JO1、激しいダンスナンバーだけじゃない 至極のバラード曲で聴かせる繊細な表現に注目
他にも「Running」や「Voice(君の声)」、「伝えられるなら」など要チェックすべきJO1のバラードはまだまだある。どの楽曲にも共通して言えるのは、メンバーの歌声をたっぷり味わえるということ。言い換えれば、全員がバラードを歌えるだけの歌唱力を持っているということだ。
歌で言えば與那城奨、河野純喜、金城碧海の“ボーカル組”のイメージが強いが、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」では川尻蓮と川西拓実を加えた5人で「Move The Soul」を披露するなど、「歌“も”強み」と言えるメンバーがどんどん増えている。もちろんこの5人だけではない。佐藤景瑚はオールラウンダー故に歌だけに注目される機会は少ないが、素晴らしいキャラメルボイスの持ち主。白岩瑠姫や豆原一成もデビュー当初よりも格段に歌唱力が上がっている上に、木全翔也、鶴房汐恩、大平祥生の“ラップ組”もバラードでは優しい歌声を響かせている。
さらに、JO1のバラード曲はリスナーに寄り添ってくれる楽曲が多い。歌詞を見るとJO1自身のこと、JAMのこと、仲間のことを思った内容ばかりである。JO1はオーディション番組を通して結成するまでの期間のことも全て見せてきており、多くのドラマを知った上で聴けるグループだからこそ、だろう。一方で解釈の余地がある歌詞のため、背景にあるドラマを知らなくとも自分自身に当てはめて聴くこともできる。多角的に楽曲を楽しめるのも、JO1ならではと言えそうだ。
よくグループのメンバーを「ボーカルライン」、「ラップライン」、「オールラウンダー」と分けることがある。それを踏まえると、JO1というグループ自体は「オールラウンダー」だ。ダンスチューンもバラードも、全て聴く人の心に届けていく。その表現力がある11人だからこそ、多くの人の心を揺さぶることができるのだろう。