペシャルエディションのお話を聞いた時はすごく意味のあることだなと思いました。

RUI

ーー季節感も相まって、素敵なギフトを受け取ったような気分になりました。

HINATA:嬉しいです。今回収録される新曲は、冬がテーマになっていて。

RUI:ひとつのクリスマスプレゼントとしてiScreamのファンの方に届くといいなと思うのはもちろん、いろんな垣根を越えて、このアルバムが大切な人や家族との時間の中で愛されていけばいいなと思うんです。これからの季節にピッタリのクリスマスソングや冬の楽曲はもちろんですけど、「himawari」のような夏の楽曲や、「つつみ込むように...」「Maybe...YES」といろんなタイプの楽曲が入っているので、私たちが成長して次のアルバムを出すまでの間、私たちとみなさんを繋いでくれる大切なものになったらいいなと思っています。

ーーグリーンをベースにした新しいビジュアルも新鮮ですよね。

HINATA:今まではStickymongerさんや山口はるみさんのアート作品とのコラボレーションのジャケットだったんですが、今回は初めて自分たちの写真を使った、自分たちをアートにしたジャケットなんです。ドーリーな感じがテーマだったので、ヘアメイクやファッションはちょっとレトロっぽい雰囲気。聴いてくださる皆さんへのプレゼントであり、冬という季節感にもぴったりかなと思います。

YUNA

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