連載「lit!」第15回:courtesea、NightOwl、You Never Know、OKI.7STARS、CYNHN……残暑に聴きたい女性アイドルソング
過ごしやすい日が多くなってきた今日この頃。日本の女性アイドルグループもそろそろ秋モードの楽曲を出すんだろうと、新譜をチェックしたところ、「私たちの夏はまだ終わらない!」といった風の明るく元気なサウンドばかり。そんな中でも夏の終わりの寂しさを感じさせる声を響かせたり、クールかつスタイリッシュに迫ったりと別のアプローチで差別化を図るグループもいて、紹介しがいのある作品が多くありました。というわけで、今回のテーマは「残暑に聴くならこの曲」でお届けしたいと思います。
courtesea『Sea Of Wonder』
新潟からフレッシュなアイドルグループが出てきました。Negiccoが所属するEHクリエイターズと、RYUTistが所属する柳都アーティストファームによる合同会社・DRAWAPPSによる共同アイドルオーディションで選ばれた5人によって結成。先輩の遺伝子を受け継ぎ、ナチュラルなビジュアルと楽曲重視で勝負しております。タイトル曲「Sea Of Wonder」は、ユニゾンのコーラスにデビューしたての初々しさを感じる正統派ポップス。普通の展開かと思いきや、途中でコミカルな掛け合いやレゲエ風のアレンジも挿入され、聴き手を飽きさせません。
カップリング曲「愛してって言ってみたりしちゃって」はお洒落なコード進行が印象的で、「誰が作ったんだろう?」と調べてみると、Negiccoの音楽プロデューサーを務めるconnieが作曲・編曲を担当。さすがです。
NightOwl『ヨルニトケル』
2019年に活動を開始した4人組の初の全国流通作品である4曲入りEP。縁起のいい生き物であるOwl(ふくろう)になって誰かの人生の暗い時間にも幸せを運んで来るというコンセプトで活動しているそうで、ダークなトーンのサウンドとポジティブな歌詞の組み合わせで自分たちの世界観をしっかり表現しています。個人的にお薦めしたいのは、疾走感のあるハードロック「Beyond the Night」。闇夜を切り裂くかのごとく力強いボーカルが、“私たちは普通のアイドルではない”と主張しているようです。リリースによると「EDMやシティポップなどを織り交ぜた楽曲が特徴」とのこと。得意なジャンルが多いグループのようで、今後の展開がとても楽しみです。
You Never Know『ストロベリースタート』
今年8月末に開催したイベント『@JAM EXPO 2022』を盛り上げるために結成された期間限定ユニットで、メンバーはクマリデパートの優雨ナコ、ナナランドの峰島こまき、MyDearDarlin'の咲真ゆか。80年代アイドルの楽曲の良いところを混ぜ合わせたようなサウンドは、夏の季節にぴったりで、イベントの会場で流れていたら気分が上がりそうです。3人で歌うタイトル曲のほか、各メンバーのソロバージョンも収録されているので、それぞれの所属グループのファンも思わず買いたくなってしまうでしょう。