ØMI、『iCON Z』プロデューサーとして見据える未来 HYBE LABELS JAPANと目指す“新時代ガールズグループの在り方”

ØMI、『iCON Z』で見据える未来

 LDH史上最大規模のオーディション『iCON Z 2022 ~Dreams For Children~』。先日開催された日本武道館での男性部門ファイナルステージにて、6人グループ LIL LEAGUEがグランプリに輝いたことも記憶に新しい中、本日21時スタートの『~夢のオーディションバラエティー~ Dreamer Z』(テレビ東京系)を皮切りに、ガールズグループ部門の独占密着放送が本格始動する。ガールズグループ部門のプロデューサーを手掛けるのは、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(以下、三代目JSB)のボーカルであり、ソロアーティストとしても活躍するØMI(登坂広臣)。自身もオーディションを経て夢を掴んだ彼は、どんなガールズグループを作り上げるのか。現在見据えているビジョンについて語ってもらった。(斉藤碧)

「LDHとHYBEの良い要素を出し合いながら進めている」

ーーまずは、ØMIさんがガールズグループ部門のプロデューサーに就任した経緯から教えてください。

ØMI:もともと、三代目JSBの活動でもプロデューサー的な立ち位置になることはありましたし、ソロに関しても、セルフプロデュースっていう形で何年もやってきて、自分でイチから何かを作り上げることやプロデュースをすることが好きなんだろうなとは気づいていたんですよね。そんな中、この先の自分自身のキャリアや音楽シーンの未来などを考えた時に、自分のDNAが通って、日本や世界で活躍できるグループやエンタテインメントを作れたらいいなと思い始めて。ガールズグループを作りたいとか、オーディションをやりたいというのは、『iCON Z』が始動する前から自分なりにずっと考えていたことでした。自分でオーディションを主催しようかなとも思っていたんですけど、同じタイミングでLDHの大きな取り組みとして『iCON Z』が始動することになり、EXILE HIROさんから「ガールズグループ部門のプロデューサー、どうかな?」とお話をいただいて。自分のやりたいこととLDHの求めることが合致したので、僕が担当させていただくことになりました。

ØMI - You (Prod. SUGA of BTS) -Official Music Video-

ーー男性部門のオーディションとは違い、ガールズグループ部門はHYBE LABELS JAPANとの共同プロデュースになります。HYBE LABELS JAPANは、BTSやTOMORROW X TOGETHERを輩出した事務所の日本支社であり、昨年ØMIさんもSUGAさんプロデュースの楽曲「You(Prod. SUGA of BTS)」を発表されましたが、どういった流れで2社が手を組むことになったんでしょうか?

ØMI:僕がSUGAさんとご一緒する前から、LDHの代表であるHIROさんとHYBEのパン・シヒョク議長は交流があり、「世界に向けて面白いエンタテインメントを発信していきたいですね」と話をされていて。まずは「アーティスト同士が交流を深めましょう」ということで、僕がSUGAさんとコラボレーション楽曲を発表させていただきました。でも実はその裏ではこのオーディションの話も同時に進んでいて、HYBEさんにどういう形で関わっていただくのが一番良いのかとか、そういうお話をずっとさせていただいていました。

ーー実際に一緒にオーディションを進めていく中で、HYBEのみなさんから刺激を受けていることはありますか?

ØMI:やっぱりHYBEさんは世界のエンタテインメントのトップにいる事務所なので、トップアーティストを育成するためのカリキュラムが素晴らしいんですよね。もちろん、LDHもオーディションや独自の育成スタイルで成り立っている会社だと思いますが、HYBEさんはそれとは違う形でずっとやってこられた会社なので、お互いの良い要素を出し合いながらオーディションを進めています。

ーーLDHとHYBEのカリキュラムは、具体的にどのように違うんでしょうか?

ØMI:まずLDHは、EXPG STUDIOというスクールやEXPG高等学院を運営していて、EXILEが実践してきたスタイルをそのまま継承しているのが特徴だと思います。僕も先日、EXPG高等学院に講師として伺い、新1年生のみなさんにお話させてもらったんですけど、ダンスのジャンルであったり、ボーカルのトレーニングの仕方であったり、そういったものが“変わらないLDHスタイル”として長年受け継がれていて。その中から可能性のある子たちが見出されて、どんどんステップアップして、LDH所属のアーティストとして羽ばたいていくというのが、今までのLDHの成り立ちですね。一方のHYBEさんは、今の韓国プロダクションのやり方でもあると思うのですが、しっかりとスカウトしてきて、可能性のある子を練習生として徹底的にトレーニングして、経験を積ませるというやり方をとっています。これはEXPGのようなスクールとは違い、たとえデビューをしていない子たちも、練習生として1回1回の試験に本気で取り組まないと切られてしまい、その環境自体がなくなってしまうという、ものすごくシビアなプロの育成システムですね。そこで過ごす緊張感は凄まじいものがあると思います。でも僕は適度な緊張感とシビアな現実は、エンタテインメントの世界に絶対必要なことだと思うので、プロを目指すなら当然のことだなと思っていて。そういった部分を大切にしながら、プロデュースしていきたいです。

オーディションの中で感じた“Z世代ならではの強み”

ーーLDHの伝統も受け継ぎながら、プロ意識の高いアーティストを育てる、良いとこ取りの環境ですね。

ØMI:僕も実際に候補生の子たちに言っているんですけど、羨ましい環境だなって思います。プロデューサーとして与えている立場の僕から見ても、めちゃくちゃ良い環境だなと(笑)。自分の時代にはなかった環境ではありますが、それを今、夢を追う彼女たちに提供してあげられることが嬉しいです。でも、環境が良いからこそ、彼女たちに要求するレベルも高くなりますし、甘えは一切許されないという厳しさも、同時に存在しているなって思います。なので『iCON Z』自体はLDHが土台にあるオーディションですが、ガールズグループ部門に関しては、今までのLDHのオーディションとは違うものになりますね。

ーー近年は韓国中心にオーディション発のガールズグループが続々とデビューしていますが、ØMIさんは今求められているガールズグループ像はどんなものだと思いますか?

ØMI:これから2~3年は、さらにグローバルなグループが増えていくと思いますし、そこで何が必要かを答えるのはとても難しいんですが、我々プロデューサーチームがどんなに良い育成環境を用意したり、グローバルなステップアップに繋がるステージや楽曲を用意したところで、本人たちが人を魅了できる人間性やパフォーマンスを兼ね備えているアーティストでなければ、多くの人の心を動かせないと思うので。作り物だけではダメなんだろうなっていうのは、すごく感じています。近年アジアから世界に進出したアーティストでいうと、BTSやBLACKPINKなどが挙げられると思うのですが、そういう世界で活躍しているアーティストは人を惹きつける圧倒的な魅力があって、それに伴ったパフォーマンス力と楽曲、アーティスト性が備わっていますよね。となると、これから育てていくアーティストにもそういうことが必要になってくるので、オーディションでも本人たちのポテンシャルや人間性を重要視していますし、グローバルで成功するためには、言語の違う国でも伝わるような人としての魅力が必要なんだと思います。候補生にも、早い段階で「スキルだけを見ているわけじゃないよ」と伝えてあります。

ーーそんな人柄が垣間見えたのが、1月30日に放送された『~夢のオーディションバラエティー~ Dreamer Z』での一幕でした。三次審査として集められた候補生たちに、1分間の自己PRをしてもらう模様が放送されましたが、印象に残っていることや、Z世代の候補生たちのここがすごいと思うところはありますか?

ØMI:あの時は審査ではなかったので、何をやってほしいとかは一切指定せずに「自己PRをしてください」とだけ伝えたんですが、個性的なPRばかりで面白かったですね(笑)。この先進んでいく審査は5人組のグループ審査になるので、グループ分けをする上でも、ここでどんな個性が発揮されるのかを見ておきたいところでした。自己PRもそうですし、今審査を進めている中でも思うのは、みんな“撮られ慣れている”ってことですね。彼女たちは、InstagramやTwitter、TikTok、YouTubeといったものが当たり前にある世代なので、自分の見せたい顔の角度とか、自分の得意なことを研究して、よく知っているんです。僕がオーディションを受けた時はTV収録が入っているだけでガチガチだったのに、「みんな、もうこんな表情できるの!?」みたいな(笑)。カメラを向けられても戸惑うことなく堂々と映るので、そこはやっぱりZ世代だなって思いますね。

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