「紅白出ないの?」出場者発表後、話題になったアーティストたち 宇多田ヒカル、松任谷由実、back number……追加の可能性は

 大晦日に放送される『第73回NHK紅白歌合戦』に出場するアーティストが発表された。今年は『ONE PIECE FILM RED』のオリジナルキャラクターであるウタの出場をはじめとして、昨年11月にCDデビューを果たしたなにわ男子や、若い世代から大きな支持を得ているシンガーソングライターのVaundyといったフレッシュなアーティストが勢揃い。初出場は紅組・白組それぞれ5組の計10組とあって全体的に若返った印象が強く、とりわけ「シンデレラボーイ」が大ヒットを記録したスリーピースバンド・Saucy Dogや、IVE、LE SSERAFIMといったK-POPグループの出場には、日本で現在支持されている大衆音楽をバランスよく網羅しようという意識が見て取れる。こうした新人勢がもたらす新しい風に期待したい。

 しかし発表されるや否や、SNS上では“出ない組”についての投稿が相次いだ。特にSaucy Dogと同じく若い世代に強く支持されているロックバンドのマカロニえんぴつ、そしてMrs. GREEN APPLEの不出場は大きな失望を呼んだようだ。マカロニえんぴつは「なんでもないよ、」がヒットしZ世代から絶大な支持を獲得。Mrs. GREEN APPLEはフェーズ2に突入し、アリーナ公演の開催や『ONE PIECE FILM RED』の劇中歌「私は最強」を書き下ろすなど、存在感のある活動を続けてきた。2組ともストリーミング再生数で記録的な数字を残しているだけに、ファンからは落胆の声が上がっている。

 また、椎名林檎(ないし東京事変)や宇多田ヒカルといった人気女性歌手がいないのも気がかりだ。宇多田は今年リリースした新作『BADモード』が好評だったことや、8月には『SONGS OF TOKYO』(NHKワールド JAPAN/NHK総合)に出演するなど布石があった。こうした最早レジェンド級の2人に加えて、今年デビュー50周年のユーミンこと松任谷由実も名前がない。ただ『紅白』は例年、放送日の直前になって大物アーティストの追加発表があるため、現在決まっているアーティスト以外にも出場する可能性はある。とはいえ現時点での彼女たちの不在は少々寂しさがある。

 一方、ウタの歌唱を担当するAdoはボカロ楽曲の歌い手として支持されてきた存在だが、同じようにボカロシーンと親和性があり今年はロックフェスへの出演も話題を呼んだYOASOBIがいないのも見過ごせない。Vaundyと同時期にシーンに登場し、昨年初出場を果たした藤井風も出場しない。今年は全国ツアーに加えてスタジアム公演を開催するなど精力的にライブ活動に励んできたが、年末年始はアリーナツアーを跨ぐため残念ながら出場は期待できなさそうだ。

関連記事