Snow Man 阿部亮平がファンに向ける眼差し “THE・アイドル”な振る舞いにも宿る強い思い
2ndアルバム『Snow Labo. S2』の発売、全国8都市を巡るツアー『Snow Man LIVE TOUR 2022 Labo.』の開催を控え、新曲や新たなパフォーマンスへの期待が高まっているSnow Man。リアルサウンドでは、昨年に開催され、今年5月に映像作品としてリリースされた『Snow Man LIVE TOUR 2021 Mania』(以下『Mania』)をもとに、メンバー一人ひとりの個性やパフォーマンスにフォーカスする短期連載を展開中だ。第6回は阿部亮平に注目する。(編集部)
阿部亮平のパフォーマンスにおける“Mania”なポイント
今さらながら、改めて我々はアイドルという存在に何を求めているのだろうかと考えてみる。テンションの上がる楽曲? かわいらしいダンス? 華やかな衣装? 満面の笑顔? どれもアイドルに欠かせない要素だ。そしてそれらを集約していきたどりつくのは、そんなキラキラのアイドルが「自分を見てくれている」と感じさせてくれることなのかもしれない。そういうアイドルに求める根本的な欲求を、Snow Manのメンバーの中でもっとも忠実に叶えてくれるのが、阿部亮平なのではないかと思う。
その物腰柔らかでファンサービス多めの振る舞いから、よく「あざとい」と評される阿部。佐久間大介が「あざとい警察」として出動し阿部を逮捕するという流れも定番化している。日常生活ではネガティブな意味でも用いられる「あざとい」という言葉だが、ことアイドルにとっては、屈託なくあざといと言われるような振る舞いができることは大切な素質である。アイドルといえば笑顔、アイドルといえばファンサービス。そんなイメージがなんとなく当然のようにあるが、いざそれを実行するには、意外と照れやためらいが邪魔をするもの。あざとくなるには、感情の上での「振り切り」が必要なのである。阿部亮平という人は、その振り切りがいい。
コンサートとは、画面越しではなく本当の意味でアイドルとファンの「目が合う」チャンスの場だ。そして、「自分を見てくれている」という感覚をファンに与えるという意味でも、まさしく阿部の本領発揮の場である。それは『Mania』のライブ映像だけを見ても顕著で、阿部はカメラとのアイコンタクトが多く、そして目が合えば常に笑顔で、あるいはいたずらっぽく、抜け目ないファンサをしてくれる。「みんなー! 会いたかったぞー! 手ぇ振って!」、「今まで待っててくれてありがとう」とファンと目線を合わせて言葉を送るのも阿部だ。阿部が自身のメンバーカラー・緑のペンライトを持っている人たちに向けて次々とファンサービスしていく様子を指して「森林伐採」と呼ぶそうだが、画面越しであろうとも阿部のファンサを食らうと、アイドルという存在にしか満たせない何かが満たされていくのを感じる。
とにかく、ファンがどのように自分を見ているか、ファンが何を欲しているか、それをよくわかっている人なのだと思う。それがわかるのはステージの上だけではない。阿部が考案し、「Super Sexy」で披露されたメンバー一人ひとりが透明なボックスの中でパフォーマンスする“スノインザボックス”は、「好きなものを美しくディスプレイしたい!」というオタク心をわかりすぎるほどに突いた演出だった。