斉藤朱夏はファンへの感謝と愛情を携えながら夢を叶えていく “ヒーロー”そのもののような姿を見せたツアーファイナル
声優、アーティストとして幅広い活躍を見せる斉藤朱夏が、東名阪を巡るライブハウスツアー『斉藤朱夏 朱演2022 LIVE HOUSE TOUR「はじまりのサイン」』を開催した。今回は4月24日に豊洲PITで行われた東京2部、ツアー最終公演の模様をレポートする。
大きな拍手が起こる中、バンドメンバーに続いて、ビッグフラッグを肩に担ぎ赤い衣装に身を包んだ斉藤が登場。1曲目はハードなロックナンバー、「ゼンシンゼンレイ」。楽曲のとおり全力の歌声を響かせると、オーディエンスもそれに応えるように赤いペンライトを激しく振り返す。続く「リフレクライト」では、ステージを大きく左右に移動しながら客席の一人ひとりを見渡すと、はじけるような笑顔を見せ、「東京ファイナルです! みんないっぱい遊ぼうね!」と叫んだ。次の「恋のルーレット」では打って変わって甘い歌声を聴かせる。客席もハンドクラップとペンライトをくるくると回す振り付けでステージに熱量を返し、会場はライブ序盤とは思えないほどの熱気に包まれた。さらに間髪入れずに人気曲「パパパ」、スタンドマイクを使った振り付けが楽しいスカナンバー「ぴぴぴ」と、勢いのあるアッパーな楽曲を5曲、ノンストップで披露するという脅威のパフォーマンスを見せた。
MCでは「『ゼンシンゼンレイ』で(ステージに)出てきた瞬間、ウルウルで……」と語り、あっという間にツアーファイナルを迎えた今の心境を吐露。そして「言葉を通してキミにいろんなことを伝えたくて、でも言葉って時々すごく怖いものになってしまったりして。自分の中ですごく繊細に扱っている」「今しか言えないことがたくさんあると思うから」と、ソロデビューから一貫し言葉を大切にしてきたことをまっすぐに伝える。披露されたのは珠玉のバラード「ことばの魔法」だ。メロディの一音一音、歌詞の一つひとつを丁寧に紡いだ歌唱に、客席は感動に包まれる。続く「セカイノハテ」では、序盤はキーボードとボーカルだけでたっぷりと歌声を聴かせ、そこにバンドの演奏と客席からのハンドクラップが加わると、楽曲の持つ強いメッセージがより明確に浮き上がる。まさに“言葉“の持つ力を感じさせるパフォーマンスだった。
「まだまだみんな遊びたいよね! だってファイナルだよ!」とシャウトし、声が出せない中でもジャンプやクラップ、ハンドサインで客席とのコミュニケーションを取ると、人気曲「しゅしゅしゅ」を歌唱。ファンもタオルを全力で回しながらジャンプし、ますます熱量が上がってゆく。ペンライトの色を赤チームと青チームに分けて盛り上がりを競った「Your Way My Way」、ハリのある歌声で強い気持ちを示した「月で星で太陽だ!」と疾走感のあるナンバーを連続で披露し、ステージと客席が一体となった。