J-HOPEが先導するBTSの新章ーーソロ作で見せた表現力の幅広さと、再確認するメンバー愛
J-HOPEが先導するBTSの新章が、いよいよ動き出した。ソロ活動を充実させていくと宣言し、そのトップバッターとして注目を集めていたJ-HOPEのソロアルバム『Jack In The Box』が7月15日より配信されている。ビックリ箱を意味する“Jack In The Box”という名の通り、新たな情報が解禁になるたびJ-HOPEの新しい姿に驚かされるばかりだ。
J-HOPEといえば、お決まりの挨拶「I’m your hope. You’re my hope. I am J-HOPE~!」をはじめ、いつも明るい存在感がイメージとして浸透している。そして謙虚でメンバー想いな姿勢から、リーダーのRMとメンバーとをつなぐバランサーとしてBTSを支えてきたことも広く知られるところ。
そのポジティブなスタンスは、J-HOPEが作詞、 作曲、プロデュースにも参加したミックステープ『Hope World』や、人気シンガー・Becky Gとコラボした「Chicken Noodle Soup」などにもよく表れていた。それらの楽曲で披露したポップでカラフル、そしてチャーミングな世界観は、私たちが思い描く“BTSのJ-HOPE”そのものだ。
だからこそ先駆けて披露された『Jack In The Box』のタイトル曲のひとつ「MORE」のMVに、まず度肝を抜かれたのだ。“僕は水を得た魚”と踊るように歌う姿からは、たしかにJ-HOPEらしさは感じられる。だが、そのダークなメイクとハードなサウンドはいつものJ-HOPEからすれば実に新鮮で、その表現力の幅に圧倒されずにはいられない。
ビックリ箱から飛び出すピエロとなり、人びとをあざけ笑うかのごとく、様々な部屋を行き来して次々に破壊していく。まるで出来上がった日常のルーティーンを打ち砕く動きは、これまで積み上げてきたBTSという枠組みさえも一度取り払う覚悟を感じさせる。このMVは、もっと、もっと……と、さらなる進化を欲するJ-HOPEの渇望そのものなのかもしれない。
そんな新たな一面で驚かせてくれたMVだが、YouTubeに公開された撮影風景のビハインド映像を見ると、いつものJ-HOPEそのままでホッと一安心。自らの意見を出しつつも、「監督はどう思います?」と人の声に耳を傾けるJ-HOPEの強みがフルに発揮される形で、このMVが磨き上げられていったことが窺える。
さらに、突然Vが応援に駆けつけるシーンもARMY(ファン)の心を温めたことだろう。その手にはJ-HOPEの好きなクッキーアンドクリーム味のワッフルも。さらに「僕もマネキンにでもなろうか?」「カメオ(出演)1回やってみる?」とエキストラに混ざってサプライズ出演する流れにも、メンバー愛を再確認させられた。