堂本光一が受け継ぐ“ジャニーズイズム” 「YOU出ちゃいなよ」の精神で後輩を育てるスタイル
ジャニーズのレジェンドを次々と生み出し、多くの後輩たちからリスペクトされてきた堂本光一。一方で、「壁を作らない」「居心地がいい」と言われる存在なのも不思議なものだ。もしかしたら、その距離感はジャニー喜多川氏ゆずりなのかもしれない。「YOU出ちゃいなよ」とはジャニーズのお約束ともいえる無茶振り。だが、その無茶振りがあってこそ多くのスターが育っていった。今、堂本光一がそのジャニーズイズムを受け継ぎ、まるで“ジャニーさん”のような距離感を作り上げているのかもしれない。
今年9月から10月にかけて堂本光一が座長を務めるミュージカル『Endless SHOCK』の福岡公演に出演したKis-My-Ft2の北山宏光も、そんな感覚を抱いた1人だろう。堂本光一演じる主人公のライバル役を演じた北山。今年は、東京公演ではSexy Zoneの佐藤勝利がその役を演じるというWキャスト体制だった。
東京公演中、1人で振り入れを行なわなければならなかった北山。10月19日に放送されたラジオ『Kis-My-Ft2 キスマイRadio』(文化放送)では孤独感もあったと明かしていた。人がいない中でフォーメーションなどを覚えていくのは苦労も多かったに違いない。それでも、堂本光一が北山にならできると見込んでくれたのが嬉しかったはずだ。
さらに、堂本光一と「2人で追い込み合おう」と話していたということも語られる。「追い込まれてこそ出る本能的なものってやっぱ存在するなっていうのは、多分光一さんもそう思ってるんだろうなって、思ってたかも。俺が一方的に似てるって思ってるとなんかあれだけどさ。でも俺としては若干そういう(似てる)感じがあった」と続けた。難しいことを共に乗り越えていく。その経験を通じて、単なる先輩後輩としてではなく、同じ志を持つエンターテイナーという新たな関係性が築かれるのだろう。
“追い込まれた”といえば、東京公演で同役を演じたのライバル役を任された佐藤勝利もそうだった。もともと2022年の“SHOCK”シリーズはスピンオフ舞台『Endless SHOCK -Eternal-』の上演のみだったが、堂本光一は本編の『Endless SHOCK』もパフォーマンスして無観客配信することを決断した。『SHOCK』シリーズとしても史上初の2作品同時制作に、カンパニー初参加で取り組むことになったのだ。
また、公演中も急遽、佐藤がダンスに参加する演目を増やす演出変更という無茶振りもあった。佐藤がパーソナリティを務めるラジオ『VICTORY ROADS』(bayfm)5月22日放送回では、変更は「光一くんが“こういうふうにやりたい”って言い始めて。そしたら早めに振りを覚えたいなと思って、僕としては。本番がいつになるかわからないけど」と練習を始めたところ、その日の夜にはすでにInstagramに演出変更をファンに告知していた堂本光一。そしてまさかの翌日の公演から新しい演出を披露することになったのだという。
さらには「勝利が“明日からやりたい”と言っている」という流れになっていったことにも驚きを隠せなかった様子。「僕が“早めに振りを入れたい”っていう姿勢が、たぶん“明日からやる”っていう意気込みに映ったんだろうね」と脳内で変換されたことに苦笑いながら、「僕もこう言いながら内心は“やってやろう”じゃないですけど、そんな気持ちにもなってたのかなと思います」と締めた。そんなふうにラジオを通じて堂本光一にツッコミを入れられるようになったのも、“追い込み”を共に乗り越えたという時間があったからこそだろう。
そんな堂本光一が、来年1月1日から東京・帝国劇場で上演される舞台『JOHNNYS’ World Next Stage』で東山紀之、井ノ原快彦と共に演出を手掛けることが発表されている。本作は2012にスタートした『ジャニーズ・ワールド』シリーズの最新作で、HiHi Jets、美 少年、少年忍者ら、多くのジャニーズJr.たちが出演する予定だ。この舞台からまた堂本光一を慕う後輩たちが輩出されるのではないだろうか。彼らの口から語られる新たな交流エピソードが今から待ち遠しい。
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