KinKi Kids、Perfume、TWICE、Kroi、にしな……7月27日リリースの新譜5作をレビュー

Kroi『telegraph』

 前作アルバム『LENS』収録曲「Balmy Life」がストリーミングやSNSで好アクションを記録。ヒャダイン、Yaffleなどのクリエイターに絶賛され、King & Princeに楽曲を提供するなど、各方面で注目度を上げているKroiから2ndアルバム『telegraph』が届けられた。爽やかなバンドグルーヴと切ないファルセットが響き合うKroi流ポップチューン「熱海」を含む本作は、ブラックミュージックに根差しつつ、フュージョン、エレクトロから西部劇のような音像まで、さらに自由奔放な音楽世界を描き出している。メンバーの独創的なプレイヤビリティ、大胆な音のバランスも激しく魅力的。このアルバムによって彼らは、既存のバンド像を大きく逸脱し、斬新なポップミュージックへと到達したと言っていい。(森)

Kroi - 熱海 [Official Video] #Kroiの熱海

にしな『1999』

 昨年の「ヘビースモーク」のバイラルヒット、そして、1stアルバム『odds and ends』のリリース後も、にしなは「東京マーブル」「U+」をはじめとするタイアップ曲を次々と発表しながら、自身の新しい可能性を果敢に追求し続けてきた。そして、今回の2ndアルバムにおいて、彼女は、シンガーとして、そしてソングライターとして大きな飛躍を果たした。純粋無垢な部分と妖艶さの両方を兼ね備えた天性の歌声はさらに磨きがかかり、制作面においては、様々なアレンジャーとタッグを組むことで、自らの音楽世界に新たな彩りと奥行き、深みを与えることに成功している。「青藍遊泳」で歌われる青春の刹那的な輝きを、そして、「1999」で歌われる限りある人生における絶望と希望の重みを、私たちリスナーは痛いほどに知っている。極めてパーソナルな心象風景の中に、誰もが共鳴できる普遍性を鮮やかに描き出していく彼女の筆致は、感動的ですらある。とてつもないポテンシャルを示す傑作だ。(松本)

にしな | 青藍遊泳 - Music Video

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