乃木坂46 5期生、バナナマンも認める驚異的な成長スピード 中西アルノ、井上和、菅原咲月を例に加入から半年を振り返る
初の5期生曲「絶望の一秒前」でセンターに立った井上和。『乃木坂工事中』(テレビ東京)の企画「乃木坂46 キメ顔グランプリ」で、「絶望の一秒前」アウトロの希望を感じさせる微笑みが先輩メンバーの掛橋沙耶香からも高い評価を受けている。筆者が驚いたのは、そんなハードルが上がりきった中で迎えた『真夏の全国ツアー2022』での「絶望の一秒前」のパフォーマンス。間奏で花道からメインステージに戻る井上が、振り向き様にカメラに向かって手招きをする新たなアレンジは、楽曲の世界観を壊さずにファンの期待をも越えていく、見事な新要素だと感じた。
早くからソロ歌唱に挑戦していた『新・乃木坂スター誕生!』では、オンエア毎に多種多様な歌声を聞かせてくれている。中でも強いこだわりを滲ませていたのは中森明菜「飾りじゃないのよ涙は」のカバー。自身の声の特徴を“引き算“して中森本人の声に近づけていくといった新たな歌の領域に加えて、初めてのスタンドマイク。井上の飽くなき探究心を垣間見せた。かと思えば、クセの強いアニソン「お願いマッスル」を、串田アキラを相手に軽々と歌いこなしてしまう力量。モデルとしても『non-no』『ViVi』に掲載されるなど隙のない井上だからこそ、メンバーは「にゃんにゃんにゃぎ」といった可愛らしいキャッチコピーで彼女の弱みをイジりたくなるのだろう。アドリブ力が試される個人PV「乃木坂OGイノウエ」も然りである。
「絶望の一秒前」に続く、5期生曲「バンドエイド剥がすような別れ方」でセンターを張るのは菅原咲月。460万回(2022年9月17日時点)という表題曲「好きというのはロックだぜ!」に迫るMV再生回数は、5期生の今の勢いを分かりやすく示している。『真夏の全国ツアー2022』で初披露となった「バンドエイド剥がすような別れ方」は、菅原がツアー途中からサビ前にウインクを導入。先輩メンバーやスタッフ陣からも好評を受け、本格的に取り入れたことが『乃木坂46新聞 2022』の中で明かされている。『乃木坂工事中』で設楽から「小吉」とあだ名を付けられたりとポンコツのイメージが強い彼女だが、先述の『新・乃木坂スター誕生!』で麻倉を前にパフォーマンスしていた一人が菅原。まだ番組が始まって3回目時点での驚くべき吸収力を発揮していたのだ。キャプテンの秋元真夏や遠藤さくらからも、ツアーで積極的に質問していく向上心が「しっかりしてる」と評価も高い(『乃木坂46新聞 2022』発売記念SHOWROOMより)。
そんな「絶望の一秒前」と「バンドエイド剥がすような別れ方」でセンターを務めた井上と菅原は「なぎさつ」「さつなぎ」といった愛称で親しまれている相思相愛コンビ。『新・乃木坂スター誕生!』で披露した「恋のバカンス」、「サッポロ一番 カップスター」の動画コンテンツ「プールと、カップスター」に「なぎさつ」で出演するなど、コンビとしての活躍の場も広がってきている。秋元も認める、5期生を「引っ張っていく存在」の2人だ。
今回はセンター経験者の中西、井上、菅原の3人を取り上げたが、もちろんほかのメンバーも加速度的な成長を遂げている。緊張が解けてきた『新・乃木坂スター誕生!』は特にその進化がパフォーマンスに活きたコンテンツと言えるだろう。その成長の裏にあるのは卒業生も参加した日産スタジアム公演や賀喜遥香を先頭にした『真夏の全国ツアー2022』で、偉大な先輩メンバーの背中を見て学んだことが大きかったはずだ。
年末にはグループにとって多忙を極める音楽特番の時期がやってくる。そこに5期生が参加できるかは未知数だが、毎年全員での参加が恒例となっている『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)は11人にとっての見たことのない景色となるだろう。さらには『プリンシパル』シリーズや5期生としての単独公演など、未開催のコンテンツもあるが、すでに日産スタジアムや神宮でのライブを経験している今の彼女たちがどんな舞台を見せてくれるのかという想像もつかない期待もある。驚異的な速度で成長しながらも、まだまだたっぷりと余白を残すーーそれが、今の乃木坂46 5期生だ。
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