AKB48、米津玄師、BE:FIRST……時代性と独自性が象徴的な3作 個々のスタイルで存在感示したシングルチャート
3位の『Bye-Good-Bye』はBE:FIRSTの2枚目のシングル。表題曲はリズミカルなシンセをベースとしたアップテンポなサウンドに、スピード感あふれる切れ味鋭いラップが取り入れられた現代的なダンスチューンである。終盤では高音を華麗に歌いこなす姿も披露され、彼らの高いボーカルスキルが存分に味わえる。前作表題曲「Gifted.」と比べると全体的に明るさが増し、ポップな路線にシフトしているのもポイント。2作目にしてグループイメージの振り幅の広さを示した形と言える。
AKB48のダンスボーカルグループとしての側面が強く押し出された一曲と、新興のボーイズグループとして注目されるBE:FIRSTのハイレベルな実力が確認できる一曲。どちらもグループアイドル全盛の今にフィットした作品として象徴的だが、こうしてランキング形式で見るとその間に分け入る米津作品の異色さが目を引く。
坂東祐大がアレンジ面をバックアップするようになって以降の米津作品(2019年リリース「海の幽霊」以降の全作品)は、現代のポップソングのスタイルの幅を押し広げ、普遍的な歌としての魅力を追求する姿勢が印象深い。壮大なオーケストレーションを施し、言葉を立て、実直に歌と向き合っている。それでいてしっかりとセールスも伴っている。
激変する音楽環境のなかで自分のスタイルを貫くのは容易ではない。安易に時代に寄りかからず、ブレずにいる彼の佇まいを評価したい。