花譜×長谷川白紙が探求した、歌声が持つ未知の可能性 意外な共通点も明らかになった「蕾に雷」コラボ対談

「(自分の店を持つとしたら)かまぼこ屋さん」(長谷川)

花譜:あと私、今日質問したいことをメモしてきたんですけど……。

長谷川:えぇー! そんな面白い人間ではないですが……(笑)。

花譜:(笑)。唐突なんですけど、自分の店を持つとしたら何屋さんがいいですか?

長谷川:これは、かまぼこ屋さんですね。

花譜:えぇー! なんでですか? その心は?

長谷川:かまぼこが好きだからなんですけど、花譜さんは好きですか?

花譜:好きです。

長谷川:やっぱいいですよね、かまぼこって。こんなこと言ったら失礼ですけど、かまぼこって何もなさすぎません(笑)?

花譜:ちょっとわかる。

長谷川:すごく美味しいし、食感も好きなんです。きっとそれに至るまで改良に改良を重ねた結果だと思うんですけど、それにしては見た目がシンプル過ぎるところが好きなんですよね。いろんな味と食感が楽しめるのに、すごい単一的な要素に支えられているというか。例えばわたしが楽器屋さんとかをやっても面白くないと思いますし、洋服も好きだけど趣味の領域を出ないし、そういうものを消していった結果、第一位に残ったのがかまぼこなんです。

花譜:すごい、この短時間の間にその結論になったんですね!

長谷川:これが“雷”のなせる技です。

花譜:すごい! 今、楽しいです。じゃあ、無人島に1つだけ何か持っていけるとしたら、何を持って行きますか?

長谷川:そんな心理テストみたいな(笑)。まずわたしは無人島に行ったら絶対に死ぬんですよ。多分、三日で死ぬと思うんです。どうせ死ぬのであれば、カメラですね。無人島にわたしの生存ルートはないので、後からきた人が白骨化したわたしのそばにあるSDカードを見て、「この人は写真を撮っていたんだ、こんな骸骨になるまで」と現像してもらえることに賭けます。花譜さんは何を持っていくんですか?

花譜:うーん、一人は絶対に寂しくなるから、友達かなぁ。

長谷川:すごいですね、生きてるものもありなのか(笑)。確かに、友達を連れていったらわたしも生存できる可能性が上がりますね。わたしも友達にしておきます!

花譜:じゃあ、次の質問なんですけど。

長谷川:まだあるんですね(笑)。

花譜:すいません……!

長谷川:いや、そういうつもりで言ったんじゃ! たくさん用意してくださったんだなと思って。

花譜:自分の声帯を1日交換できるとして、返す時はちゃんと元に戻るんですけど、それがあったら誰と交換して、どんなことをしたいですか?

長谷川:亡くなっている方でもいいなら、プリンスですね。わたしはその方がすごく好きで、自分の中でアイコンのような存在になっている人なんです。プリンスの声になって、カラオケに行きたいです。あの声で「Pop Life」を歌っているときはどんな感情になるのか試してみたくて。あと、それこそ、花譜さんと変えてみたいですけどね。でも、それだとわたしの声が花譜さんの方にいっちゃうのか。

花譜:入れ替え式にしますか?

長谷川:あ、そういう感じではない?

花譜:ちょっとそこまで考えてなかった(笑)。私も長谷川さんの声になりたいです。「ユニ」のときの声が大好きで。あの声は、穢れのない、美しさの権化です。

長谷川:ありがとうございます。穢れだらけの人間なので、穢れがないと言ってもらえると、なんかびっくりします(笑)。

ーーでは、そろそろインタビューもまとめの方に……。

花譜:もう1個だけ、最後に聞いてもいいですか? 長谷川さんは自分自身のことを好きですか?

長谷川:それは、めっちゃ嫌いですね。自分が一番嫌いかもしれないです。逆に、嫌いな人はそんなに出会ったことがないんですよ。わたしが会ったことある人は、みんなわたしの好きな人か、大好きな人。自分だけがその枠に入っていないですね。

花譜:すごい分かります。

長谷川:こんな話でいいの? 大丈夫ですか?

花譜:はい、ありがとうございました。

「(上京してから)散歩するのがめちゃくちゃ楽しい」(花譜)

ーー質問攻めでしたね(笑)。花譜さんは3月に高校を卒業されて、卒業ライブも行いました。ご自身にとって、高校を卒業したことに何か感慨などを感じる部分はありましたか?

花譜:卒業ってすごく個人的なことだと思うんですけど、高校卒業記念ライブをやったとき、私以上にみなさんが喜んでくれてびっくりしました。「卒業してどうですか?」と聞かれることはあるんですけど、幼稚園、小中高と私自身はあまり変わっていないとすごく感じていて。自分の中で、そういう境目がないんです。だから、高校といえば青春だからこうしましょうと言われるのが、私はすごく邪魔くさいというか。高校を卒業して変わった部分はないのかもしれないけど、今初めて一人暮らしをするようになって、それは自分の中の大きな変化だと思います。

ーーまだ上京したばかりだと思いますが、東京での暮らしはどうですか?

花譜:散歩するのがめちゃくちゃ楽しいです! 看板とかを見るのがすごく楽しい。駅も上がり下がりするじゃないですか。そうゆうのがすごく新鮮で。

長谷川:東京の空気は汚れているとか思いますか? 上京してきた友人が口を揃えてそういうことを言うんですよね。

花譜:空気じゃないんですけど、この間、ライブが終わってワクワクしながら家に帰っていたんですよ。その時に、目の前でタバコをポイ捨てする人を初めて見て、「うわっ!」って驚いてしまって。おそらく私の心の許容範囲が狭過ぎるんだと思うんですけど、めっちゃ楽しい気分だったのに、それを見た途端にひゅんって悲しくなってしまって。

長谷川:それは良くないです。タバコのポイ捨ては厳禁ですね。この記事を読んでいるみなさんも気をつけていただきたい。

花譜:いっぱい人がいるから、東京の人は冷たいってよく言われるけど、温かい人もたくさんいると思うんです。でも、ポイ捨てを見たときに、この街はそうなのかと思ってしまった自分をちょっと殴りたくなりました(笑)。

長谷川:東京にはそういった誤解が結構ありますよね。わたしが今制作している『東京照明が暗い喫茶店リスト』があるので、完成したらお送りしますね。

花譜:やったー(笑)! いいんですか、そんな貴重なものいただいて。

ーーそのリストは興味深いですね(笑)。では、もし次コラボする機会があるとすれば、どんなことをしてみたいですか?

長谷川:わたしは花譜さんに曲を作っていただいて、それを歌いたいです。

花譜:えっ! やりたーい。どんな曲がいいかな。なんかラップとかしているところを見てみたいです。

長谷川:ラップはあまりやったことないのでぜひ挑戦してみたいです!

花譜:本当ですか! なんだか楽しくなっちゃうな。

長谷川:楽しくなっちゃいますね(笑)。わたしも、「雷に蕾」を作り終えてから「もし次があったら」みたいなことを想像して、花譜さんの声だけで曲を作ったらどうなるのかなと思いましたね。「蕾に雷」のアウトロでも、花譜さんのボイパみたいなところがあって。そこが個人的に大のお気に入りなんですけど、それだけで曲を作ったらどうなるんだろうと。

花譜:それもいいですね! あと今考えたのが、2人で1パートずつ送りあって、どんどん曲になっていくみたいな。

長谷川:それはちょっと楽しすぎますね。

花譜:楽しすぎます!

長谷川:じゃぁ、次があったら今上がったどれかでぜひお願いします。

花譜:本当にいいんですか?

長谷川:もちろんです!

特集企画:花譜、ジャンルレスなコラボが生む“バーチャル×リアル“を越境した音楽

■リリース情報
コラボ企画『組曲』
花譜×長谷川白紙 「蕾に雷」
2022年4月20日配信リリース

第一弾
花譜×GLIM SPANKY「鏡よ鏡」
https://lnk.to/kaf_mirrormirroronthewall

第二弾
花譜×大森靖子「イマジナリーフレンド」
https://lnk.to/kaf_imaginaryfriend

第三弾
花譜×佐倉綾音「あさひ」
https://lnk.to/kaf_ayanesakura

第四弾
花譜×たなか「飛翔するmeme」
https://lnk.to/kaf_tanaka_flymeme

第五弾
花譜×羽生まゐご「わたしの線香」
https://lnk.to/kaf_maigohanyuu_myincense

第六弾
花譜×くじら「春陽」
https://lnk.to/kaf_springtime

■花譜 3周年記念特設サイト
https://kaf3rdanniversary.kamitsubaki.jp/

■花譜関連 URL
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