Ado、『ONE PIECE FILM RED』劇中曲のヒットチャート独占を紐解く3つのポイント ウタを通して発揮された歌声の真価

 Adoが、国内外のヒットチャートを席巻している。アニメ映画『ONE PIECE FILM RED』に登場する歌姫・ウタの歌唱キャストを担当しているAdo。8月10日には主題歌&劇中歌の7曲を収録したアルバム『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』がリリースされ、この作品が公開20日で興行収入100億円を突破した映画と共に記録的なヒットとなっている。

 主題歌「新時代」は、Apple MusicやSpotifyなど国内のストリーミングチャートで軒並み1位を記録し、8月26日時点で各種国内チャート79冠を達成。一時はビヨンセなど海外の名だたるアーティストをおさえてApple Musicのグローバルチャートでも1位を獲得するなど、その勢いは大きく広まっている。

 8月17日公開のBillboard JAPAN総合ソング・チャート「JAPAN HOT 100」では、1位「新時代」、2位「逆光」、3位「私は最強」と、アルバム収録曲がトップ3を独占。同一アーティストによるトップ3独占は「JAPAN HOT 100」史上初の快挙だ。アルバム『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』もBillboard JAPAN総合アルバム・チャート1位となり、まさに全方位的なヒットとなっている。

 この現象がどのようにして生まれたのか、どんな意味を持つのかを、いくつかのポイントから解説したい。

 まず何より言えるのが、歌をメインテーマにした『ONE PIECE FILM RED』という作品自体が、そもそもAdoの圧倒的な歌唱力がなくては成り立たなかっただろう、ということだ。歌が上手い、ということだけではない。エッジボイスから繊細なファルセットまで多彩な声の表現力を持つ。一瞬聴いただけで耳を掴む強烈な記名性がある。ウタは、素性を隠したまま発信する歌声が“別次元”と評され、世界で最も愛されている歌姫という設定だ。映画のストーリーもウタの初ライブのシーンから始まる。詳しいネタバレは避けるが、特別な“力”を持つウタの歌声を表現するのは、並のシンガーには至難のことだろう。

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