DA PUMP、強い意志を持って届けたラブ&スマイル “らしさ”全開で臨んだ2年ぶり有観客ツアー初日公演

 ライブ終盤に差しかかり、セットにカラフルなLEDが煌めく「U.S.A.」へと突入。続く「P.A.R.T.Y. ~ユニバース・フェスティバル~」もそうだったが、キッズもシニアもそれぞれのノリで“いいねダンス“や“バイーンダンス“を踊る様子は、“老若男女が楽しめる”という彼らのライブのコンセプトを体現しているようで、不思議な一体感があった。

TOMO

 そして個人的にこの日一番のインパクトを感じたのは、『DA POP COLORS』収録の「Lean Back~俺たちのキーワード~」。ドープなヒップホップのトラックと、北米~南米で人気のlean back(椅子に寄りかかるように傾きながらバックする)のムーブを採り入れた“りんばっくダンス”を組み合わせ、DPCも巻き込んで踊る様子は、冒頭に書いたように“ストリートダンスカルチャーの伝道師”の面目躍如といえる光景だった。そしてみんなで踊れるパートの振りはシンプルだが、間奏部分の高速ダンスやサポートプレイヤーのGakushiがキーボード、ドラムなど様々な楽器でソロを展開するといった様々なギミックが盛り込まれていたのも興味深く感じた。

KENZO

 アンコール時のMCでは、「2年間悔しい思いをしながらも、今できることを発信してきたつもり。でも僕らの現場はライブなので、また観に来てもらえたら」(TOMO)、「この2年間にみなさんにたくさんのギフトをいただいたので、これからは僕らがギフトを返していきたい」(KENZO)とこの2年を振り返った。胸椎類骨骨腫のため2019年のツアーに不参加だったYORIは「みなさんと長くツアーでお会いすることができなかったので、みなさんの笑顔を見られることが幸せなんだと、改めて今日感じました」と感無量の様子。客席のあちこちに向かって何度も「ありがとうございました!」と繰り返していたISSAは「僕たちも頑張っていきます、共に頑張っていきましょう」と挨拶してライブを締めくくった。

 今回挙げた楽曲はいずれも『DA POP COLORS』に収録されているが、さまざまな曲調や見せ方の幅を持たせつつも“強い意志を持って愛と笑顔を届けていく”といった思いを感じ取れる楽曲ばかり。「これからもみなさんとハッピーをシェアしていきたい」(KIMI)という発言もあったが、DAICHIなど脱退した面々も含めたメンバーたちが17年の間に紡いできた“DA PUMPらしさ”を形にしたアルバムであり、それは彼らのライブへの姿勢にもつながっているのだろう。

 同ホールツアーののち、5~6月にかけてアリーナツアー『LIVE DA PUMP 2022 ARENATOUR DA POP COLORS』に突入、デビュー記念日の6月11日には千葉・幕張メッセ国際展示場7・8ホールにて25周年を迎える彼ら。驚くほどピースでパワフルでチャレンジングなB-BOYたちの生き様を、この後のツアーでもぜひ目に焼き付けてほしい。

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