兎田ぺこら、湊あくあ、猫又おかゆ、森カリオペらが音楽で繋げる希望 世界中のファンとリンクした『hololive 3rd fes.』DAY2レポ
さらに、ホロライブEnglish(EN)、ホロライブインドネシア(ID)といった海外勢のパフォーマンスも、今回の目玉であった。
スタイリッシュな衣装に身を包んだ森カリオペは、高い歌唱力に加え、ハードなラップや独特な振り付けで独自の世界観を生み出す。小鳥遊キアラは、3Dならではのハイクオリティなダンスと美しいボーカルを披露し、観客からは大きな手拍子で迎えられた。アイラニ・イオフィフティーンはキャラクターにピッタリのポップなステージで、アイドルらしさとキュートさで自身をアピールする。アユンダ・リスは美しいハイトーンを活かした圧倒的な歌唱力で場を支配し、可愛らしいルックスとのギャップで会場を魅了。
ホロライブENとIDのメンバーは待望の3Dお披露目ということもあり注目度も高かったが、それぞれがその期待に見事に応えた。
続いて登場したのは、湊あくあ、紫咲シオン、猫又おかゆの“紫3人組”。MCでは海外勢と一緒にライブができる喜びや、それぞれのパフォーマンスへの賞賛を送り合い、仲の良さを見せる。3人がユニットで披露したのは「フォニィ」。これまでそれぞれペアで歌ったことはあったものの3人で歌うのは初めてとのことだが、MCで見せたコンビネーションをそのままに、ポジションが次々に入れ替わるダンスとボーカルで抜群のチームワークを発揮した。
ライブも終盤に差し掛かり、エモーショナルな楽曲が続く。不知火フレアは「地球最後の告白を」を披露。伸びやかな高音を響かせ、会場の心を一つにした。「Howling」を歌った大神ミオは、楽曲の持つ激しさと熱さを歌とダンスで表現し、魂の宿ったステージングを見せる。獅白ぼたんの「Lioness‘ Pride」はそのボーカルが生バンドならではの重低音が活き、メッセージ性が力強く響いた。
「海想列車」という意外な選曲で会場を沸かせた湊あくあは、MVをバックにその世界観を歌い上げた。ときのそらは「Step and Go!!」を歌唱。パワフルにステージを広く使い、前向きなメッセージを会場の隅々にまで届ける圧巻のパフォーマンスを見せた。最後のユニット曲は、ときのそらとロボ子さんによる「劣等上等」。声質の違いを上手く活かした歌唱とシンクロしたダンスで、二人ならではの化学反応を生み出した熱いパフォーマンスとなった。
二人はMCで「大きなステージで全体ライブができたのも、ライブタイトルの『Link Your Wish』にもあるとおり、私たちの願い、世界中のファンの皆さんの願いが一つにつながった結果」「この先も終わることのない願いを胸に活動していきます」と、大きな感謝と未来への約束を述べ、ライブはついにフィナーレへ。
最後は全員揃ってライブTシャツに衣装チェンジし、新曲「Prism Melody」を披露。それぞれ発揮してきた輝きはそのままに、未来へ続く希望を一体感を持って歌い上げた。
ホロライブの未来にさらなる夢を抱かせる、フェスならではの贅沢なステージである。ハイレベルな技術や舞台美術・多彩な演出はもちろんのこと、そのパフォーマンスによってメンバーそれぞれの才能があらためて明確に示された。彼女たちの個性は、音楽性の幅広さに反映されている。生バンドによる演奏は、その音楽体験をより鮮明にした。ファンにとっても新たな音楽との出会いによって、彼女たちの魅力を再発見できたはず。“Link Your Wish”のタイトルどおり、アイドルたちと世界中のファンが音楽によって想いをつなげたライブであった。