DUSTCELL、『明日、私は誰かのカノジョ』ED曲に集まる共感の声 “人間の暗部”を捉えたソングライティングの妙
6月28日の放送で最終回を迎えたドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』(TBS系)のエンディングテーマ「足りない」が注目を集めている。
このドラマはレンタル彼女やパパ活、ホスト狂い、整形といった題材をもとに、悩みやコンプレックスを抱えたさまざまな女性に焦点を当てた同名漫画を原作としたもの。「足りない」は楽曲としてはもちろんのこと、このドラマとの相性の良さも話題となっており、現在ストリーミングサービスでの再生回数を徐々に伸ばしているようだ。
SNSではこの曲に対して「共感できる」「めちゃくちゃ自分に刺さる…」「ドラマと合ってて泣ける」といったコメントが続出。最終回を終えた後も、この反響はネットなどを介した口コミなどで大きな共感を呼びそうな勢いだ。
アーティスト性とドラマの世界観とがマッチした一曲
さてこの「足りない」は、2人組ユニット・DUSTCELLが6月にリリースした新曲で、人間の心の闇や葛藤、生き方の難しさをテーマとして扱ってきたDUSTCELLらしい一曲と言える。
例えば、歌い出しの〈埋まらない空白と劣等感〉といった言葉や、サビでの〈どうしようもない愛ばっか/抱えて歩いてた〉〈君に触れた日々が/嘘でできていたとしたって構わないよ〉といったフレーズが印象的。いずれも愛に飢えた主人公の飢餓感や、その中でもがきながら生きる苦痛を感じ取ることができる。こうしたテーマを一貫してきたDUSTCELLのアーティスト性と、ドラマの世界観とがマッチした主題歌だと言えるだろう。
そもそもDUSTCELLとは、ボーカルのEMAとコンポーザーのMisumiによって2019年10月に結成されたユニットだ。最初の楽曲「CULT」は投稿から1カ月経たずして100万再生を突破。2020年5月には1stアルバム『SUMMIT』をリリースし、iTunesアルバム総合ランキングで2位を獲得。2021年は「命の行方」が専門学校HALの2021年度TVCMソングとして全国で放送された。
今年4月に行われた初の東名阪Zeppツアー『DUSTCELL TOUR 2022』はチケットがソールドアウトで入手困難になるなど、ネット発のアーティストとして多くの支持を集めている一方で、7月からは自身の人気楽曲を小説化した単行本を2カ月連続で刊行する企画をスタートさせるなど、活動の幅を広げている。