新しい地図はテレビ史で欠かせない存在に 現在の活躍に繋がる各番組のハイライト
『よ!大将みっけ』で香取慎吾のバラエティ資質が明らかに
香取については、筆者は以前『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系)が平成を代表するテレビ番組のひとつだと紹介した(※1)。同番組の魅力に関してはそちらを読んでもらいたい。
今回、最初に挙げたいのは1994年から半年の間オンエアされた『よ!大将みっけ』(フジテレビ系)である。萩本欽一が司会のこの番組は、テーマにそって出演者たちが語り合うもの。初回放送では香取による“宣誓”という名の番組説明で幕が開けたが、「僕たちは……、初めて会う人たちを探し求めて……、会わせます」とたどたどしく口にすると、すかさず萩本から「そんなんじゃどんな番組か分からないでしょー!」とツッコミが入って笑いが起きた。
萩本はそうやって、香取が持つバラエティ向きの資質を見抜き、それを伸ばしていった。そして、『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』(日本テレビ系)などに結びついた。『よ!大将みっけ』は、香取のその後の活躍の鍵となった番組と言える。
香取が持ち前のバラエティ力を大いに発揮したのが、1997年4月から11年半続いた『香取慎吾の特上!天声慎吾』(日本テレビ系)だ。キャイ〜ンは香取のことを王子、香取は天野ひろゆきをアマノッチ、ウド鈴木をウッディーと呼び合うなど、仲の良いムードで進行した。2019年3月24日の香取のInstagramにスリーショットが投稿されると、ファンからは喜びの声が。それほど、このトリオは親しまれていたのだ。
特番として放送された1998年の『灼熱地獄からの大脱出』回では、香取が炎上する密室から脱出するマジックを披露するはずが機材トラブルに見舞われ、行方不明になるドッキリを実行。大きな反響を集めた。現場にいたキャイ〜ンのふたりはドッキリとは知らされていなかったため、絶句していたシーンが今も記憶に残っている。今であればSNSでトレンド入りし、賛否両論は間違いなしの企画だったはず。各企画で見せる香取、天野、ウドの反応が視聴者を楽しませたのだ。
今回は筆者にとって印象深い番組をそれぞれふたつずつ紹介していった。あらためて言えるのは、平成のテレビ史を振り返る上で、新しい地図の3人の存在は欠かせないということ。そしてもちろん令和の時代でも、稲垣、草なぎ、香取はテレビ史にとって重要な番組にこれからも出演していくことになるだろう。
※1:https://realsound.jp/2022/05/post-1038432.html