ソフィア・カーソン、デビュー作から聞こえる美しい歌声 『ディセンダント』でのブレイクからキャリアを振り返る
こうした『ディセンダント』などにおける経験は、ソフィアのアーティストとしての活動にも強く反映されている。2016年にラテンシーンで圧倒的な人気を誇るJ. バルヴィンを招いたデビューシングル「Love Is the Name」を発表して以降、継続的にシングルを発表してきたソフィアだが、前述した通り、初期はその美しい歌声と演技力を活かしてR3HABやアラン・ウォーカー、Galantisといった著名なダンスミュージックのプロデューサー／DJらとの共作曲を発表し、着実にアーティストとしての存在感を高めていった。近年はコラボ以上に単独名義での楽曲に重きを置いており、2021年にリリースされた「Fool’s Gold」ではプロデューサーにリアーナやビヨンセらとのワークスで知られるスターゲイトを、作曲にはチャーリーXCXやストームジーらと共演するなど、近年UKを中心に注目を集めるポップシンガー、RAYEという豪華布陣を招き、スマッシュヒットを記録した。
アーティストとして順調にキャリアを重ねていく中で、ソフィアは楽曲に対しても自分自身の持つ考えをより色濃く反映していくようになる。それを象徴する存在といえるのが、本作からの先行シングル的位置付けでもある「LOUD」だろう。これまでの親しみやすいアップリフティングな楽曲群とは一線を画す、情感に満ちたR&Bを聞かせる本楽曲では、女性として力強く声を上げることの重要性を訴え、〈Are you getting uncomfortable now? I’m a little too loud for you now?（ほら、いたたまれない気持ちになってきた？ こうして私が声を上げるようになって、あなたには耳が痛い？）〉とメッセージを投げかける。本楽曲には、ソフィアの母親からの教えが反映されており、そんな母親へと捧げられた曲であること明かされている（※1）。『ディセンダント』のような物語やそこに込められていたメッセージを、今度は自らの手と声で伝えようとしているのだ。
そんな彼女の“今”が詰まった作品が『ソフィア・カーソン』である。本作には、「Fool’s Gold」「LOUD」といったシングル群に加え、本作のために書き下ろされた新曲も数多く収録されている。筆者個人として特に感銘を受けたのは、ソフィア自身のルーツ（ソフィアの両親はコロンビア系であり、そのことに誇りを持っている）であるスペイン語で歌い上げられる壮大なバラード「Cómo, Cuándo y Dónde」で、ソフィアの伸びやかで美しい歌声も相まって、音の一つひとつに深く魅了されていく。ルーツといえば「Sugar」はアルバムのアップリフティングな側面を支える楽曲だが、こちらもラテンのリズムをベースとしたナンバーで、制作にあたって自らの原点と改めて向き合ったことを強く感じさせる。
本作のリリースを経て、ソフィアの存在、そして力強く放たれたメッセージは、これまでの演者として培ってきたファンベースを超えて、さらに大きな注目を集めていくことになるだろう。これまでソフィアのことを知らなかった、という方も、是非本作を通してその声に触れてみてほしい。
※1：https://thomasbleach.com/2022/02/16/interview-sofia-carson/
■リリース情報
ソフィア・カーソン
デビューアルバム『ソフィア・カーソン』
デジタル配信中
日本盤CD発売中 UICH-1018 ¥3,630 (税込)
https://umj.lnk.to/SofiaCarson_AlbumPN
＜超豪華収録内容の日本盤CD＞
・日本のファンに向けたソフィア直筆プリントメッセージ（対訳付き）
・来日時の写真含むソフィアが自らピックアップした写真を多数掲載
・ボーナス・トラックとして過去の人気シングル7曲を追加収録
・ここでしか見れないソフィアのインタビュー入り解説付き
・全曲歌詞・対訳付き
・初回限定特典：スマホサイズ・ジャケット・デザイン・ステッカー封入
＜収録曲＞
01. イッツ・オンリー・ラブ、ノーバディ・ダイズ（It’s Only Love, Nobody Dies）
02. ラウド（LOUD）
03. シュガー（Sugar）
04. タイムレス（Timeless）
05. ステイ（Stay）
06. コモ、クアンド・イ・ドンデ（Cómo, Cuándo Y Dónde）
07. スティル・ラブ・ユー（Still Love You）
08. フールズ・ゴールド（Fool's Gold）
09. ヒー・ラブズ・ミー、バット…（He Loves Me, But…）
10. トゥー・ティアーズ・イン・ア・バケット（Two Tears in a Bucket）
11. ラブ・イズ・ザ・ネーム（Love Is the Name）*
12. バック・トゥ・ビューティフル featuring アラン・ウォーカー （Back to Beautiful featuring Alan Walker）*
13. インズ・アンド・アウツ（Ins and Outs）*
14. アイ・ラブ・ユー with R3HAB（I Luv U with R3HAB）*
15. ミス・ユー・モア・ザン・ユー・ノウ with R3HAB（Miss U More Than U Know with R3HAB）*
16. ゲス・アイム・ア・ライアー（Guess I'm a Liar）*
17. ホールド・オン・トゥ・ミー（Hold on to Me）*
*日本盤ボーナス・トラック
(C) 2022 Hollywood Records, Inc.
■関連リンク
ソフィア・カーソン公式サイト：https://www.universal-music.co.jp/sofia-carson/