DOBERMAN INFINITY、オールラウンドであり続けるための挑戦 多ジャンルを乗りこなした大ボリュームのアルバムを語る

「この5人には新たなものに挑戦したい思いが強い」

ーー「LOST&FOUND」というタイトル曲は、どのように生まれたんですか?

SWAY:これはもともと予定になかった曲です。タイトル曲は入れないというふうに最初みんなで話していたんですけど。

ーーその話がひっくり返って入れることになった経緯は?

SWAY:曲がほぼ出揃って大体のアルバムの形が見えて、最後に取り掛かる曲を考えている時に、スタッフさんから「このトラックでタイトル曲を作ろう」と提案があって。それで聴いてみたら、「このトラックの上で、ここまでやってきたことを振り返って書いてみよう」となったんです。今回のアルバム制作は、スタジオにこもったり、何度もやり直したり、5人とも自分と会話をするような時間が長かったので、その時間を振り返って、それぞれ何を思うかを書いてみようという話から、この曲ができました。

DOBERMAN INFINITY「LOST&FOUND 」MV ( AL「LOST+FOUND」収録)

ーーこの曲の2つ前に収録されている「もう二度と」は、KAZUKIさんがアレンジャーとしてクレジットされています。

KAZUKI:僕がトラックを作りました。P-CHOさんと曲を作りたいという話をしていて、「今こんな曲を作ってます」「こんなテーマはどうですかね?」っていうところから始まったんですけど。

ーーこの曲のテーマは死別ですか?

KAZUKI:そうです。

ーー5人で誰か1人のことを歌っているんですか?

KAZUKI:違いますね。それぞれがそれぞれに思い浮かべる人を書いています。

SWAY:ただ、死別したことを書くというよりは、死別を経験したからこそ、今、隣にいる人をもっと大切に思えるんじゃないかっていうことを書いたんです。こういうことっていつ起きてもおかしくないんですね、って逆に死に教えてもらったっていう。

P-CHO:KAZUKIが、「家を出て行くときの『いってきます』『いってらっしゃい』とか、帰ってきたときの『ただいま』『おかえり』とか、その当たり前が急になくなる日が来ると思ったら、本当に一つひとつを大事にしなきゃダメですよね」っていう話をしていて。俺もそのKAZUKIの一言に「そうだよな」って思わされましたし、「だったらそれをテーマにすべきじゃない?」っていうところから始まったんです。この曲を聴いて、「ただいま」「おかえり」を言おうと思ってもらえたら嬉しいです。

ーーそんな「もう二度と」のあとに、愛を歌った「LOVE IS」があって「LOST&FOUND」に繋がる。この流れが見事でした。今回のアルバムには、海外作家が多く参加していたり、ミキシングやマスタリングにも海外クリエイターを起用しています。今、DOBERMAN INFINITYが求める音像はどのようなものなんですか?

SWAY:難しいなぁ。海外志向というわけではないんですよ。

ーーとはいえ、現行の海外ヒップホップ/R&Bで聴けるようなサウンドはたくさん取り入れられていますよね。

GS:例えば「始まりの途中」は、提案されたときはサウンドだけ聴いたら「結構ポップスだね」「これ、俺らでやる?」と思ったのが正直なところなんです。でも、それって自分たちの中の先入観で敬遠しているだけで。たくさんの人に聴いてもらいたいからこそ、「ALL ROUND HIP HOP」というスローガンを掲げて、いろんなサウンドに挑戦してきたのに、好きなものだけにこだわってしまうと偏っちゃう部分が出てきてしまう。そうならないためにも常に挑戦心を頭の片隅に置いているんです。

ーーとはいえ、5人もいれば意見の相違も出てくるのでは?

GS:「俺はいいと思うで」「俺はどうかと思う」っていう場面は正直あります。でも、やっぱり今回も、この5人には新たなものに挑戦したい思いが強かったんだと思います。なので、ポップスにもスカにも、いろんなサウンドに挑戦しました。「始まりの途中」も一瞬ためらったけど、これをDOBERMAN INFINITYとして乗りこなせないとダメだよねって。そうやってトライをしていった結果、こんなにバリエーションのあるアルバムを作ることができたんだと思います。

ーー最後に、8月5日から始まるツアー『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2022 “LOST+FOUND”』に向けた思いを教えてください。

SWAY:僕らはDIバンドで何年もツアーを回らせてもらって、だんだんバンドとのコミュニケーションが密になってきたんです。僕らがやりたいことをわかってくれるし、僕らの音楽を持ち上げてくれる。なので、DIバンドがこのアルバムの曲を演奏すると、どうパワーアップするんだろうっていうのが今からめちゃくちゃ楽しみです。コロナが落ち着いてきて、去年は行けなかったけど今年は行けるっていう人も増えたと思うので、そこでニューフレイバーたっぷりな僕らを見てもらいたいですね。

P-CHO:今のところ、24曲を全部やるという意気込みでライブの構成を考えています。人間っていろいろ忘れていく生き物じゃないですか。そのとき大事だなと思ったことも、あとになって忘れているかもしれない。今回のアルバムでは自分たちがこの時代を生きて、失って、得たものを表現しているので、それを生で伝えて、会場に足を運んでくれた方が「この感情、忘れてた」みたいなものをちゃんと取り戻せる時間にしたいです。

KAZUKI:僕は、聴いてくださる方々と全く同じ感覚でコロナ禍を過ごしてきたと思っているんです。ここにあるのはその経験を経た生活の歌。美化してないし、みなさんと同じという感覚で1曲1曲書いたので、それを生で届けたときには、みなさんの心にも何か気づきがあると思うし、それを糧に明日に進んでいけるんじゃないかと思います。

KUBO-C:今回は久々のアルバムですし、24曲とボリュームもあるので、今までと大幅に変わるライブになると思います。今までの良い部分は残しつつ、かなり進化したDOBERMAN INFINITYになると思うので、それを楽しみにして来てもらえたら嬉しいです。

GS:僕たちが遺失物取扱所になれたらいいなって本当に思います。DOBERMAN INFINITYのライブは楽しい場所っていうイメージが強いと思うんですけど、今回のアルバムは動き回る曲ももちろんですが、しっかり聴く感じの曲が多いので、感情をデトックスして帰ってもらえるようなツアーになればいいなと。そういう意味では、これまでとはひと味違う、特別なライブになるんじゃないかなと思っています。

DOBERMAN INFINITY「LOVE IS」MV (AL「LOST+FOUND」収録)

■アルバム情報
DOBERMAN INFINITY『LOST+FOUND』
配信はこちら

●パッケージ盤:2022年7月6日(水)リリース
初回生産限定盤(CD+DVD)¥5,500 tax in
初回生産限定盤(CD+Blu-ray)¥5,500 tax in
通常盤(CD)¥3,000 tax in
●配信限定完全盤:2022年7月20日(水)リリース
<パッケージ盤収録曲>
1. We are the one
2. I am Who I am
3. キミワズライ
4. 夏化粧
5. FLAMMABLE
6. Updating Life
7. Backstage Freestyle
8. 6 -Six-
9. Citylights
10. ずっと
11. konomama
12. 始まりの途中

<配信限定完全盤収録曲>
1. We are the one
2. Backstage Freestyle
3. I am Who I am
4. Citylights
5. ずっと
6. 夏化粧
7. FLAMMABLE
8. GOOD DAY
9. 始まりの途中
10. Battlecry
11. SO RICH
12. Don’ t stop the music
13. 有無
14. オトコ白書
15. Superlady
16. konomama
17. RULES
18. Updating Life
19. JENGA
20. キミワズライ
21. 6 -Six-
22. もう二度と
23. LOVE IS
24. LOST&FOUND

<初回生産限定盤DVD/Blu-ray収録内容>
●Music Video
1. We are the one
2. ずっと
3. 6 -Six-
4. konomama
5. 夏化粧
6. I am Who I am
7. キミワズライ
8. Backstage Freestyle
9. Citylights
10. 始まりの途中

●スタジオセッションLIVE
1. We are the one
2. 夏化粧
3. 6 -Six-
4. konomama
5. ずっと

●特別番組『配信限定完全盤収録全24曲をドライブで聴きながら旅する1泊2日のメンバー5 人旅』

DOBERMAN INFINITY公式ホームページ

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