『私ときどきレッサーパンダ』劇中歌がバイラル絶好調 ボーイズグループの魅力が詰まった、背中を押すキャッチーな1曲に

 そして「Nobody Like U」以外にも「U Know What’s Up」「1 True Love」の2曲もあわせて手掛けており、ビリーは「3曲のうち1つは、“勇気づけられる曲”。2つ目は“恋愛バラード”。そしてもう1つは誰もが知るヒット曲よ」(※1)と解説。「誰もが知るヒット曲」にあたる「Nobody Like U」について「2000年代初頭のアイドル風にキャッチーで、ハモりや手拍子や振りがある。ボーイズ・グループには少女たちが恋する魅力があるんだ」(※2)とフィニアスは楽曲の魅力を語っている。Backstreet Boysや'N Syncのような1990年代後半から2000年代前半を彩ったボーイズグループをモチーフに、圧倒的なメロディのキャッチーさと、フェイクやハモリといったボーカルワークの見せどころがふんだんに盛り込まれたこの楽曲。そこに対して、トラックは2022年でも違和感を感じさせないようアップデートされており、そのバランス感覚は、さすがの一言である。歌詞もチアフルで前向きなラインが多く「どんな君も君だよ。本当の自分を隠さないで」「どんな自分でも自分の一部であり、そのままでいいんだよ」というメッセージが込められた、背中を押してくれる楽曲となっている。今回チャートにランクインしている英語バージョンでは、フィニアス・オコネル自身や歌手で俳優のジョーダン・フィッシャーなどが素晴らしい歌声を聴かせてくれているが、日本バージョンでは、昨年「CITRUS」で日本レコード大賞を受賞したボーイズグループ Da-iCEが「どんな君も」としてカバーしている。圧倒的な歌唱力を誇るDa-iCEによるカバー「どんな君も」と、本家の「Nobody Like U」を聴き比べてみるのも面白いかもしれない。

Nobody Like U (From "Turning Red"/LyricVideo)

 映画内でのキャラクター楽曲とは思えないほど作り込まれた4★TOWNのオリジナルソングたち。楽曲の強度に裏打ちされるキャラクターの実在感は映画自体に深みを与え、ストーリーをより立体的に浮かび上がらせる。『私ときどきレッサーパンダ』のエンドロールを観る頃には、あなたもメイと同じように4★TOWNの虜になっているかもしれない。

※1、2:https://disneyplus.disney.co.jp/news/2022/0315_01.html

関連記事