早見沙織、冨田ラボや水樹奈々との活動経験から得た刺激 「いまは新たな扉をどんどん開いていってる期間」
自分のなかの固定観念が少しずつ緩んでいく感覚がある
ーー新しい扉という意味では、前回のインタビューでも触れた聴いている音楽についての話も面白かったです。チャートに入るようなJ-POPやボカロ曲、1930年代のジャズや海外のヒットアーティストも聴かれるとのことでしたが、より詳しく聞けたらなと。
早見:J-POPですと、自分がアニメでも関わらせていただいているOfficial髭男dismさんや星野源さんの楽曲は自分のプレイリストに入れてたくさん聴かせていただいていますし、ヒゲダンさんはライブにお伺いしたこともあって、1回聴いたら忘れない歌やメロディのキャッチーさを含めて衝撃をうけました。
あと、もう少し若い世代の方に関しては、私自身が『ヒャダ×体育のワンルーム☆ミュージック』というNHKさんの番組でナレーションをさせていただいていて。新進気鋭のアーティストさんがDTMについてお話するという番組なのですが、ここでDiosさんなども知りましたし、海外アーティストで、自分のライブラリの1番上のほうに来ているのは、ブロッサム・ディアリー。『Memories & Discoveries』で知ったのですが、いい塩梅に優しいジャズボーカルが素敵だなと思いました。あとは韓国のADOYやアジアをルーツに持つアメリカのジンジャー・ルート、インドネシアのアルディート・プラモノなども最近好きなアーティストですね。アルディート・プラモノは「Happy」という曲がすごく素朴なのに胸に染み込む素敵な楽曲なので、ぜひ聴いてほしいです。
ーー1950年代から活躍するジャズシンガーに最新の韓国バンドまで、本当に幅広いですね。
早見:いまお話しした以外でも、日本の若い世代の方をたくさん聴くようになりましたし、最近では宇多田ヒカルさんのアルバムもたくさん聴きました。ただ、これらのリスニング体験がこれからの活動に反映されていくかどうかは……お楽しみにということで(笑)。
いろいろなアーティストさんの楽曲を探ったり、触れたりしていくと、こういう曲を自分も書いてみたいという楽曲リストはすごく増えるのですが、一方でそれを形にできないもどかしさを感じることも多くなってしまって。現在進行形で、思考がとめどなく溢れるようになってしまったというか。だからこそ、チームの方の協力も得て新たな扉を開けることができているというのは、その可能性を広げるうえでも本当にありがたいと思っています。
ーーインプットが多くてどうしようという悩みのこの先に、新たな早見さんの姿が見れるような気もしているので、個人的にはすごく楽しみにしています。
早見:もがき、歩んでいく。まるで最近発表している曲たちのような日々ですが、頑張りたいと思います(笑)。
ーー先ほど挙がった『ワンルーム☆ミュージック』は、まさに1人で曲作りをするための人の番組なわけですが、ご自身の曲作りにおいて、こういう作り方があるんだという考え方や手法で参考になる部分はありましたか?
早見:刺激はかなり受けていますし、様々なアーティストの方のお話を聞いて、自分のなかの固定観念が少しずつ緩んでいく感覚はありますね。「こうやらなきゃいけない」というのはないんだなというか。作り方もそれぞれで、本格的に楽器も全て揃えている方もいれば、スマホ1つで作る方もいる。ちゃんとリズムを決めて音を乗せるだけじゃなくて、自分のイメージや日常の音を拾うところからイメージを膨らませる方もいれば、流行の楽曲を分析して、ご自身の楽曲に落とし込んでいく方もいる。その多種多様さというのを改めて学ばさせていただいていますね。
ーー自分も見ているのですが、あれば本当にDTMをやりたくなる番組ですよね。
早見:そうですね。もともと鍵盤で作ったものをDAWで操作してまとめて打ち込んでいるので、もっとDTMに向き合いたくなりますし、実際にちょっと研究中です……(笑)。
ーー声のお仕事で関わった番組からのインプットもあるというのは、よりマルチに活動されているからこその学びというか、早見さんならではですよね。
早見:それは大きな出会いですね。『Memories&Discoveries』もそうですけど。
ーーアーティスト活動をやっている声優として、音楽番組のお仕事も引き寄せられているようにも感じます。
早見:そうなんでしょうね。お互いに良い部分が作用しあって、自分の両方の活動に利益になっていると思います。
ーー先ほどお話に出てきたような水樹奈々さんや坂本真綾さんのように、声優と音楽の両面での活動を経て、素晴らしい実績を残していく方もいらっしゃいますし、早見さんも現在進行形でそこにも名を連ねている方として認知も広がってきていると思います。
早見:尊敬の念が日々湧きますね。今回、冨田さんの曲で坂本真綾さんが作詞してくださって、歌詞について真綾さんがお話しされているのを聞くと、作詞に対するアプローチやものづくりに関する考え方を知ることができて、とても興味深く、自分にとっても学びが大きい体験ができました。2023年以降も、基本的な活動のベースは変えずに続けていくつもりですが、より突き詰めた形での表現・作品を生み出せるように現在進行形で制作を進めているので、生みの苦しみはありますが、頑張っていきたいと思います。
■リリース情報
「Guide」(ヨミ:ガイド)
作詞・作曲:渡辺 翔 編曲:大久保薫
デジタル配信中
配信リンク:https://hayami.lnk.to/Guide
■番組情報
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇』
TOKYO MX :2022年7月22日(金)25:05~放送開始
BS11 :2022年7月22日(金)25:30~放送開始
AT-X :2022年 放送開始
ABEMA他各種配信サービスにて順次配信開始予定
ダンまちポータルサイト: http://danmachi.com
(C)大森藤ノ・SBクリエイティブ/ダンまち製作委員会
■ライブ情報
『Hayami Saori Special Live 2023 Before Dawn-夜明けに君と』
日程:2023年1月2日(月)
場所:TOKYO DOME CITY HALL(〒112-0004 東京都文京区後楽1-3-61 東京ドームミーツポート1F)
チケット情報:9月14日(水)発売CD「Awake」の初回封入特典としてチケット先行購入権申込抽選券を封入
※一般チケット発売は後日発表
ライブに関するお問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00~15:00)
■早見沙織オフィシャルサイト:https://hayamisaoriofficial.com
■早見沙織Official Twitter:@hayami_official