参照：https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2022-10-17/

　10月17日付のオリコン週間シングルランキングによると、SKE48の『絶対インスピレーション』が225,424枚を売り上げ、1位を記録した。その後はTHE ALFEE『星空のCeremony / Circle of Seasons』が30,267枚で2位、ITZY『Blah Blah Blah』が29,271枚で3位と続き、SKE48が2位以下に圧倒的な差をつける週となった。

　『絶対インスピレーション』はSKE48の通算30枚目のシングルで、表題曲は作曲家の杉山勝彦による一曲。インスピレーションとは直感的なひらめきを意味し、〈初めて目と目が合った瞬間〉に〈稲妻に撃たれたように／特別な何かを感じた〉と、“君”と出会った瞬間に受けた衝撃について歌っている。サウンドは1990年代〜2000年代初期頃を思い起こさせるようなユーロビート系のダンスナンバー。小室哲哉による、いわゆるTKサウンドの諸作品を彷彿とさせる。杉山と言えば、乃木坂46への提供曲（「君の名は希望」、「きっかけ」、「サヨナラの意味」等）でお馴染みの作家だが、あえて近いものを挙げるなら「制服のマネキン」系の路線と言えるだろう。歌詞に描かれる“僕”が受けた衝撃と、サウンドから感じ取れるパワーとが見事にマッチした一曲だ。

　また、Type-A収録の「私の歩き方」は、卒業を発表した須田亜香里のソロ曲。ある場所から去ろうとしている“私”が、これからは自分の力で歩いていくことを決意し、宣言するような一曲。〈自分らしいペースで〉と歌っているように、楽曲のテンポは歩幅程度のゆったりとしたスピードで進み、トラックは歌い手を祝福するような繊細かつ豊かな演奏によるバラード調のサウンドが繰り広げられている。須田への当て書きだと思われるが、パーソナルな情報を歌詞から一切排除したことにより、普遍的な卒業ソングとしてのポテンシャルを持った作品になっていると感じる。次のステージへと向かう人へ送る、別れの歌としても広く長く親しまれ得る一曲だ。