ジャニーズWESTメンバー分析 第6回:濵田崇裕、グループ随一の歌声の持ち主 “優しさの塊”で得る厚い信頼
どんな役柄も自在に演じる俳優としての可能性
そして濵田を語る上で欠かせないのは、俳優としての実力である。関西ジャニーズJr.時代にA.B.C-Zや現在のメンバーと出演した舞台『少年たち Jail in the Sky』で演じた看守長役の凄みのある演技は、当時大きな話題となった。その後も舞台『大和三銃士 虹の獅子たち』では中村獅童、早乙女太一ら舞台経験豊富な俳優とともに迫真の殺陣にも挑戦した。さらに歌唱力を生かした初主演舞台『歌喜劇/市場三郎〜温泉宿の恋』は彼の真骨頂であり、続編も上演されるなど俳優として大きなステップアップに繋がった。そして昨年は初単独主演ドラマ『武士スタント逢坂くん!』(日本テレビ系)に挑戦。江戸時代からタイムワープしてきた春画師・逢坂総司郎役の演技は突き抜けており、ぐいぐいとストーリーに引き込まれるとファン以外からも高い評価を得た。
今年に入り、亀梨和也主演ドラマ『連続ドラマW 正体』(WOWOW)で演じた介護施設社員・四方田保役では一転、どこにでもいそうな“普通のいい人”を好演。クセがないフラットなキャラクターを演じることは非常に難しいと思うのだが、あえて抑えた芝居をする姿に確かな成長を感じた。
メンバーから絶大な信頼を得る優しい人柄と強さ
『RIDE ON TIME』(フジテレビ系)で重岡大毅が濵田の優しさと強さについて語る場面があった。ツアーの最終日で腰を痛めた濵田は、翌日にハードなドラマ撮影のスケジュールが控えており満身創痍だったにも関わらず、あえて明るい挨拶で重岡と別れたという。重岡は「自分なら落ち込むと思うし、ピリつくと思うのでとてもあんな風には振る舞えない」とした上で、「誰にでも自信を持って紹介できる」と濵田の人柄に太鼓判を押した。濵田自身も「名言集みたいなのが大好きなんですよ。“つらい時ほど笑ってるやつが一番強い”っていうのがあるんですけど、それを癖にしていたんだと思う」と語っている。
関西ジャニーズJr.時代には所属していたユニットが解消になるなど辛い経験もあり、決して順風満帆ではなかったが、その悔しさや辛さを糧に現在の“優しさの塊”と呼ばれる濵田が形成されているように思う。メンバーの誰からも信頼され、愛される濵田は間違いなくジャニーズWESTの鎹(かすがい)的な存在である。グループの最終兵器とも言える“濵ちゃん”は、優しさと強さを併せ持つ愛すべき存在。静かに闘志を燃やす濵田が、次にどのようなチャレンジを見せてくれるのか楽しみでたまらない。
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