Ms.OOJA、歌と共に辿ったデビュー10年の軌跡 小渕健太郎やJAY'ED、AK-69も駆けつけた武道館公演

 「10年の歴史が詰まった圧巻の歌唱力」

 3月27日に日本武道館で開催された『Ms.OOJA 10th Anniversary Live“はじまりの時” in 日本武道館』は、そんな言葉がぴったりであった。磨き上げてきた歌声で観客を感動させ、存在感を見せつけたMs.OOJAによる渾身のライブをレポートしたい。

Ms.OOJA

 オープニング映像とともに、深い青の照明で照らされるステージ。波の音から水中音へとSEが変わり、神秘的な雰囲気の中、Ms.OOJAが白いドレスに身を包んで姿を現す。「はじまりの時」をアカペラで歌いだした直後、感極まって声を震わせてしまう場面があったが、観客は彼女に寄り添うように手拍子で背中を押す。「ありがとう」と微笑んで歌いきると、「FLY」へ。クールなビートに乗せて力強い声が響き渡り、その迫力に思わず圧倒されてしまう。続けて「Who Are You」、「星降る夜に」、「鐘が鳴る」と昨年リリースした楽曲を披露していく。いずれの楽曲でも客席を見渡しながら歌っており、力強い歌声とは裏腹な穏やかな笑顔が美しかった。

 鳴り止まない拍手の中、「ようこそ、武道館へ。今日この日を無事に迎えられてすごく嬉しいです。今日は10年分の思いを、メッセージを皆さんに届けていきたいと思っています」と挨拶。「みなさん、座ってください」と言って始まったのは「海を見てる」、「あなたに会えなくなる日まで」、「You are Beautiful」。よくピッチが正確なアーティストのことを“口から音源”と表現するが、Ms.OOJAの場合は“口から音源”どころではない。声に表情が乗っているからだろうか、音源を聴くよりも楽曲の色や奥行きが見えてくるのだ。

 再び観客が立つと「Footprint」、「I'm ALIVE」へ。「武道館、まだまだイケますか? 声は出せないけど、心で歌ってね」という言葉にクラップをしたり、ジャンプをしたりしながら盛り上がっていく。ここで「1人目のスペシャルゲスト、ご紹介しましょう!」と、コブクロ・小渕健太郎が姿を現した。「10周年おめでとうございます。スペシャルな夜にお招きいただき、ありがとうございます。盛り上がっていきましょう!」と挨拶し、「WAY YOU ARE」が飛び出す。Ms.OOJAとともに小渕もステージ上を動きまくり、会場を盛り上げていた。指笛で盛り上がりをもうひと押しすると、「ありがとうございました!」とステージを後にした。上がりすぎたテンションを「翼」で少しクールダウンすると映像が流れ、今回のライブにかける思いが語られる。

 紫色のドレスに衣装チェンジして登場したMs.OOJAが、客席に合図をするとスッと立ち上がる観客たち。ここからはカバーソングタイムだ。「真夜中のドア」で世界観を作ると、「皆さんも一緒に踊りましょう!」と、「フライディ・チャイナタウン」へ。会場が一体になって踊りながら楽しんでいた。その後も「空と君のあいだに」、「let go」、「最後の雨」をMs.OOJAテイスト全開で披露。運び込まれた白いソファーに腰を下ろすと、「Ms.OOJAといえばカバーが欠かせない要素ですが、この曲を初めて聴いた15歳の時はまさか自分が武道館で歌ってるなんて夢にも思わなかったです」と「First Love」を歌い上げた。

 ここで2組目のゲストとしてJAY'EDを呼び込む。「武道館の皆さん、JAY'EDです」と挨拶をして、「また君と」を披露。激励するかのように握手を交わしてJAY'EDが去ると、「もう1人、スペシャルなゲストを紹介しましょう」とゴスペラーズ・黒沢薫を呼び込む。しっかり顔を見合わせながら「愛とは・・・」を歌い上げている2人の姿が印象的だった。大きな拍手の中、黒沢がMs.OOJAをエスコートするように腕を組んでステージを後にすると再び映像が流れ、生まれてからを振り返りつつMs.OOJAのアーティスト感が語られた。

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