FANTASTICS、活動の広がりの中で進化するパフォーマンス ツアーや冠番組での思い出もたっぷりと語る

 全国ツアー『FANTASTICS LIVE TOUR 2021 “FANTASTIC VOYAGE” 〜WAY TO THE GLORY〜』が大盛況のうちに終了し、現在は冠番組『FUN!FUN!FANTASTICS SEASON2』(日本テレビ系)や、リーダー・佐藤大樹の初主演ドラマ『liar』(MBS/TBSドラマイズム)が放送中。また、ボーカルの八木勇征が昨年、ドラマ『美しい彼』(MBSドラマ特区)に主演し、アジア圏を中心に海外にも人気が波及するなど、メンバー個人の活動にも注目が集まったFANTASTICS from EXILE TRIBE。そんな彼らが、2022年初リリースとなるニューシングル『サンタモニカ・ロリポップ』を3月9日にリリースした。歌って踊れて、演技にも秀でたエンタテインメントグループだからこその魅力が詰まったシングルについて、そして4月1日に開幕するFANTASTIC 6としての舞台『BACK TO THE MEMORIES PART2』などについて、瀬口黎弥、堀夏喜、木村慧人、中島颯太の4人に話を聞いた。(古知屋ジュン)

【オリジナル動画】FANTASTICSにとっての“心のオアシス”

【思わぬ珍回答に爆笑!】FANTASTICSにとっての“心のオアシス”とは?

心地良いリズムやペアダンスなど、聴きどころ満載の新曲に

ーータイトル曲「サンタモニカ・ロリポップ」(『FUN!FUN!FANTASTICS SEASON2』主題歌)はシティポップテイストで、皆さんの流れるようなパフォーマンスが映える楽曲ではないかと思います。最初に聴かれた時の印象を教えてください。

中島颯太

中島颯太(以下、中島):お洒落ですよね。裏のトラックやメロディライン、シティポップ感が今の気分にすごくよく合っていて、気分の上がる楽曲です。

木村慧人(以下、木村):一つひとつの音が繊細だなと感じました。(アメリカ西海岸の)サンタモニカの風景が自然と想像できるし、聴いていて楽しい曲です。

堀夏喜(以下、堀):大人っぽくてスタイリッシュなサウンドで、タイトルの明るいイメージからのギャップが素敵だなと思いました。

瀬口黎弥(以下、瀬口):落ち着いた雰囲気もあるんですよね。聴いていて心地いいトラックも魅力的だと思います。

ーー小竹正人さんが手掛けた歌詞には〈サンタモニカ〉〈夏の匂い〉〈太陽の下〉といったキーワードが出てきますね。実際に歌ってみて、中島さんは印象的な言葉はありましたか?

中島:西海岸の雰囲気はもともと好きなので、歌詞に出てくるような風景のイメージはすぐに湧きました。〈日常に散らばる 情報なんていらない/ただ僕はあなたが好き〉というのは直接的だけど、素敵な歌詞だなと思います。

ーー歌うにあたって、意識しているポイントはありますか?

中島:リズム感をすごく意識しています。例えると、歩きながら歌ってノッているイメージです。ファンの皆さんにも聴きながら気分よくなって、街中でも踊りたくなってほしいです。特に難しいのは、言葉を詰め込むサビでリズムをどうキープするかですね。

ーーさらりと踊ってみせているけれど運動量が大きい振り付けになっていますよね。パフォーマーのお三方には、振り付けの見どころを教えていただきたいです。

堀:振り付けは世界さんが担当していますが、流れるようにスタイリッシュな振り付けをぜひ見て欲しいと思います。

瀬口:踊っていて体の芯まで心地よさを感じる振り付けで、メンバー個々も際立ちますし、グルーヴ感が強調されているのも見どころです。

木村:メンバーそれぞれが自由に、心から楽しくノレるような構成になっていて。今回は振りを揃えるというよりも、個々のスタイルが重視されていたので、踊っていて楽しかったです。見どころは……全部ですね(笑)。

木村慧人

ーーわちゃわちゃとした楽しい雰囲気もありつつ、MVでは世界さん&澤本夏輝さんなど、ペアダンスを含むパフォーマンスも満載ですね。

堀:メンバー同士でシェアハウスをしているというテーマ設定なんです。そんな日常の1コマを見せつつ、パフォーマンスシーンではドローンを使用した動きのあるカットも見られるので、楽しんでもらいたいです。

瀬口:背景のセットもよく見るととても可愛らしいので注目してもらいたいです。僕らの日常でのルーティーン的な一面を見られるようなポイントもあります。

木村:サビまでの流れで、ペアになってそれぞれに役割がある感じとか、全員でノリながら楽しく進んでいくシーンは、個人的なおすすめポイントの1つ目です。もう1つはサビの振り付け全部ですね。2番Aメロ~Bメロでのペア同士のダンスも必見です。僕は大樹くんと踊ったのですが、この部分の振り付けは僕が考えました。

【Music Video】サンタモニカ・ロリポップ (Santa Monica Lollipop) / FANTASTICS from EXILE TRIBE

ようやく出せるんだと思えた「Tie and Tie」

ーー草野華余子さんが作詞・作曲を手掛けた2曲目「Turn to You」(ドラマ『liar』エンディング主題歌)はロマンティックなイメージの楽曲ですね。歌い出しが中島さんというのは珍しいパターンかと思います。

中島:歌い出しを担当できるのは嬉しいですね。でも、その曲の世界観に引き込むように一言目を発さないといけないので、レコーディングの時から声の表情を意識しながら歌っていました。

ーー『liar』のストーリーにリンクした内容にもなっていると思うのですが、歌詞に出てくる2人はどんな関係性だと思いますか?

中島:素直になれないもどかしさと、まっすぐに惹かれる想いの両方が込められていると思います。わかりやすい部分と、心の奥底に秘めている思いを歌う部分があるので、一つの物語になっているみたいで、歌詞を読むだけでもすごく楽しいです。

堀:本音を隠しながらも思い合っている2人の姿が思い浮かびますよね。お互いを道しるべとして進んでいくような関係にも思えます。

瀬口:〈暗闇の中で 回り道をしようとも〉の歌詞から、お互いに伝えたい気持ちや、伝えてもらいたい気持ちはあるけどうまく言えず、それでも譲れない愛がしっかりとあるような関係性を感じました。

木村:気づいたら惹かれ合っていて、お互いの気を引くため無意識のうちに嘘をつき合ってしまう、切ない関係も想像していました。

ーー佐藤さんの主演作品でFANTASTICSが主題歌を担当するというのは、過去にも映画や舞台でありましたが、今回は地上波ドラマのエンディング主題歌ということで、より多くの人に届く曲になるのではないかと思います。

瀬口黎弥

瀬口:そうですね。ドラマをきっかけに、FANTASTICSの名前が広がってくれたら嬉しいなと思います。大樹くんの演技に関しては何も心配することがないので、楽しんで頑張ってもらいたいです。

中島:大樹くんにとっても初主演ドラマなので、すごくおめでたいことだなと思います。大樹くんは「今回は深いドラマだから観なくていい」と言ってきますが、確実に観て感想をしっかり送ります(笑)。

ーー3曲目の「さよならレイニー・タウン」は、同じミディアムナンバーでも「Turn to You」に比べて譜割りが難しいイメージの楽曲ですね。レコーディングはいかがでしたか?

中島:自分の力ではどうしようもない別れや旅立ちへの想いと、希望や決意の感情も含まれた歌詞なので、今までよりも特に強い想いを声に込めてレコーディングしました。上手く歌おうという意識ではなく、歌う前にしっかり曲の世界観に入り込んで、歌詞を伝えようと思いました。メンバーからは「歌い回しが大人になって、めちゃくちゃよかった」と言ってもらえてすごく嬉しかったです。

ーー歌詞の中で〈雨〉がキーワードとして使われていますが、皆さんにとって印象的だった雨の日のエピソードはありますか?

中島:FANTASTICSは基本、晴れ男なんです。ある野外ライブがあった日、土砂降りですごい雨だったんですが、FANTASTICSの出番5分前に急に晴れたことがあって。

木村:それ、僕も言おうと思ってた!

中島:ごめん(笑)。無事にパフォーマンスできて、出番が終わってはけたら5分後くらいにまた雨が降ってきたことがあります。奇跡ですし、急に晴れたのでパフォーマンス中に虹も出て、神秘的な瞬間になりました。

瀬口:FANTASTICSに入る前ですけど、福岡から上京したての頃、渋谷でアルバイトをしていて、帰りに地下鉄に乗ろうと階段を降りていたんですよ。その日は雨で階段が濡れていたので足を滑らせて、すごい速度でお尻で階段を降りちゃいました。降りた先でカップルと横並びになってしまって、なんとも言えない空気になったのが雨の思い出です(苦笑)。

堀:颯太が言ったように僕らは基本、晴れ男なんですけど、バス1台で全国を回った武者修行の最終日が雨でしたね。「せっかくの最終日に……」とその時は思いましたけど、雨に濡れながらパフォーマンスしたことでいつも以上にエネルギーを解放できて、今思い返せば一番熱い公演だったのが記憶に残っています。

堀夏喜

ーーアニメ『錆色のアーマ -黎明-』(TOKYO MXほか)エンディングテーマになっている4曲目「Tie and Tie」は、2019年に佐藤さんが主演した2.5次元舞台『錆色のアーマ -繋ぐ-』でも使われていました。レコーディングはいつ頃だったのでしょうか?

中島:僕らがデビューしてから半年くらい、18歳の時だったと思います。まだ本当に経験もない中で、難しすぎる曲だったなと鮮明に覚えています。

ーーグループとしてはお付き合いの長い曲になりますね。

木村:今回収録されるということで「この曲がようやく出せるんだ!」と思いました。2019年に最初に聴いた記憶が今では懐かしいですが、かなり正統派のバラードなので、ライブでやるならボーカルをじっくり聴かせる曲になるのかなと思っていました。

ーーFANTASTICSの他の曲にはないような雰囲気のバラードで、ボーカルのお二人の声色や歌い回しも大人っぽいイメージがあります。

中島:『錆色のアーマ』自体の世界観もありますが、小竹さんに歌詞のテーマを聞いて、それをすごく意識しながら本当に細かいところまで、最後の最後のフレーズまで気持ちを込めて歌ったことを覚えています。

ーーまだライブでは披露されていないかと思いますが、もし振りを自分で付けるとしたら、パフォーマーのお三方はどんなイメージにしますか?

瀬口:僕なら、体の線のしなやかな動きを重視した振り付けにしたいですね。

木村:一つひとつの動きに対して感情が込めやすいように、丁寧に構成を考えながら作るのかなと思います。

堀:心が揺さぶられるような奥深い世界観を壊さないまま、振りを付けるのが難しい曲だと思いますけど、ライブでやるなら1曲をパフォーマー1人で踊りきってもいいなと思います。

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