日向坂46「月と星が踊るMidnight」の“勝ちに行く”フォーメーション 人生讃歌であり新時代への架け橋に

 また、「僕なんか」では3列目だった影山優佳が再び2列目に上がってきたことは、最近の活躍ぶりなら当然とも言える。後列の両端は、2列目を佐々木久美と潮紗理菜、3列目を富田鈴花と髙橋未来虹が担当し、6thシングル曲「ってか」と同じ体制に(富田と髙橋は左右対称だが)。そこからは彼女たちがパフォーマンスだけでなく、精神的にもグループの支えとなる安定した4人だということが感じ取れる。「ってか」も攻めのダンスだったが、動きの激しいパフォーマンスになるほど両端にも目が行くため、注目したいポジションだ。

 齊藤の後方に立つのは、二期生の松田好花と河田陽菜。齊藤とはまた違う個性を持ち、ガムシャラさとしなやかさで魅了できる2人というのもバランスが良い。一方の濱岸ひよりは、「正直とても悔しかったです。どこに居ても見つけてもらえるように、応援してもらえるように、精一杯頑張ります」(※4)と3列目になった悔しさを言葉にしていた。ただ、これまであまり自己主張をしてこなかった濱岸が、こうしてしっかり想いを言葉にしていることを思うと、今回のパフォーマンスで間違いなく注目すべき1人だと言えるだろう。

 9月19日放送の『ひなあい』では、「月と星が踊るMidnight」をツアーで初披露した映像も流れていた。短い映像を見る限り、フォーメーションを美しく見せる以上に、熱い思いをぶつけるエモーショナルなダンスによって、齊藤のカリスマ性溢れる堂々とした姿と、内なる感情を訴えてくるようなメンバーの姿が印象的で、演劇に近いパフォーマンスにも感じ取れた。『W-KEYAKI FES. 2022』で、齊藤をセンターに「語るなら未来を…」(欅坂46)を披露した際、いつもは懐にしまっている刀を振りかざしたように、日向坂によるエモーショナルなパフォーマンスの可能性をふんだんに見せつけていたが、実はそれも「月と星が踊るMidnight」への伏線だったのかもしれない、と今になって思う。

 “つながる”がコンセプトの今作。齊藤の初センター曲だった「それでも歩いてる」は、けやき坂の初代メンバー・長濱ねるが欅坂専任となり、二期生も入ってきたばかりのタイミングだったため、グループの過去と未来を繋ぐ作品であった。今回の「月と星が踊るMidnight」も、渡邉美穂や宮田愛萌の卒業を受け、四期生もまもなく加入を迎える中、新たな時代へと日向坂をつなげるブリッジのような楽曲になっていると思う。そんな想いを体現した力強いフォーメーション、そしてセンター・齊藤京子のパフォーマンスに大いに期待したい。

※1:https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/45427?ima=0000&cd=member
※2:https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/45516?ima=0000&link=ROBO004&cd=member
※3:https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/45519
※4:https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/45521

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