DOPING PANDA、10年の時を経てたどり着いた新たなスタートライン ゆかりの地 新代田FEVERで活動再開を果たす

 さて、ライブに話を戻すと、MCを挟んでの前半終盤では11年ぶりのニューアルバム『Doping Panda』から「Imagine」を披露。新しいDOPING PANDAのサウンドを堂々と知らしめるような楽曲で、Furukawaがファルセットを交えて歌うメロディが美しい。ダンサブルなロックチューンという、DOPING PANDAのシグネチャーは健在ながら、そこに踊れる「だけ」ではない深みと厚みが加わったような、最新型のドーパンだ。そこから「It’s my life」を経て「Candy house」へ。一面のジャンプが巻き起こり、ライブは最初のクライマックスを迎えた。

 その後ラジオの収録を挟み、いよいよライブは最終盤へ。Hayatoの申し出によりもう一度「Imagine」を鳴らすと、「The way to you」へ。白いジャケットの中に着たTシャツを汗まみれにしながら、Furukawaは全身全霊で歌い続ける。ドーパン解散後も第一線で音楽活動を続けてきた彼だが、おそらくDOPING PANDAのFurukawaとしてステージで

使う筋肉はまた違うのだろう。全てを振り絞るようにして歌う姿が印象的だった。そしてラストはお馴染みのギターリフから「Crazy」。Furukawaは「ミラクル起こしちゃってさ」と歌詞の一部を変えて歌った。この再結成とアルバム制作を「奇跡」と繰り返して表現していた彼からメイニアに向けた愛のメッセージだったのだと思う。アンコールでは「1曲だけ!」と言って、Taroの重たいスラップから始まるライブの人気曲「GAME」を投下。以前ならコール&レスポンスも起きていたはずのこの曲だが、このご時世では難しい。だがオーディエンスは全力で手を振り上げて気持ちを飛ばし、メンバーも笑顔でそれを受け止めていた。

 バンドの空白期間での活動を通して、以前のDOPING PANDAとは少し違う空気を醸し出していた3人。10年の間にそれぞれの生活や仕事にも変化が生まれたため、バンドとしての活動は「できる範囲で」やっていくという新生ドーパン。これから始まるZeppツアー『∞ THE REUNION TOUR』後の活動については現時点では未定ということだが、少なくとも、この日、DOPING PANDAはもう一度始まった。これまでとは違う歴史が、できるだけ長く紡がれていくことを願いたい。

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