乃木坂46、29枚目シングルが大差でチャート首位 切なさや繊細さを多彩なサウンドに織り込んだ、新感覚の1枚

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2022-04-04/

 4月4日付のオリコン週間シングルチャートによると、乃木坂46の『Actually...』が売上枚数463,439枚で首位を記録。続いてBMKの『だって今日まで恋煩い』が29,490枚で2位、≠MEの『チョコレートメランコリー』が7,593枚で3位となった。乃木坂46が2位以下に圧倒的な差をつけた週であった。

 『Actually...』は乃木坂46の通算29枚目のシングル。表題曲の作曲はNAMITO、編曲はAPAZZIが手掛けた。BPM145付近で駆け抜ける速めのビートを土台に、序盤は比較的穏やかなサウンドで、不穏とも、幻想的とも感じられる空間系のエレクトロニクスが繰り広げられる。そこから、語尾で旋律がふわっと上昇する〈足りないもの〉のフレーズを経て激しいEDMへと急展開。最後は〈どうせ未来は/1mmも変わらない〉と悲観的な言葉で結ぶ。歌詞は、〈気づいてない〉〈わかってない〉〈見えてる現実は一部〉といった言葉が多用され、全体的に抽象的で不透明な状態を彷徨い続けている。こうした先の見えない世界観の歌詞とダンスビートの融合が新感覚の1曲だ。

乃木坂46『Actually...』

 一方で、全タイプ収録のカップリング曲「深読み」は、深読みされることを嫌う主人公の心情を描いた1曲。〈複雑な女〉と勘違いされがちな自身の性格を、〈そんな深読みをするなんて無駄だ/何にも考えていないし…〉と一蹴し、〈本当は普通の寂しがり屋〉だと明かす歌詞に対して、中盤の哀愁あるギターソロや、全編に渡る力強いホーンセクションなど、サウンド面も凝っている。作曲・編曲はともに高木龍一。

 TYPE-Aの収録曲「価値あるもの」は、繊細なピアノの音色と美しいメロディ、流麗なストリングスが印象的な乃木坂46らしい1曲。歌詞は、君に片思いをする主人公が、見返りを求めず、〈一方的に想うことが 価値ある愛〉だという純粋な思いが綴られている。作曲は杉山勝彦、編曲は杉山と谷地学が手掛けている。

乃木坂46『価値あるもの』

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