今市隆二、極上のソウルショウで届けた愛と感謝 自らファンに“会いに行く”ツアー『CONCEPT LIVE 2022 “RILY'S NIGHT”』
アリーナやドームでライブをすることの多い今市隆二(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)が、ホール規模の会場を回る『RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2022 “RILY'S NIGHT”』。その東京公演2日目が、9月13日に東京ガーデンシアターで開催された。“CONCEPT LIVE”と題した公演は、ソウルやR&Bといった今市の持つ音楽性を前面に押し出しつつ、ダンスやトークなど、多彩なエンタテインメントを、いつもより近い距離でファンに届けるものだった。
開演前のBGMは「スリラー」をはじめとしたマイケル・ジャクソンの楽曲群。そして幕が開き、ステージ上に「RILY'S NIGHT」という文字列になった巨大なライトが登場した。ステージ上に現れたのは、ベース、ドラム、キーボード、ギター、2人のコーラスからなるバンドと、4人のダンサー。その中心にいるのは、もちろん今市だ。
歌い踊る今市によって、1曲目「華金」から早くも最高のソウルショウが展開された。「TUXEDO」ではベースがヘビーに響くのが心地いい。今市がスポットライトのみに照らされてシルエットが浮かび上がった瞬間は、さながらマイケルを彷彿とさせた。「LOVE THIEF」では、今市とダンサーたちが息の合ったダンスを見せ、それでも安定している今市のボーカルに舌を巻いた。「Angel」では、ファンキーなイントロから始まり、突き抜けるような爽快なサビへ。今市の艶やかなファルセットボーカルも冴え渡る。
インタールードを挟んで、シティポップにアプローチした「Highway to the moon」へ。さらに、水の降るSEとインタルードを経て「辛」が始まった。ボーカルのタメも素晴らしい、今市ならではのソウルナンバーで、〈鬼電〉という単語も歌詞に出てくるなど、SNS時代を舞台にした歌詞が大きな話題を呼んだ。ソウルシンガーとしての今市が多くの人の耳をとらえた金字塔だ。ライブでは、バンドのタメが効いた演奏と相まって、さらに魅力を増していた。
メロウな演奏によるインタールードから「ONE DAY」へ。2018年にリリースされたソロデビュー配信シングルにして、三代目 J SOUL BROTHERSのメンバーのソロ活動として、衝撃すらもたらした傑作R&Bナンバーである。スキルフルさが光るのはもちろんのこと、タメとファルセットの合わせ技まで聴かせるボーカルは見事。そして、実にシルキーな歌声だ。アウトロでの今市の穏やかな表情も、楽曲の世界観を無言で描き上げていた。
MCでは、「グループ(三代目 J SOUL BROTHERS)の10周年を迎えたことで、音楽の素晴らしさを感じました」「全国のみなさんにホール規模で会いに行こうと決めました」と今回のツアーの趣旨を述べ、「普段ならドーム、アリーナ規模ですが、ホールツアーは距離が近いでしょ? というわけで企画も用意しました」と、ステージ上に持ちこまれたソファーに座り、リビングでくつろぐかのようにトークコーナーを始めた。
最初はQ&Aコーナー。質問者を選ぶくじ引きで当選したファンの叫ぶ声が会場に響く一幕も。今後カバーしてみたいEXILEの楽曲についての話題で、マイクを渡された観客が「隆ちゃんの『Pure』が聴きたいです」と言うと、今市が「じゃあ『Pure』で」と即答し、茶目っ気とユーモアを見せていた。サイン入りポスターのプレゼントコーナーでは、当選者は3人の予定だったが、今市のサービス精神で急遽5人に。当選した親子が今市と話しながら、感激のあまり「隆二としゃべってる!」と興奮が漏れる場面もあった。
「RILY」からはアコースティックコーナーへ。ドラマティックなメロディを、今市はファルセットで彩る。カホンとキーボードで、ラテンテイストなニュアンスが垣間見えたのもライブならではだ。今市が自らキーボードを弾いて、親友の結婚のときに作った曲だと紹介したのは「I'm Just a man」。コーラスも含めた肉声で彩るウエディングソングで、さながらゴスペルのように響いた。「オヤスミのくちづけ」は、背面の「RILY'S NIGHT」のライトが青く輝くなかで歌われた。
MCでは、ステージの左右へ行き「近いですよね?」とファンに呼びかけた。そして、今回のツアーでは全国各地でランニングをしており、この日もお台場から会場近くまで走ったというエピソードを披露した。