新しい地図が届け続ける、パラスポーツを楽しむ心 次なる“はじまり”とともに活動を振り返る

 稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾が歌う「雨あがりのステップ」が、今年の夏も気持ちよく響き渡った。8月24日、東京・有明アリーナで『東京2020パラリンピック1周年記念イベント』が開催され、パラサポのスペシャルサポーター、IPC(国際パラリンピック委員会)特別親善大使の3人がスペシャルゲストとして登場したのだ。

 「雨あがりのステップ」が初めて披露されたのは、2018年3月に東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場で行なわれた『パラ駅伝 in TOKYO2018』だった。それから〈特別だから キミを讃えるわけじゃない 誰もが特別 誰もが 新しい道を行ける〉と歌うこの曲と共に、パラスポーツと私たちの架け橋となって活動を続けてきた3人。

新しい地図 - 雨あがりのステップ

 『パラ駅伝』では大きな声援を送り、ランナーと一緒に走ったこともあった。香取が平昌パラリンピックの現地からインスタライブを届けてくれたこともあった。新潟でのパラスポーツ体験イベント、全国ネットの『スッキリ』(日本テレビ系)でボッチャやゴールボールの魅力を伝え、さらに選手たちと交流をしたことも……。

 競技や選手についてどう知ればいいのか、そのきっかけさえつかめなかったところに、彼らは歌やバラエティを楽しむのと同じように、パラスポーツを身近に感じさせてくれた。さらには、様々な形で参加するチャンスもくれた。

 「雨あがりのステップ」の売上は全額パラスポーツ支援のためパラサポへ寄付された。約3カ月間でダウンロードされた数は9万9594件、寄付金額は2300万6214円に(※1)。さらに2015年に香取がパラサポのエントランスに描いた壁画「i enjoy !」を用いて『香取慎吾NFTアートチャリティプロジェクト』を実施すると限定1万点が即日完売。そうして集まった1万人の想いも、8月23日に寄付贈呈式という形で届けられたばかりだ。

 決してパラスポーツを特別扱いしているわけではなく、むしろ彼らが持つ他の“好き“たちと同じくフラットな気持ちで楽しむ。「雨あがりのステップ」で歌われるように、そもそもどの“好き"も特別だからこそ、新しい道を拓くことができるのかもしれない。筆者も彼らの“好き“をきっかけに、東京2020パラリンピックのチケットを購入した1人だ。おそらく「東京で開催されるから」という理由だけでは、実際に足を運んで見ようとは思わなかっただろう。

 また、香取のもとには彼らの活動を通じてパラスポーツを知り、我が子に「今はどんな競技をやらせようかと考えています」と前向きになることができたというコメントも届いたそう(※2)。応援する側だけでなく、実際に競技に触れるハードルをも低くしてくれた印象だ。

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