緑黄色社会、『映画クレヨンしんちゃん』にもたらす深みと希望 忘れたくない気持ちを歌った力強いポップソング
そんな映画に、緑黄色社会の主題歌は何をもたらしているのか。小林壱誓(Gt)が書いているこの曲の歌詞にはこんなフレーズがある。〈寂しくなれる/それもイイことなんだよ/誰かが居た温もりに/生きられるから〉。「家族の絆」や「大切な存在」といったことが表のテーマだとしたら、その裏側には「だからこそ訪れる孤独や寂しさ」がある。実際に作中でもしんのすけは、忍者の里で暮らすことになり、家族と離れ離れになってしまう。昼間は彼らしくふざけ倒して気丈に振る舞いながらも、夜ひとりで布団にくるまったとき、しんのすけは夢の中でひろしやみさえ、ひまわりやシロと再会し、「しんのすけ」という名前がこれまで数えきれないほどたくさん呼ばれてきたことを思い出す。目を覚ました翌朝、彼はこう叫ぶのだ。「オラは野原しんのすけだゾ!」。孤独のなかでしんのすけは自分にとって大事な人の存在、呼ばれ続けてきた自分の名前の尊さを痛切に思い出すのである。
間違いなく映画の中盤におけるハイライトであるこのシーンに込められたものを、「陽はまた昇るから」は丁寧に掬い上げる。曲名通り夜明けとともにすべてが大団円を迎えたあと、日常に戻ってきた野原一家やしんのすけの友達たちが穏やかな時間を過ごすシーンを背景に、満ち足りた日常の中で忘れてはいけない気持ちがあるんだよ、ともう一度伝えるかのように聴こえてくるこの曲は、映画のテーマをさらに深め、同時に別の角度から光を当てるような大きな役割を果たしているのである。〈心の声すら聞こえるよ/それでも声が聞きたいんだ/生まれてきたそのときから/地球がみとめた引力だ/その始まりを忘れないように〉。この映画のみならず、30年続いてきた『クレヨンしんちゃん』の物語すべてを引き受けるようなフレーズが、次なる一歩の背中を押す。愛に満ちたコラボレーションによって生まれた最高の主題歌。その相乗効果がどれほどのものか、ぜひ劇場で確かめてほしい。
※1:https://www.shinchan-movie.com/song/
■リリース情報
5th シングル『陽はまた昇るから』
4月20(水)発売
ダウンロード・ストリーミングはこちら
●初回生産限定盤 [CD+Blu-ray] ¥3,900税込
●初回生産限定クレヨンしんちゃん盤 [CD] ¥1,200税込
「クレヨンしんちゃん」コラボスリーブケース
●通常盤 [CD] ¥1,100税込
[初回仕様] 描き下ろしメンバーイラストステッカー(4種のうち1種ランダム封入)
<収録内容>
CD
01. 陽はまた昇るから
02. 時のいたずら
03. 陽はまた昇るから–Instrumental-
04. 時のいたずら–Instrumental-
Blu-ray【初回生産限定盤】
『WOWOW×緑黄色社会 Special Live “PRISM”』
01. merry-go-round
02. inori
03. LITMUS
04. 視線
05. ずっとずっとずっと
06. あのころ見た光
07. 幸せ
08. Brand New World
09. アーユーレディー
10. それなりの生活
11. Mela!
12. LADYBUG
13. Shout Baby
14. これからのこと、それからのこと
15. Alice
16. sabotage
■映画情報
『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』
4月22日(金)公開
原作:臼井儀人(らくだ社)
監督:橋本昌和
脚本:うえのきみこ、橋本昌和
製作:シンエイ動画・テレビ朝日・ADKエモーションズ・双葉社
声の出演:小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ ほか
ゲスト声優:川栄李奈・ハライチ
主題歌:緑黄色社会「陽はまた昇るから」
■緑黄色社会 関連リンク
オフィシャルホームページ:https://www.ryokushaka.com/
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