AKB48、突如途絶えた“夏曲”シングルの歴史 「根も葉もRumor」MVなどに見る、グループの新たな表現

「根も葉もRumor」のMVに見る夏表現

 一方で、公式ライバルと位置づけられている乃木坂46は、夏曲でもさらに評価を高めている。楽曲だけではなくMVも含めて、乃木坂46らしいアート性も兼ね備えた夏曲を作りあげている。

 AKB48としては、グループの方向性は違えど、それでも夏曲という同じくくりのなかで乃木坂46と今、競作させる必要はないと踏んでいるのかもしれない。むしろ、そういった部分とは違う角度で、アイドルグループとして良い意味で一線を画すことができているのではないか。「季節モノの曲」というアイドルには定番のシングルリリースの形ではなく、AKB48として唯一無二を模索している一つの結果であるように思える。

根も葉もRumor Dance Ver. / AKB48 58th Single【公式】

 ちなみに2021年9月リリースの「根も葉もRumor」は、曲内容的には夏っぽくないが、MVはメンバーも半袖の学生服やTシャツで登場していることから、曲のなかの季節は夏であると連想できる。その点で、同曲が今のAKB48の夏の表現の一つの指針になるのではないか。

 もちろん今後どうなるのかは分からない。メンバーやファンからも夏曲を望む声が増えてきていることから、再び夏を全面に押し出したシングル表題曲が発表されるかもしれない。きっとその時は、ダンスパフォーマンスがスキルフルで、かつ日本国内に止まらないクリエイティビティにあふれた、“新しい夏曲”が登場するのではないだろうか。

※1:https://twitter.com/IckwMnm0826/status/1544286680542511104(市川愛美 公式Twitter 2022年7月5日投稿より)

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